ビットコインは市場に初登場して以来、価格の上昇と下落を繰り返すいくつかのサイクルを経験してきました。その変化しやすい特性の前に、現在ビットコイン(BTC)投資を始めて3ヶ月に満たない新規参入者が、その本気度を試されています。
短期的保有者のコストベースが危機的状況に
グラスノード(Glassnode)による最新の詳細な分析結果によると、ビットコインの短期的保有者は現在極めて困難な状況に置かれているようです。彼らはビットコインに投資を始めて155日以内という定義であり、現状そのおよそ97.5%が未実現損失(含み損)の危機に直面しています。
グラスノードが明かしたところでは、9月17日時点で短期的保有者が売却を考える原価基準(平均購入価格)は28,000ドル(約413万8,000円)であり、現在優勢なレートのわずか5%程度上のレベルです。この状況は、暗号資産(仮想通貨)エコシステムの新規参入者にとって極めて困難で、彼らは潜在的な投資戦略の見直しに迫られています。
変化する市場心理とトレンド信用度
グラスノードの「ウィーク・オンチェーン(The Week On-Chain)」レポートは、短期的保有者の心理に目立った変化が起きていることを明らかにしています。ビットコインを使用するか、そのまま保有するかという行動によって、彼らのうちに明確な違いが見えてきたというのです。
この分類からは興味深い傾向が見えてきました。8月中旬にビットコインが29,000ドル(約428万6,000円)から26,000ドル(約384万3,000円)へと下落した時に、売却者のコストベースが保有者のそれを下回ったのです。このことは短期的保有者の心理が、不安と悲観論に傾いたことを意味しています。
さらにグラスノードは、彼らの心理を量的に測定するトレンド信用度基準を引用。この基準から導き出された市場のマイナス心理についてグラスノードは、「ビットコイン市場は重大な心理的変化の途上にあり、ほぼすべての短期的保有者は供給価格を下回っている状況だ」とまとめています。
さらに現在の市場の不安感が、FTXの崩壊以来未曽有のレベルにあるとして、「現状は市場心理をマイナスに変化させており、実際に投資をしている投資家のコストベースは、それ以外の投資家のものより低い状態にある。FTXの崩壊以来彼らの心理は、ちょっとしたパニック状態にあると考えられる」と結論づけています。
参考
・Is The Bitcoin Dream Fading? Glassnode Data Reveals Newbies Facing Steep Losses
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