ワームホール(Wormhole)のメインネットローンチが発表されました。DeFi(分散型金融)やNFTなどに触れているユーザーの方はご存じの通り、ブロックチェーンと一言にいってもさまざmな種類のものが存在しそれぞれ独立したエコシステムを持っています。しかし業界が成熟するにつれて、異なるブロックチェーン間で通信を行うニーズが高まっています。
目次
ワームホール(Wormhole)とは?
Wormholeは、クロスチェーン・メッセージング・プロトコルとして、異なるブロックチェーンを相互接続することを目的としたプロジェクトです。ローンチ時点ではソラナ(Solana)、イーサリアム(Ethereum)、テラ(Terra)、バイナンス・スマート・チェーン(Binance Smart Chain)の4つのブロックチェーンの橋渡し(ブリッジ)をサポートしており、将来的には他の主要なチェーンのブリッジも計画されています。
ネットワークの概要
ワームホールではガーディアン・ノードとよばれる検証者によって、繋がっているチェーン上のイベントやデータが検証されます。この情報はワームホールを通じて伝達され、ネットワークに接続している誰もが情報の流れを知ることができます。ネットワーク上の3分の2以上のガーディアンからの認証があれば、認証が作成され、非同期で高速なコンセンサスが可能になります。これらの認証は永続的に保存され、1つまたは複数の宛先ブロックチェーンに送られて解析され、カスタマイズしたアプリケーションロジックを動かすことができます。
出典:Introducing Wormhole(一部記事用に編集)
海外メディアCoindeskによると、このワームホールのローンチによってこれまでSolana上に存在しなかったアセットがSolanaのDeFiエコシステムに組み込まれることが期待され、例えばSerumのようなDEXがワームホールを介してクロスチェーンの流動性にアクセスできるようになる可能性が示唆されています。
ワームホール(Wormhole)の技術的特徴
ワームホールのブログには下記のような特徴が説明されています。
汎用性
ワームホールのクロスチェーンメッセージには、任意のデータを含めることができます。これにより、資産の移転、オラクルデータ、ガバナンス、NFTなどを利用した様々なアプリケーションを構築することができます。
コンセンサス/アプリケーションロジック
ワームホールでのコンセンサスは軽量且つ高スループットです。署名されたメッセージは、カスタム・アプリケーション・ロジックで接続されたチェーンに中継され、イベントを解析したりトリガーしたりすることができます。
速さ
ワームホールのシングルラウンドコンセンサスの非同期性により、遅延性が低い状態でのコンセンサスが可能となり、どのブロックチェーンでも(オフチェーンでも)最小限の遅延で情報を利用することができます。
容易な拡張性と完全なアップグレード性
新しいチェーンを組み込む場合、他のネットワーク上での活動を中断する必要はありません。すべてのコアコントラクトは完全にアップグレード可能で、ガバナンスはガーディアンによってコントロールされ、超過半数の賛成が得られればアップグレードができます。
このワームホールはSolanaコミュニティにとっても非常に大きなニュースとなり、今後これを活用してどのようにエコシステムが変化していくのかに注目が集まります。詳細についてはドキュメンテーション等から参照できます。
公式ウェブサイト:https://wormholenetwork.com/en/
ブログ:https://wormholecrypto.medium.com/?p=32b16d795c01
Solanaによるワームホール解説:https://solana.com/wormhole