ウォルマート仮想通貨の利用とメタバース進出の可能性を示唆する複数の商標登録

ウォルマート(Walmart)は独自の暗号資産(仮想通貨)とNFT(非代替性トークン)を発行して、今話題のメタバース(Metaverse)の世界に進出する計画です。米特許商標庁によると、ウォルマートは昨年12月30日に仮想通貨がらみで合計7つの商標を申請しています。CNBが報道しています。

電子機器やスポーツ用品など7件の商標登録

ウォルマートは商標の登録によって、電子機器や装飾品、玩具、スポーツ用品、パーソナルケア製品などのデジタル製品を製作、販売する意思を表明しています。それぞれ7つの個別の商標登録によって、ウォルマートは仮想通貨とNFTをユーザーに提供します。

ウォルマートは声明の中で、「新興技術が未来のショッピング体験をどのように形成するか、われわれは継続的に探究している」と述べましたが、特定の商標申請についてコメントを避けました。その件について声明は、「われわれは常に新しいアイデアをテストしている」と述べています。

商標弁護士のジョシュ・ガーベン(Josh Gerben)氏は「仮想通貨にどのように対処するか、メタバースについてはどうか、今後来るかすでに来ている仮想世界について多くの計画が行われている」と語ります。同氏によると、Facebookがメタ(Meta)と社名変更すると発表(2021年10月28日)して以来、企業はソーシャルメディアを超えた野心を示し、仮想世界にどのように適合するかを理解しようと急いでいます。

NFTの立ち上げによって製品やサービスの「トークン化」可能に

テクノロジーインサイトプラットフォームのCBインサイツ(CB Insights)によると、NFTを立ち上げることによって、企業は物理的な製品やサービスを「トークン化する」ことが可能になり、オンライン取引コストを削減することができます。ガーベン氏によると、ブロックチェーンに保存されているメタバースやアイテムに慣れる消費者が増えれば、より多くの小売業者がその周辺に独自のエコシステムを構築したいと考えます。

仮想通貨情報サービスのザ・ブロック(The Block)のディレクターであるフランク・チャッパロ(Frank Chaparro)氏によると、多くの小売業者はEコマースに出遅れたこと引きづっており、メタバースを見過ごすわけにはいきません。

ウォルマートはこれまでにも仮想通貨に関わる動きを見せていました。2021年8月に同社は、メタバースに参加する大きな一歩として、「デジタル通貨と製品戦略」開発の意欲を発表しています。特に「暗号資産関連投資とそれに対応するパートナーシップ」に関する求人ポスト掲載。同年12月には、ブレッド・ビックス(Brett Biggs)最高財務責任者が、顧客が望めば仮想通貨での支払いを拒否しないと発言しています。

参考
Walmart is quietly preparing to enter the metaverse
Walmart is quietly preparing to enter the metaverse

【こんな記事も読まれています】
2021年仮想通貨の犯罪被害額は1兆6000億円以上に、最大の標的はDeFi(分散型金融)
ビットコイン(BTC)下落中、一部投資家は「悪いことではないかもしれない」と予測
ロビンフッド当面は仮想通貨への投資をしない計画

おすすめの記事
仮想通貨からの脱却を目指すロシア、CBDC取引への手数料設定と試験運用を準備中
仮想通貨ニュース
仮想通貨からの脱却を目指すロシア、CBDC取引への手数料設定と試験運用を準備中
中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)の開発に特に注力しているロシアですが、CBDCを利用した取引に手数料を付与することが検討されています。ただし、通常の電信送金などよりも非常に小さな額となり、その使いやすさから仮想通貨に依存している現状を脱却することが期待されています。
【墨汁速報】約104億円のハッキング DeFiプロジェクト”Fei Protocol”が被害を受ける
仮想通貨ニュース
【墨汁速報】約104億円のハッキング DeFiプロジェクト”Fei Protocol”が被害を受ける
イーサリアムのアルゴリズミックステーブルコインの発行とレンディングを提供する"Fei Protocol(フェイプロトコル)"のRari Fuseプールから約8000万ドル、日本円にして約104億円相当のハッキング被害を受けた。攻撃原因はThe DAOと同じコントラクトのリエントランシーアタックであると見られている。