Human ProtocolとSolana
HUMAN Protocol(ヒューマンプロトコル)がSolana(ソラナ)の統合計画を発表しました。HUMAN Protocolは、価値を生み出す人間の行動をAIやマシンラーニングに活用したり、マーケットプレイスとして機能するような構想のプロジェクトです。何億人もの膨大な量のデータをラベリングする自由なマーケットプレイスを通じて機械学習に貢献しています。Human ProtocolにはHMTというERC20トークンが存在しており、このトークンが価値交換の媒体として使われていました。
HUMANプロトコルのユーザーは、何百万人もの労働者を分散型労働プールに投入するという課題に直面しており、レイヤー1のブロックチェーンとレイヤー2のシステムを評価した結果、今回HUMANプロトコルと統合するための主要な選択肢の1つとしてSolanaを選択しています。
Solana Foundationのアナトリー・ヤコヴェンコ氏は以下のように述べています。
「ブロックチェーンは、大規模な人的資源や経済的資源を調整する能力を持っています。HUMAN Protocolは、分散型労働市場を開拓することで、まさにそれを実現しています。GoogleのreCAPTCHAが歴史的に独占してきた分野である機械ビジョンモデルで市場シェアを獲得して大きな躍進を遂げた後、HUMAN Protocolの開発者が機械学習市場の残りの部分をアンバンドルし、ブロックチェーンによって独自に可能になった新しいアプリケーションを解き放つのをサポートできることを誇りに思います」
reCAPTCHAとhCaptcha
何かのサービスにサインアップしたりお問合せをする時に出てくる「私はロボットではありません」という確認画面を見たことがある人は多いのではないでしょうか。
このreCAPTCHAはGoogle社が提供するキャプチャ認証システムです。これはWebフォーム等を設置する際に、悪質なBotからウェブサイトを守るための機能です。「信号の画像をクリックして下さい」などのメッセージが表示され、ロボットでないことを証明するためには指定された作業を完了させる必要があります。
HUMAN Protocolは、世界で最も利用されているブロックチェーンアプリケーションであるhCaptchaをサポートしています。hCaptchaのトラストレスな労働市場は、世界のインターネットトラフィックの15%以上に及び、HUMAN Protocolの技術を利用して、ブロックチェーン上で労働をアウトソースできます。
hCaptchaはカリフォルニア州に拠点を置くIntuition Machinesが提供するスパム防止用システムでウェブインフラサービスを提供するCloudflareでも採用されています。CloudflareはreCAPTCHAよりもコストが抑えられることが期待される点とユーザーデータの収集が比較的少なく抑えられる点をhCaptchaの採用理由として挙げています。
Human Protocolのマルチチェーン構想
HUMAN ProtocolをSolanaを含む複数のブロックチェーンで利用できるようにすることで、各エコシステムの開発者がHUMAN Protocolのツールスタックにアクセスできるようにすることを目指しています。
これには、作業依頼を公開する機能や報奨金エスクロー機能が含まれており、インテルのCVAT(Computer Vision Annotation Tool)のような新しいアプリケーションにアクセスすることができます。
将来的には、このプロトコルは、複数のブロックチェーン上のユーザーが新しいタイプのデータラベリング作業を検索、リストアップ、発見し、人間の労働力プールに参加または作成できるようにすることを目指しており、今後の動向に注目です。
参考
・HUMAN Protocol Foundation Adds Solana Integration