米商品先物取引委員会(CFTC)によると、米最大手仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)は2015年~2018年にかけてビットコイン(BTC)などの出来高を多く見せたりする仮装売買などの虚偽の情報や誤解させる情報をユーザーに与えたとし、CFTCに約7億円の罰金を支払う。
Coinbase Pro(GDAX)における過去の仮装売買
CFTCによると、コインベースは2015年から2018年にかけて現在のCoinbase Proの前身となるプロ向け取引所「GDAX」において仮装売買を行う2つの自動売買プログラムを密かに行っていたという。仮装売買とは自分で買い注文を出し、それと同時に売り注文を行い約定させることで出来高を水増しし、トレーダーがビットコインや仮想通貨の売買がGDAXで頻繁に行われていると誤解させるような取引を指す。
CFTCはコインベースがこの仮装売買をGDAX上で行っていたにもかかわらず、これらの情報を開示しなかったとしており、コインベースは1つ以上の取引プログラムとトレードを複数のアカウントを介して行っていた。
ライトコインの出来高水増し
また元コインベース社員であるAは、2016年8月から9月にかけて、自身が保有するアカウントでライトコインの取引ペアLTC/BTCの仮装売買を行っていたという。この元社員Aは自身が保有するコインベースのアカウントでこのライトコインの仮装売買を行っており、GDAXがライトコインを上場した最初の2ヶ月間に行われていた。
また元社員Aが保有するアカウントでの取引は1日の取引量の0.62%から最大で99%をも占めており、出来高を操作することであたかも流動性が高いように見せかけていたことになる。
仮想通貨取引所の自己勘定
このような流動性や出来高の問題は仮想通貨取引所では珍しくなく、出来高の偽装などが過去にも話題となっている。また国内ではbitFlyerが「流動性を提供する」という名目で自己勘定での取引を行っていたと2019年5月に開示、これらは当初顧客には知らされておらず顧客の注文情報を得ることで先に売買して利益を得る「フロントランニング」疑われたことで、情報開示を行った。
この開示以降bitFlyerでは約定した注文が対ユーザーなのか、対bitFlyerの自己勘定なのかを知ることができるようになっている。
bitFlyer Lightning および簡単取引所では、流動性の供給を目的とした注文を当社が発注する場合があります。このような注文は、収益を目的としたものではなく、bitFlyer Lightning および簡単取引所において十分な数量の買い注文と売り注文を確保することを目的としたものとなります。
— bitFlyer(ビットフライヤー) (@bitFlyer)
コインベースは株式上場を目前に控えており、CFTCはこのIPO前にコインベースに罰金支払いを命令したことになる。
▼墨汁サロンではイーサリアム2.0の最新動向や32ETHステーキングのやり方の解説や検証、テクニカル分析理論、最新のDeFiやファンダメンタルなどをより深く解説しています。