イーサリアム上のビットコイン「WBTC」のカストディアンとして知られるビットゴー(BitGo)は、ニューヨーク州での金融規制当局であるNYDFS(ニューヨーク州金融監督局)よりBitGoニューヨーク信託会社LLCの設立を認可された。
仮想通貨カストディアンBitGoのニューヨーク進出
ニューヨークといえばウォール街で有名であり、米国にとっての金融の中心として知られている。一方で金融における重要な拠点であるニューヨークでは、仮想通貨企業がサービスを開始するには規制当局により厳しい審査が行われる。
イーサリアム上のビットコインである「WBTC」のカストディアンとして有名なBitGoは、2020年8月にBitGoニューヨーク信託会社LLC設立をNYDFSへ申請。NYFDSは4日付けでBitGoのニューヨーク州での信託会社設立を認可した。
6年間で28例という狭き門
NYFDSの最高責任者リンダ・レースウェル(Linda Lacewell)氏は「ニューヨーク州のダイナミックで動きの早い仮想通貨産業は、成長と成熟を続ける」と述べており、BitGoは今回の認可において、ニューヨーク州での仮想通貨カストディ(保管)とそれに関係するサービスを提供することができるようになる。2015年の開始から、ニューヨーク州での仮想通貨サービス提供におけるライセンス認可と企業設立でBitGoを含むと6年間で28例のみとなっている。
機関投資家の仮想通貨参入による影響
BitGo CEOのマイク・ベルシュ(Mike Belshe)氏は「仮想通貨に新たな信頼性や流動性、安定性をもたらす機関投資家の流入は仮想通貨市場にとっても激動の時と言える」と述べている。BitGoは2013年にカリフォルニアで設立、ビットコインのマルチシグウォレットサービスを提供後に2018年にサウスダコタにて仮想通貨カストディアンとしての認可を受け、同年にゴールドマン・サックスやGalaxy Digitalにより1,500万ドル(約16億円)の資金を調達している。
仮想通貨サービス提供業者としての老舗であり、BitGoのニューヨーク州でのサービス提供は機関投資家の仮想通貨アクセスを加速させることになるだろう。