「DeFiとNFTが再活発化の兆し」a16z cryptoが仮想通貨のレポート公開

アメリカに本社を構えるベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)の仮想通貨部門である「a16z crypto」は4月11日、2023年における仮想通貨の現状についてのレポートを公開した。

業界は落ち着きを取り戻しつつある

今回のレポートで「a16z crypto」は、2023年の仮想通貨の現状について、業界は落ち着きを取り戻しつつあると評した。そのように評価した理由として、「投機は冷え込み、人々が持続的、有機的にWeb3を利用し、交流するというストーリーが展開され始めている」とコメントした。

また、毎月のアクティブアドレスを見ると、3月の送信アドレスは1,500万件となった。この数字は、価格が高騰していた2021年と比較すると2倍以上に相当する。同部門は、このような状況になった理由として、「ブロックチェーンやWeb3アプリケーションを利用する方法が増えている」と説明している。さらに安いガス料金もあり、優れたツールやスケーリング技術でトランザクションが増えている点にも注目している。ブロックチェーン取引の総数が過去2年間で50%以上増加したことも明らかにした。

毎月3万人近くのアクティブな開発者がいる

今回のレポートでは、DeFiやNFTについても分析している。同部門は、DeFiとNFTのアクティビティについて、「2021年の高揚感から低下した後、再び上昇傾向にあるようだ」との見解を示した。さらに、このような見解の理由として、レンディングと送金、美術品、収集品、オンチェーンゲームなど、より本質的な用途が出現したことを挙げている。

また、web3の特長である低いテイクレート(take rates)が、ユーザーとクリエイターに恩恵を与えているという分析結果も出した。今回のレポートによると、過去2年間でNFTのマーケットプレイスがクリエイターに約20億ドル(約2,700億円)相当のロイヤリティを支払っているという。これに対し、SNSを運営しているメタ(Meta)が2022年にクリエイターのために計上した金額は10億ドル(約1,300億円)とのことだ。

さらに、今回のレポートでは仮想通貨業界における開発者についても言及している。仮想通貨業界には、毎月3万人近くのアクティブな開発者がいるという。同部門は、2020年の強気市場開始以来、開発者が60%も増加していることから、価格の上昇に惹かれた開発者が定着していると推察している。

参考
2023 State of Crypto Report: Introducing the State of Crypto Index

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