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米バックト社による堀田丸正の買収で話題の「bitcoin.jp」企業への変貌:日本の暗号資産市場への影響を解説
2025年8月6日、米デジタル資産サービス企業バックト(Bakkt)による日本企業の株式取得が大きな話題となりました。この出来事は単なる企業買収を超えて、日本の暗号資産市場に新たな潮流を生み出す可能性があります。本記事では、この買収の詳細と背景、そして日本の暗号資産取引環境について詳しく解説します。
バックトによる堀田丸正買収の全貌
買収の概要
米国のデジタル資産プラットフォーム運営会社Bakkt Holdings(NYSE: BKKT)は、RIZAPグループが保有する東証スタンダード上場企業「堀田丸正」(証券コード:8105)の発行済み株式約30%を取得すると発表しました。この取引により、バックトは堀田丸正の筆頭株主となります。
買収の詳細は以下の通りです:
- 取得株式数: 16,864,650株
- 売出価額: 16億7,655万1,082円
- 買主: バックトオプコホールディングス(Bakkt Opco Holdings、バックトホールディングスの子会社)
「bitcoin.jp」への社名変更計画
この買収で最も注目されているのが、堀田丸正の社名を「bitcoin.jp」に変更する計画です。バックトは既に「www.bitcoin.jp」のウェブドメインを取得しており、株主の承認を得た後に社名変更を実施する予定です。
「bitcoin.jp」という短くブランド性の高いドメインは、過去にも高額取引された事例があり、比較対象として「btc.com」が1億円以上で売却された例もあります。このドメインの取得価格については、市場価格の10倍で評価されているとの情報もあり、バックトの本気度を示しています。
市場への影響と株価の動向
この発表を受けて、堀田丸正の株価は劇的な変化を見せました:
- 8月6日: 113円でストップ高、年初来高値を更新
- 8月6〜7日: 2日連続でストップ高
- その後3日間: 上昇率は3倍を超える急騰
市場では、暗号資産関連企業が筆頭株主となることや、時価を上回る売出価格での取引が話題となり、堀田丸正への物色意欲が急激に高まりました。Yahoo!ファイナンス
バックトとは何か?
企業の背景
バックトは2018年にニューヨーク証券取引所の親会社であるインターコンチネンタル取引所(ICE)によって設立されました。当初は機関投資家向けにビットコイン先物などのデジタル資産の売買や保管を支援する目的で立ち上げられましたが、複数回の事業転換を経験しています。
事業戦略の転換
同社は2025年7月に重要な戦略転換を行いました:
- ロイヤルティ事業の売却: Project Labrador Holdcoに売却契約を締結
- 非中核事業の切り離し: 仮想通貨関連サービスに事業を集中させる戦略へ移行
- 資金調達の実施: 7月29日に約7,500万ドルの公募増資を発表し、調達資金をビットコインをはじめとするデジタル資産の直接購入に充当
多国籍ビットコイン財務戦略
バックト共同CEOのアクシェイ・ナヘタ氏は「日本の規制環境はビットコイン中心の成長事業に理想的なプラットフォームを提供する」とコメントしており、堀田丸正チームとの連携により、ビットコインを事業・財務モデルに統合し、主要なビットコイン財務企業として確立することを目指しています。CoinPost
堀田丸正の変貌
従来の事業
堀田丸正は1861年創業、1933年に法人設立された老舗企業で、主に以下の事業を手がけてきました:
- 和装品・宝飾品・和装小物の卸売販売
- 婦人用品の卸売販売
- 意匠撚糸の製造・卸売販売
新たな事業方向性
バックトの買収により、同社は以下の変革を遂げる予定です:
- 経営陣の刷新: バックト・インターナショナル社長のフィリップ・ロード氏がCEOに就任予定
- CFOの選任: メフラーブ・ホセインボル氏が新CFOとして選任予定
- 事業の多様化: 従来のファッション事業・マテリアル事業に加え、ビットコインおよびその他のデジタル資産への投資事業を新たに導入
RIZAPグループの売却背景
事業集中戦略
RIZAPグループが堀田丸正株式を売却した背景には、同グループの事業集中戦略があります。同グループは「チョコザップ(chocoZAP)」事業をはじめとした他事業に経営資源を集中させることを理由に、子会社の整理を進めています。
実際、RIZAPグループは2025年6月に一度、経営コンサル会社のエンヴィーに堀田丸正株式の売却を予定していましたが、契約条件の変更要請により譲渡契約を解除した経緯があります。日本経済新聞
企業ビットコイン投資戦略の新潮流
グローバルトレンド
今回の堀田丸正買収は、米ストラテジー(旧マイクロストラテジー)や日本のメタプラネットに続く企業ビットコイン投資戦略の新たな形態として注目されています。現在、上場企業全体で保有するビットコインは合計93万2000BTCを超え、これは発行済みビットコイン総量の約4.4%に相当します。
多様化する投資対象
企業の財務戦略での暗号資産活用はビットコインにとどまらず、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、XRP(XRP)といったアルトコインのバランスシートへの組み入れも広がっています。Cointelegraph
日本の暗号資産市場環境
規制の整備状況
日本の暗号資産市場は世界的に見ても整備された規制環境を持っています。金融庁による暗号資産交換業者の登録制度により、2025年6月現在で28社の事業者が正式に登録されています。これらの登録事業者は厳格な審査を経て、顧客資産の分別管理やセキュリティ対策などの要件を満たしています。
金融庁の暗号資産交換業者登録一覧では、全28社の詳細な情報が公開されており、利用者は安心して取引を行うことができます。
日本で認可された主要暗号資産取引所の紹介
暗号資産投資を始める際には、金融庁の登録を受けた信頼できる取引所を選ぶことが重要です。以下では、日本で認可された主要な5つの取引所をご紹介します。
BitTrade(ビットトレード)
特徴
- 40種類以上の豊富な取扱銘柄数(2025年現在で国内トップクラス)
- 各種取引手数料が基本無料
- 2円から少額取引が可能
- 高性能なトレーディングツール「TradingView」を提供
- Huobiグループの技術力とセキュリティ
主な取扱銘柄 BTC、ETH、XRP、LTC、MONA、BCH、XEM、XLM、ETC、BAT、ONT、QTUM、TRX、XYM、ADA、DOT、IOST、BSV、JMY、COT、XTZ、DEP、FLR、ASTR、BOBA、ATOM、EOS、DOGE、SHIB、MATIC、AXS、DAI、MKR、SAND、SXP、SOL、APT、TON、BNB、SUI、JOC、ZPG
手数料体系
- 口座開設手数料:無料
- 取引所売買手数料:無料
- 販売所売買手数料:無料(スプレッドあり)
- 日本円出金手数料:330円(税込)
- 暗号資産送金手数料:銘柄により異なる
最小購入額: 2円から
積立機能: 対応
セキュリティ対策: コールドウォレット管理、マルチシグネチャ、二段階認証
向いているユーザー: 多様な銘柄に投資したい方、高機能なチャートツールを使いたいトレーダー
SBI VCトレード
特徴
- SBIグループの信頼性と安定性
- 各種手数料が基本無料(入金、出金、送金手数料無料)
- 国内では珍しい銘柄の取り扱い
- ステーキングサービスが充実(14種類対応)
- レンディング・積立サービスを提供
主な取扱銘柄 BTC、ETH、XRP、BCH、LTC、DOT、LINK、ADA、DOGE、SOL、XLM、XTZ、MATIC、AVAX、FLR、OAS、XDC、SHIB、DAI、ATOM、APT、ZPG、HBAR、NEAR、NIDT、ALGO、APE、AXS、BAT、CHZ、ETC、MKR、OMG、SAND、TRX
手数料体系
- 口座開設手数料:無料
- 取引手数料:無料(販売所)、一部銘柄にMaker/Taker手数料あり(取引所)
- 入出金手数料:無料
- 暗号資産送金手数料:無料
最小購入額: 1円から
積立機能: 対応(500円から)
セキュリティ対策: 顧客資産の分別管理、コールドウォレット、不正ログイン監視
向いているユーザー: 手数料を抑えたい方、ステーキングで運用したい方、SBIグループの信頼性を重視する方
Coincheck(コインチェック)
特徴
- 初心者に優しいシンプルなインターフェース
- 35種類の豊富な取扱銘柄
- アプリダウンロード数No.1の実績
- NFTマーケットプレイス「Coincheck NFT」運営
- 電気・ガス料金支払いでビットコインがもらえるサービス
主な取扱銘柄 BTC、ETH、ETC、LSK、XRP、XEM、LTC、BCH、MONA、XLM、QTUM、BAT、IOST、ENJ、XYM、SAND、DOT、FLR、FNCT、CHZ、LINK、DAI、MKR、MATIC、APE、AXS、IMX、WBTC、AVAX、SHIB、BRIL、BC、DOGE、PEPE、MASK、MANA、GRT
手数料体系
- 口座開設手数料:無料
- 取引手数料:無料(現物取引)
- 販売所手数料:無料(スプレッドあり)
- 日本円出金手数料:407円
- 暗号資産送金手数料:0.0005 BTC(ビットコインの場合)
最小購入額: 500円相当額から
積立機能: 対応(月々1万円〜100万円)
セキュリティ対策: 二段階認証、SSL暗号化通信、コールドウォレット
向いているユーザー: 暗号資産初心者、NFTに興味がある方、使いやすさを重視する方
bitbank(ビットバンク)
特徴
- 国内取引量No.1の実績(Bitcoin日本語情報サイト調べ)
- 37種類の業界最多水準の取扱銘柄
- 高性能なトレーディングツール
- 板取引ですべての銘柄を取引可能
- 充実したセキュリティ対策
主な取扱銘柄 BTC、ETH、XRP、LTC、MONA、BCC、XLM、QTUM、BAT、OMG、XYM、LINK、MKR、BOBA、ENJ、POL、DOT、DOGE、ADA、ASTR、AVAX、AXS、SAND、FLR、GALA、CHZ、APE、OAS、MANA、GRT、RENDER、BNB、DAI、OP、ARB、KLAY、IMX、MASK、SOL、CYBER、TRX、LPT、ATOM
手数料体系
- 口座開設手数料:無料
- 取引手数料:Maker -0.02%、Taker 0.12%(一部銘柄)
- 販売所手数料:無料(スプレッドあり)
- 日本円出金手数料:550円(3万円未満)、770円(3万円以上)
- 暗号資産送金手数料:銘柄により異なる
最小購入額: 0.0001 BTC(ビットコインの場合)
積立機能: 対応
セキュリティ対策: コールドウォレット、マルチシグ、二段階認証、第三者機関によるセキュリティ評価
向いているユーザー: 本格的にトレードしたい方、多様な銘柄を取引したい方、セキュリティを重視する方
GMOコイン
特徴
- GMOインターネットグループの信頼性
- 各種手数料が無料(入出金、送金手数料)
- 22種類の暗号資産を取り扱い
- レバレッジ取引にも対応
- つみたて暗号資産サービス
主な取扱銘柄 BTC、ETH、BCH、LTC、XRP、XLM、XTZ、DOT、ATOM、ADA、MKR、DAI、LINK、FCR、DOGE、SOL、FLR、ASTR、FIL、SAND、CHZ、NAC、AVAX
手数料体系
- 口座開設手数料:無料
- 取引手数料:Maker -0.01%、Taker 0.05%(取引所)
- 販売所手数料:無料(スプレッドあり)
- 日本円入出金手数料:無料
- 暗号資産送金手数料:無料
最小購入額: 100円から
積立機能: 対応(500円から、手数料無料)
セキュリティ対策: コールドウォレット、マルチシグ、二段階認証、定期的な第三者評価機関による評価
向いているユーザー: 手数料を抑えたい方、レバレッジ取引をしたい方、GMOグループの信頼性を重視する方
まとめ
バックトによる堀田丸正の買収と「bitcoin.jp」への社名変更は、日本の暗号資産市場における新たなマイルストーンとなりました。この出来事は、企業レベルでのビットコイン採用が加速していることを示すとともに、日本が暗号資産分野でのイノベーションハブとしての地位を確立しつつあることを物語っています。
投資家にとって重要なのは、このような市場の変化を正しく理解し、適切な投資判断を行うことです。暗号資産投資を検討している方は、上記で紹介した金融庁登録済みの信頼できる取引所を利用し、十分な情報収集とリスク管理を行った上で投資を行うことをお勧めします。
今後も暗号資産市場の動向と規制環境の変化を注視し、適切な投資環境の整備が進むことを期待しましょう。