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CLARITY法とは?最新状況と投資家が押さえるべきポイント【2026年1月版】
※本記事の情報は2026年1月22日時点のものです。法案の審議状況は今後変更される可能性があります。
結論(最初に押さえるべきポイント)
CLARITY法(Digital Asset Market Clarity Act of 2025)は、2025年7月に米国下院を可決したものの、2026年1月22日現在は上院での審議段階にあり、成立は未確定です。
「下院可決=法律成立」ではありません。
現在は 上院銀行・住宅・都市問題委員会に付託され、継続審議中というのが正確な現在地です。
CLARITY法とは何か
CLARITY法の正式名称は Digital Asset Market Clarity Act of 2025。
米国議会では H.R.3633 として提出されています。
この法案は、暗号資産(デジタル資産)が『証券(SEC管轄)』なのか『商品(CFTC管轄)』なのか、という長年の曖昧さを整理し、米国の暗号資産市場インフラを制度的に明確化することを目的としています。
CLARITY法の主な柱
法案の骨子は、主に以下の3点です。
- SECとCFTCの役割分担を明確化
デジタル資産を「証券寄り」「商品寄り」に整理し、それぞれの監督機関を明確にする。 - 「デジタル商品(Digital Commodities)」などの概念整理
分散性やブロックチェーン依存性などを踏まえ、市場・取引・開示・登録の枠組みを整備。 - CBDC(中央銀行デジタル通貨)に関する条項を含む
連邦準備制度とCBDCを巡る取り扱いについても条文に含まれています。
2026年1月時点の最新状況
下院可決
- 可決日:2025年7月17日
- 投票結果:294対134
- 下院を通過し、上院へ送付
この点は、米国議会の公式記録で確認されています。
上院での現在地
- 2025年9月18日:上院で受領
- 上院銀行・住宅・都市問題委員会に付託
現時点では、委員会審議 → 修正 → 採決 の余地が残っており、法律として成立した状態ではありません。
直近の動き
上院側では、CLARITY法を含む 暗号資産の「市場構造(Market Structure)」全体についての議論が続いています。
一方で、2026年1月中旬に予定されていた上院銀行委員会での審議(マークアップ)が延期されたと報じられています。
この背景として、暗号資産業界(例:Coinbase経営陣)から草案への懸念や反対意見が示されたことが影響した可能性がある、と報道されています。
※ただし、延期の正式理由や次回日程について、議会公式記録で詳細が確定しているわけではありません。
上院側の動き:Market Structure 議論ドラフトとRFI
CLARITY法は下院発の法案ですが、上院側ではこれを土台にした、暗号資産市場構造に関する討議用ドラフトが公表されています。
- 2025年7月22日
上院銀行委員会のティム・スコット委員長、シンシア・ルミス議員らが
市場構造に関するディスカッションドラフトを公開。 - 同時にRFI(Request for Information/意見募集)を実施。
このRFI文書では、「本ドラフトは下院で可決されたCLARITY法が作った枠組みを基礎としている」旨が明記されており、上院側がCLARITY法を出発点に議論していることが確認できます。
なぜ今CLARITY法が重要なのか(2024〜2025年の環境変化)
ビットコイン現物ETFの承認
2024年1月10日、米SECは複数のビットコイン現物ETFに関する上場規則変更を承認しました。
これにより、暗号資産は伝統金融の枠組みの中に本格的に組み込まれ始めています。
SEC「Crypto Task Force」の設置
2025年1月21日、米SECは暗号資産に関する論点整理を進めるCrypto Task Forceの設置を発表しました。
登録、開示、カストディなど、従来あいまいだった領域を整理する動きが進んでいます。
Project Crypto と SEC・CFTCの協調
SECはProject Cryptoを掲げ、暗号資産に関する制度設計を明文化する方向性を示しています。
さらに2025年9月には、SECとCFTCが暗号資産スポット市場に関する共同の発信を行い、当局間の協調姿勢が明確になりました。
投資家への具体的影響
以下は CLARITY法が成立・運用された場合に起きやすい変化として整理します。
市場の安定化が進む可能性
法的な境界が明確になれば、
- 取引所
- 発行体
- 機関投資家
にとっての不確実性が下がり、中長期的には流動性や価格形成の改善につながる可能性があります。
ただし、最終的な法文や下位規則次第で実務は変わるため、骨子と運用は分けて考える必要があります。
DeFi分野の予見可能性
上院側の市場構造議論では、保管、決済、市場インフラといった論点も整理対象となっています。
これにより、DeFiや周辺サービスがどこまで規制対象になり得るのかが徐々に見えやすくなる可能性があります。
成立までのリスクは依然として残る
現在は上院審議の途上であり、
- 審議の長期化
- 条文修正
- 他法案との統合
といったシナリオも否定できません。
投資家は「成立を前提に織り込む」のではなく、審議の進捗を見ながら判断する姿勢が求められます。
日本の投資家が知っておくべき点
金融庁:暗号資産制度WGの動き
日本では、金融庁の金融審議会において「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」 が始動しています。
- 第1回会合:2025年7月31日開催
- 議事次第・資料は公式に公開済み
米国のCLARITY法がそのまま日本に適用されるわけではありませんが、米国での制度整理は国際的な議論や事業者対応に影響を与える可能性があります。
税制についての注意点
暗号資産の税制見直し議論は継続していますが、確定した制度変更は限られています。
記事内では、与党税制改正大綱や金融庁・財務省の公表資料を随時確認するというスタンスに留めるのが安全です。
リスクと注意点(2026年1月時点)
CLARITY法の議論が進んでも、投資リスクは残ります。
- 価格変動リスク
- 技術的リスク(ハッキング、実装不備など)
- 規制変更リスク(成立前・成立後)
- 流動性リスク
今後の展望と投資家の行動指針
短期
- 上院委員会での審議進捗を一次情報で確認
- 市場構造ドラフト・RFIの更新をチェック
- SEC・CFTCの公式発信を定点観測
中長期
- 米国の制度整理が国際基準に影響する可能性
- 機関投資家の本格参入余地
- 政治要因によるスケジュール変動のリスク
まとめ
CLARITY法は、暗号資産を巡る 「証券か商品か」問題に制度として向き合う重要法案です。
しかし、2026年1月22日現在、法案は上院付託・継続審議の段階で、成立は未確定です。
投資家にとって重要なのは、「期待」で動くことではなく、審議の現在地・修正の方向性・当局ガイダンスを冷静に追うことです。
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