アナリストの予測は1BTC=1億円、ビットコインの資産価値は法定通貨を超えるのか?

3月に73,737ドル(約1,103万円)を記録して以来、ビットコイン(BTC)は不安定な値動きを続けています。しかし暗号資産(仮想通貨)コミュニティには、強気の展望を堅持するアナリストやトレーダーも複数存在します。

著名なアナリストで経験豊かな投資家でもあるウィリー・ウー(Willy Woo)氏もその一人で、ビットコイン価格が大幅に値上がりするという前向きな持論を展開しています。

70万ドルへのロードマップ

8月1日にウー氏は「X」への投稿で、ビットコインに割り当てられた富裕資産の割合をもとに、その価格が大きく変動する可能性を指摘しました。具体的に彼は、低めの価格帯で推移するパターンと、可能性は低いものの超高価格帯に移行するパターンとの2つのシナリオを解説しています。

まずウー氏は、ビットコインの採用と投資の拡大予測から、その価格を控え目な見積りで70万ドル(約1億470万円)に設定しています。この数字は、富裕資産のビットコインへの流入を少なめに仮定しつつ、幅広い分野への統合と成長が徐々に進むことを前提にしています。

次に彼は時間とともに機関投資家の影響が、どのようにビットコインに及ぶのかを考察しました。例えばフィデリティ(Fidelity)が、ポートフォリオの1~3%にビットコインを採用する動きのように、業界の動向や評判を分析することで、これらが保守的ではあるものの成長のサインであるとして、ビットコインが存続可能な資産クラスであると自信を持って述べています。

ウー氏はこれらの数字をブラックロック(BlackRock)の85%の投資と比較し、ビットコイン投資に対する機関投資家の戦略的な相違点も指摘しています。彼の見積もりでは、理論的なビットコイン価格の上限は2,400万ドル(約35億9,000万円)ですが、そのためには世界の富裕資産のうち500兆ドル(約7京4,800兆円)ぶんが、非現実的なほど完全にビットコインに変換される必要があるでしょう。

さすがに彼もこのシナリオには無理があるとして、最近の投資トレンドと経済動向をもとに、より現実的な予測も提示しています。
ウー氏は「X」でビットコイン採用曲線のグラフを示し、現在その曲線が4.7%の位置にあり、技術的採用の伝統的なS字曲線を追っていると説明します。もしもこの数値が16~50%のレンジに入れば、大幅な価格上昇に転じる可能性があるかもしれません。

将来的には法定通貨に取って代わる可能性も

最後にウー氏は、ビットコインの市場資産価値について、将来全世界の法定通貨を凌ぐ可能性があるとの予測を述べています。

彼はこのパラダイムシフトにより、投資家のポートフォリオは書きかえられ、法定通貨ベースの評価から新しい経済モデルに移行すると見ています。そのモデルでは伝統的な法定通貨ではなく、ビットコインの保有量によって主要な法人資産が評価されるということです。

ウー氏は、「ビットコインの時価総額が、全世界の法定通貨の価値を上回ってしまうと、人々はその先の価格には興味を持たなくなるだろう。それが法定通貨に基づいた評価基準だからだ。この転換点の後は、ビットコインを超える投資先を探すしか意味がなくなる」と述べ、この巨大な変化が金融の常識を覆し、ビットコインの価格を超えるよりも、ビットコインの安定性と成長に貢献する資産が注目されるはずだとまとめています。

参考
Bitcoin’s Price Potential: Analyst Maps Path To $700,000 And Beyond

【こんな記事も読まれています】
2050年ビットコインは最強の資産へ、1BTC=80億円時代の到来?
「ビットコイン数年以内に1500万円突破もアルトコインは難しい」アナリストら予想
【墨汁速報】トランプ元大統領「ビットコインを国家戦略として準備金に」と発言

おすすめの記事
仮想通貨はどこへ向かうのか?GMOインターネット株式会社 代表取締役会長兼社長 グループ代表 熊谷正寿氏が描く未来
インタビュー
仮想通貨はどこへ向かうのか?GMOインターネット株式会社 代表取締役会長兼社長 グループ代表 熊谷正寿氏が描く未来
グループ会社に仮想通貨交換業を営むGMOコインを持つ、GMOインターネットグループ代表の熊谷正寿氏に2019年の仮想通貨業界とこれからの動き、そしてGMOインターネットグループで発行予定のステーブルコイン「GYEN」について聞きました。