イーサリアムETF承認はなぜETH価格高騰に影響してないのか?

どうも仮想通貨専業8年目の墨汁うまい(@bokujyuumai)です。ビットコイン現物を運用するいわゆる「ビットコインETF」は2024年に承認され、ビットコインの価格への大きな影響を与えました。これに続きイーサリアムETFも米国証券取引委員会(SEC)に承認されましたが、ETH価格はむしろ承認時の58万円よりも下がっており、55万円を推移しています。

本稿ではイーサリアムETFを承認したのにETH価格へ影響しない理由についてわかりやすく解説を行います。

関連記事:【墨汁速報】米SECイーサリアムETFをリーク通り承認 ブラックロック含む8ETF

米国証券取引委員会(SEC)はイーサリアムETFを承認

イーサリアムETFとはファンドが投資家から資金を集めてETH現物を購入して運用をし、それらの証券を証券取引所で気軽に売買ができるという金融商品です。ビットコインETFではすでにCMEが提供するビットコイン先物を運用する「ビットコイン先物ETF」が先に承認され、今年に入ってビットコイン現物を運用するいわゆる「ビットコイン現物ETF」が最初の申請から10年の月日が流れて承認されたのです。

イーサリアム現物ETFもこの流れにのってETFマネージャー最大手のブラックロックやフィデリティなどもこの流れに乗ってイーサリアム現物ETFを申請しており、証券の監督を務める米規制当局となる米国証券取引委員会(SEC)は2024年5月24日に正式に承認をしました。

イーサリアムETFが与えるETH価格への影響

イーサリアム現物ETFは間違いなくETH価格を上げる要因です。これはイーサリアム先物ETFはキャッシュ決済のCMEが提供するイーサリアム先物を運用するため直接的な資金流入がないのに対し、イーサリアム現物ETFは拠出された資金からETH現物を実際に購入するため、ローンチ時はETFからの資金流入につながるからです。

またETFはExchange Traded Fund、つまり証券取引所に上場していることが特徴であるため流動性が必要となります。つまり流動性を提供するマーケットメーカーが必要となるわけですが、そのためにはETH現物を購入して証券を発行するということが前提となるためかなりETH現物買いがどこかのポイントで入り、イーサリアムETFに資金が流れるほどにETH現物がETFで買われていくということになるからです。

つまりイーサリアム現物ETFの承認はそのままETHの買い圧力の上昇につながるということを示しているのです。

イーサリアムETFのローンチに必要なこと

一方でイーサリアム現物ETFは米国証券取引委員会による承認を受けたものの、まだ正式にはローンチしていません。今回米国証券取引委員会(SEC)が承認したのは証券取引所が上場するために必要となる「フォーム19-b4」です。これにはブラックロックやフィデリティを含む8つのイーサリアム現物ETFが含まれており、事実上の否決はなくローンチは時間の問題ということになります。

次に必要なのは運用するファンド側のローンチで必要な「フォームS-1」の承認であり、この2つが承認されてはじめてイーサリアムETFでの運用が開始されるのです。

イーサリアムETFはいつになる?

最後にイーサリアムETFのローンチまでのタイムスケジュール感についてみていきましょう。このETF発行者側のフォームS-1では主に手数料などの調整を米国証券取引委員会側と発行者が行います。

リーク報道によると米国証券取引委員会は発行者に対して現地時間7月8日までにS-1の修正版を提出するように求めているものの、今回の修正は最終決断ではないとしています。そのためイーサリアム現物ETFがローンチするにはもう1回の修正やり取りが必要になると考えられており、7月中旬から末にかけてが現実的となると考えられるでしょう。

イーサリアム(ETH)の価格・相場・チャート

コラム:仮想通貨の闇、多くの人が知らないエアドロの問題点

▼仮想通貨(暗号資産)のエアドロップ対策、仕組みや技術、規制の市場影響を勉強するなら「墨汁うまいと学ぶ仮想通貨の世界」!他では見ることができないより詳しい内容を投資家向けにわかりやすく解説

墨汁バナー

墨汁うまいと学ぶ仮想通貨の世界

おすすめの記事
【墨汁速報】BlockFi仮想通貨レンディングが証券の可能性か?SECによる調査を受ける
仮想通貨ニュース
【墨汁速報】BlockFi仮想通貨レンディングが証券の可能性か?SECによる調査を受ける
SEC(米国証券取引委員会)はビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨の高金利レンディング企業BlockFiを綿密に調査しているという。BlockFiは最大で年間利回り9.5%を提供するレンディング企業であり、金利を提供するBIAが証券に当たる可能性があると考えられている。