分散型APIソリューションPocket(ポケット)がSolana(ソラナ)を統合

分散型APIソリューションPocket(ポケット)がSolana(ソラナ)を統合することを発表しました。現在、SolanaとPocket SDKの統合は開発中であり、インセンティブテストネットが実行されています。Pocketネットワークのパブリックメインネットは2020年第二四半期末または第三四半期初頭を予定しています。今回はSolanaと統合するPocketネットワークの概要を解説します。

ソラナはスマートコントラクトを実行できる2020年にローンチ予定の汎用ブロックチェーンです。レイヤー2やシャーディングを必要とせずに秒間で5万トランザクションを実行できる点でゲームチェンジャーだと期待されます。

ソラナについて基礎的な紹介は下記の記事をご覧ください。
Solanaとは?秒間5万トランザクションを処理できるブロックチェーン 

分散型APIソリューションを提供するPocketとSolanaの統合

Pocketネットワークはアプリケーションのデータを必要とする開発者に分散型APIを提供する独自ブロックチェーンです。POKTと呼ばれるネイティブトークンを備えたTendermintコンセンサスエンジン利用のプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用しています。このPOKTトークンはPocketネットワークを利用するアプリケーションに対して、ネットワークのスループット割り当ての権利を表しています。またサービスノードに対してはPocketネットワーク上での作業を提供する権利とその作業に対する将来のインフレ報酬を表します。

Pocketの仕組みはホワイトペーパーに詳しいのですが、簡単にその内容を要約するとPOKTによる直接的な経済的インセンティブによりフルノードを実行する参加者(データ供給)を増やし、その結果APIリクエストをアプリケーション開発者に提供し、その需要に応えるというものです。

今回PocketがSolanaを統合することは、イーサリアムを支えるインフラ(Infura)の成功と重要性がAPIソリューションの有益さを示していることからも、重要な統合であると言えるでしょう。またPocketは分散型APIであるという点で、Solanaのような分散性を意識したブロックチェーンと相性が良い点も注視されます。

Pocketネットワークの成熟による期待

ネットワークボリューム
Pocketネットワークによる分散APIリクエストの需要は2019年6月以降月間平均で566%増加しており、今後この成長をさらに加速させるためにPocketはメインネットローンチ前にアプリケーション開発者とノードプロバイダーをオンボードする取り組みを強化する予定です。(今年後半を予定)

現在のAPIは個人の参入が難しくクラウドベースへの依存度が高いために、コストが高くなることや、検閲や単一障害点の影響を受けやすいなどが課題視されます。このような点を鑑みると今後Pocketが成熟することで、よりグローバルに分散されたネットワークとなり、特定の集権型組織(クラウドなど)への依存度が低下し、検閲や単一障害点の影響を受けづらくなり、さらに現在のコストの何分の1かで分散型インフラストラクチャーを提供できるようになることが期待されます。

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