Polygon(仮想通貨Matic)の基本情報と今後の展望

2021年はNFTの盛り上がりやDeFi(分散型金融)が加熱する一方、イーサリアム(Ethereum)のガス代も高騰しユーザーにとって気軽にトランザクションを実行しづらい状況になってしまっています。そんな中、イーサリアムのスケーラビリティを解決するPolygonを採用するプロジェクトや開発者が増えています。

【基本情報リンク一覧】
Polygonウェブサイト:
・Polygonライトペーパー
Maticウェブサイト
Maticホワイトペーパー
・Matic エクスプローラー
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Polygonとは?

ポリゴン(Polygon)は、2017年にイーサリアムのスケーリング問題の解決を目指してマティック(Matic)という名称で始まったプロジェクトです。ファウンダーはインドのブロックチェーンコミュニティで活動していたJaynti Kanani氏、Sandeep Nailwal氏、Anurag Arjun氏の3名からスタートし、後にMihailo Bjelic氏が加わっています。メインネットローンチは2020年6月で、2021年2月にポリゴン(Polygon)としてリブランディングしました。

ブロックチェーンのスケーリングソリューションにはいろんな種類がありますが、元々取組んでいたMaticサイドチェーンに加えて、レイヤー2のソリューションとの連携なども包括的に提供するスイスアーミーナイフのようなイメージのプロジェクトです。

Maticトークンについて

Polygonプロジェクトは暗号資産MATIC(プロジェクト名は変わってもトークンの名前はマティックのままです)を発行しています。2019年4月バイナンスのローンチパッドでIEOし、560万ドル(約6億円)を調達しました。トークンの最大発行数は10,000,000,000(100億MATIC)と決まっており、2021年4月の執筆時点では約半分が循環供給量となっています。

Maticトークンはまだ国内での取り扱いはありませんが、海外ではバイナンス、コインベース、フォビグローバルなどに上場しています。また執筆時点で時価総額ランキング約50位に位置しており、1MATICあたりの価格は80円前後を推移しています。(執筆当日大幅に値上がりしているため最新の情報をご確認ください)

Matic 価格推移

Maticトークンには主に2つの用途があります。一つはネットワーク内における手数料の支払いで、もう一つはステーキングです。Maticにはチェックポイントレイヤーとブロック生成レイヤーにおけるコンセンサスメカニズムがあり、このコンセンサスにはプルーフ・オブ・ステークが採用されています。

Polygonのユースケースは?

Polygonは非常に多くのプロジェクトで採用されており、DeFiであればAaveやSushi Swap、ゲームやNFT関連では日本でもおなじみのマイクリ(マイ・クリプト・ヒーローズ)OpenSea、Decentraland、Aavegotchi、Ethermon、その他DAOやビジネス向け用途でも利用されています。

ウォレットはMetamask、Trust Wallet、Math Wallet、Torus、Portisなどが対応しています。

エコシステムに関する情報は下記のサイトに情報が集約されています。
Polygon Matic Network

PolygonとMaticの違いは?

Maticは当初、スケーラビリティを解決するソリューションの一つとして開発されていました。しかしPolygonは、他のサイドチェーンやレイヤー2などの連携を容易にするなど、リブランディングに伴ってプロジェクトが目指すゴールの範囲が広がっています。

Polygonのソリューションは

スケーリングの方法には主にレイヤー2とサイドチェーンの2つの方法があり、レイヤー2ソリューションはメインチェーンのセキュリティに依存します。プラズマやオプティミスティックロールアップ、Zkロールアップなどが有名です。サイドチェーンは独自のコンセンサスメカニズムを持つなどしてセキュリティ独自のセキュリティモデルを持ちます。xDaiなどがその例です。

下記のイメージ図はPolygonネットワークの目指す姿の全体像を示しています。最初は左下にあるはMatic PoS ChainとMatic Plasma Chainの2つからスタートしていますが、イーサリアムを中心としてZkロールアップ、オプティミスティックロールアップ、エンタープライズチェーン、そしてその他のサイドチェーンなどとも相互運用性のあるネットワークを構築しようとしています。

polygonネットワーク全体像

まとめ

ポリゴンはスケーリング問題の解決策を提案するのにとどまらず、レイヤー2やサイドチェーンなどの複数のスケーリングソリューションなどが繋がりやすくしてイーサリアムのエコシステムを拡大させることを目指したプロジェクトです。

また、カスタマイズした独自のブロックチェーンを作りたい開発者向けのためのソリューションも提供しています。

最近はイーサリアムの課題を解決する技術として、利用者の多いプロジェクトでも活用が進んでおり、NFT関連のゲーム・アート・エンターテイメントを中心にエコシステムが急拡大しています。また、今後は保険などのエンタープライズなどにも利用の幅を拡大し注力するようですので、今後より幅広い領域で利用されることに期待されています。

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