「ブロックチェーンゲームは概ねポジティブ」ダップレーダー、2023年3Q業界レポート公開

分散型アプリケーション(DApps)やNFTなどの分析を行っているダップレーダー(DappRadar)が10月12日、2023年第3四半期におけるブロックチェーンゲームの現状に関するレポートを公開した。

ブロックチェーンゲームは影響力のあるポジションを維持

同社は、2023年第3四半期のブロックチェーンゲームセクターについて、「勢いに陰りが見られたものの、Dappsヒエラルキーの頂点に君臨する影響力のあるポジションを維持した」と評している。さらに、同社は、2023年第3四半期の特長として、ソーシャルDappsを挙げた。今回のレポートによると、2023年第3四半期のソーシャルDappsの市場占有率は、11%に留まっている。しかし、同社は、「ソーシャル・プロジェクトへのユーザー・エンゲージメントの高まりは、ソーシャルDappsランキングでも明らかだ」とまとめている。また、「ゲーミフィケーションの要素が組み込まれていることから、ブロックチェーンゲームの世界と同類として認識されている」と評している。

一方で、メタバースなどの仮想世界における2023年第3四半期の取引量と売上高について、「特徴的な低水準」とした。同時に、「土地(ランド)の取引に顕著な落ち込みが見られるが、メタバースと仮想世界Dappsに対する包括的な熱意は衰えていないことを区別することが重要だ」と注意を促している。

さらに熱意が衰えていない証拠として、香港のブロックチェーン関連企業であるアニモカ・ブランズ(Animoca Brands)が2000万ドル(約30億円)の資金を確保していることを挙げた。これらの資金は、アニモカ・ブランズが推進しているモカバース(Mocaverse)というメンバーシップNFTコレクションのイニシアチブ強化やエコシステム強化などに充てられる予定だ。

Web3ゲームプロジェクトの資金調達額は約900億円

今回のレポートでは、Web3ゲームに対する投資額についても触れている。2023年第3四半期には、Web3のゲームプロジェクトが6億ドル(約900億円)の資金調達に成功。これにより、今年のWeb3ゲーム関連の累計資金調達額は23億ドル(約3440億円)に達した。

この資金調達額について、同社は、「2022年の調達額の30%に過ぎないが、外部市場の状況を考慮することが重要」と強調している。また、同社は、2023年第3四半期の総括として、「ブロックチェーンゲーミングの成長軌道は概ねポジティブであることに変わりはない」と語っている。

参考
State of Blockchain Gaming in Q3 2023

【こんな記事も読まれています】
イミュータブルがAWSと協力、ゲームスタジオのWeb3への参入を加速
ザ・サンドボックスがリアルタイムエンゲージメントプラットフォームのアゴラと提携
アニモカ・ブランズ子会社がマルチアクションRPGゲームをweb3対応&非対応で配信へ

おすすめの記事
【墨汁速報】米Kraken一時イーサリアムが7万円代へ暴落し-60% なにがあったのか?
仮想通貨ニュース
【墨汁速報】米Kraken一時イーサリアムが7万円代へ暴落し-60% なにがあったのか?
イーサリアム価格は米仮想通貨取引所クラーケン(Kraken)で一時700ドル(約7万3,000円)へ約60%の急落。市場平均価格を大幅に上回る記録的暴落となり、10分後には1,700ドルまで回復した。この暴落の背景にはイーサリアム上でのDeFi(分散型金融)が引き金となったと見られる。
【墨汁速報】仮想通貨最大手ブローカレッジ「ジェネシス」破産の可能性を警告 FTX破産の連鎖倒産か?
仮想通貨ニュース
【墨汁速報】仮想通貨最大手ブローカレッジ「ジェネシス」破産の可能性を警告 FTX破産の連鎖倒産か?
仮想通貨ブローカレッジ最大手のジェネシス(Genesis)は投資家に対して破産申請を行う可能性を警告した。FTXグループの破産に伴いジェネシスのレンディングユニットは11月16日に出金と新たなローンの停止を発表しており、仮想通貨取引所のジェミニ(Gemini)はこの影響でGemini Earnからの引き出しを停止していた。