世界最大手の仮想通貨取引所であるバイナンス(Binance)が2月1日、従来の先物取引と無期限契約に関する記事を発表した。
無期限契約の資金調達率の関係
従来の先物取引では月ごと、あるいは四半期ごとに決済が行われる。決済時に契約価格は現物取引価格に収束し、すべてのポジションが失効する。従来の先物取引と異なり無期限契約ではトレーダーは、有効期限なしでポジションを保持することができる。限月を追跡する必要もなく、清算されない限り永続的にショートポジションを維持することができる。このためブログ内では、無期限契約と現物市場での取引ペアと非常によく似ているとまとめている。
資金調達率は、無期限契約と現物取引価格の価格差に基づいて長期または短期のトレーダーに定期的に支払われる割合である。保有しているポジションに応じてトレーダーは、資金を支払うか受け取るかのどちらかを行うことになる。
1日に数回再計算を行うことで資金調達率は、無期限契約と現物取引の価格の永続的な相違を防いでいる。バイナンスの先物取引部門であるバイナンスフューチャーズでは、8時間ごとに再計算を行っている。なおバイナンスフューチャーズでは市場の状況に関係なく、資金調達率が0.5%に制限されている。
バイナンスが低い資金調達率を維持できる理由
今回の記事の中でバイナンスは、仮想通貨データ企業であるスキュー(Skew)が3調査した7つの主要取引所の資金調達率を掲載している。掲載されている取引所と各取引所の平均資金調達率は以下である。
- デリビット 0.0102%
- クラーケン 0.0226%
- FTX 0.0126%
- ビットメックス 0.0115%
- ビットフィネックス 0.0002%
- バイナンス 0.0094%
- OKEx 0.0109%
バイナンスフューチャーズが低い資金調達率を維持できた主な理由の1つは、現物取引と先物市場間の裁定の容易さだと説明している。仮想通貨市場は決して眠らないため。裁定取引の機会は絶えず存在する。バイナンスフューチャーズを使用することでトレーダーは、現物取引と先物取引を簡単かつ迅速に切り替えることでこれらの機会を生かすことができる。
このブログの中で資金調達率は、無期限取引市場における重要な役割を果たしていると結論付けた。資金調達率は市場の力によって決定される。また取引所間の取引プラットフォーム機能の違いにより、低い資金調達率を維持しているとまとめている。
参考
・A Beginner’s Guide To Funding Rates
文:かにたま