不安定なマクロ経済の影響から、ビットコイン(BTC)価格も乱高下を繰り返し、投資家も次の一手を決めかねています。暗号資産(仮想通貨)アナリストのマイケル・ヴァン・デ・ポッペ(Michael van de Poppe)氏は、その価格が48,000ドル(約716万円)にまで下落する可能性について言及しました。
アナリストの予測も迷走状態に
ポッペ氏は「X」への投稿の中で、今後アメリカCPI(消費者物価指数)で悪い数値が出た場合、ビットコイン価格は56,000ドル(約835万円)のラインを割り込み、48,000ドルにまで暴落する可能性があると述べています。
その一方で彼は、もしも60,000~61,000ドル(約895~910万円)のレジスタンスラインを突破できれば、今度は73,000ドル(約1,088万円)超えの過去最高値に迫る可能性があるとも述べています。
8月14日に発表された7月のCPIインフレ率は、前月比プラス0.2%で年率2.9%という予想通りの結果でした。市場が強気か弱気かの判断はできず、ビットコインもニュースを見守る状況です。ただし前向きな見方では、インフレは徐々に沈静化しつつあり、9月に利下げの可能性は残っているといえます。
CPIの数値は悪くなかったものの、強気よりも弱気に近い現状から判断すると、ビットコインは48,000ドルまで下がる可能性が高いとポッペ氏は予測します。
オンライン為替ブローカーのエフエックスプロ(FxPro)でシニア市場アナリストを務めるアレックス・クプツィケビッチ(Alex Kuptsikevich)氏も、ビットコインは今の価格から5,000ドル(約74万6,000円)ほど下落するという見解です。
5,000ドル下落すると、ポッペ氏が指摘した56,000ドルのレジスタンスラインを割り込むことになり、48,000ドルという危険なレベルも見えてきます。この点についてアナリストのアルトコインシェルパ(Altcoin Sherpa)氏は、ビットコインが現在の価格レベルをブレイクできなければ、40,000ドル(約596万円)レンジにまで下落すると述べました。しかし一方では、ブレイクに成功すれば70,000ドル(約1,044万円)が見えてくるとも述べています。
強気を維持するアナリストの見解は?
アナリストのミッキーブル・クリプト(Mikybull Crypto)氏は、不安定な見通しにもかかわらず、ビットコイン価格が力強く堅調な伸びを示すという予測に自信を見せています。彼の根拠は国際流動性インデックスが、2年間続いた抵抗線を突破したことにあります。ビットコイン価格と国際流動性インデックスには、非常に強い相関性があるからです。
彼は以前ビットコインは底を打ったと主張し、現在は強気の第5波が始まるところであり、次のターゲットは95,000ドル(約1,416万円)で、さらには142,000ドル(約2,117万円)を目指すだろうと予測しています。
アナリストたちの見解をよそに、日本時間8月16日正午時点で、ビットコイン価格は24時間で0.4~0.5%ほど下落し、58,200ドル(約868万円)程度で推移しています。
参考
・Crypto Analyst Reveals What Could Drive The Bitcoin Price To $48,000
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