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JPYCとは?金融庁承認の日本初円建てステーブルコインの全貌解説【2025年最新】
冒頭の直接回答
JPYCとは、JPYC株式会社が発行する日本円連動型のステーブルコインです。2025年8月17日、金融庁が国内初の円建てステーブルコインとして承認する方針を示し、今秋にも本格的な発行が開始される予定です。1JPYC=1円の価値を維持し、預金や国債などの流動資産で裏付けられています。
要点
- 金融庁承認の国内初円建てステーブルコイン
- 1JPYC=1円の固定レート
- 預金・国債による価値の裏付け
- 3年間で1兆円分の発行目標
- ブロックチェーン技術による24時間送金可能
JPYCとは何か?基本概念と特徴
JPYCは、日本円と1対1で価値が連動するデジタル通貨「ステーブルコイン」です。従来の仮想通貨とは異なり、価格変動を抑制し、日常的な決済手段としての利用を目的としています。
主要な特徴
価値の安定性 1JPYC=1円の固定レートを維持するため、預金や日本国債などの流動性の高い資産を100%の裏付けとして保有しています。これにより、他の仮想通貨のような大きな価格変動リスクを回避しています。
24時間365日送金対応 従来の銀行システムでは平日の営業時間内でしか送金できませんが、JPYCはブロックチェーン技術により、いつでも瞬時に送金が可能です。国内外を問わず、手数料も従来の国際送金と比較して大幅に削減できます。
法的保護の確立 2025年8月17日の金融庁承認により、JPYCは改正資金決済法に基づく「電子決済手段」として法的地位が確立されました。これにより、利用者保護や資産の分別管理が法的に保証されています。
JPYC株式会社の概要
会社情報
- 社名:JPYC株式会社
- 代表取締役:岡部典孝
- 設立:2019年11月
- 所在地:東京都千代田区
- 事業内容:日本円ステーブルコインの発行・管理
代表の岡部典孝氏は、2001年に一橋大学在学中に起業し、20年以上にわたりテクノロジー分野で活動してきた実業家です。現在は一般社団法人ブロックチェーン推進協会の理事も務めています。
JPYC Prepaidから電子決済手段への移行
法制度改正に伴う変更
2024年11月に「JPYC」から「JPYC Prepaid」に名称変更され、2025年6月1日から新規発行が停止されました。これは改正資金決済法の施行に伴い、電子決済手段(日本版ステーブルコイン)への移行準備のためです。
重要な変更点
- 2025年5月30日18時:最終入金期限
- 2025年6月1日0時:新規発行完全停止
- 既存保有分:引き続き利用可能
- 現金償還:現時点では予定なし
金融庁承認の意義
2025年8月17日の金融庁承認は、日本のデジタル決済分野における歴史的な転換点です。これまでは前払式支払手段として扱われていたJPYCが、電子決済手段として正式に認められることで、以下のメリットが期待されています:
- より厳格な利用者保護制度
- 金融機関との連携拡大
- 企業間決済での本格活用
- 国際送金の効率化
ステーブルコインと電子決済手段の違い
日本における法的分類
項目 | ステーブルコイン | 電子決済手段 |
---|---|---|
法的根拠 | 改正資金決済法 | 改正資金決済法 |
発行主体 | 金融機関・資金移動業者 | 同左 |
利用者保護 | 強化された保護制度 | 同左 |
取引制限 | 1回あたり上限あり | 緩和される見込み |
償還義務 | 額面での償還保証 | 同左 |
電子決済手段として承認されることで、JPYCはより広範囲での商業利用が可能となり、決済インフラとしての地位を確立できます。
海外ステーブルコインとの比較
現在日本で取引可能な海外発行ステーブルコインには、USDCやUSDTなどがありますが、これらは「外国電子決済手段」として分類され、取引1回あたりの上限などの制限があります。
一方、JPYCは国内発行のため、こうした制限が緩和される可能性が高く、日常的な決済手段としてより使いやすくなると期待されています。
JPYCの技術仕様と利用方法
対応ブロックチェーン
JPYCは以下のブロックチェーンネットワークで利用できます:
Ethereum(イーサリアム)
- メインネットワークでの基本利用
- DeFiプロトコルとの連携
Polygon(ポリゴン)
- 低コストでの高速取引
- ゲーミングDApps対応
Shiden Network
- 日本発のブロックチェーン
- 高速かつ低コスト
具体的な利用シーン
個人利用
- オンラインショッピング決済
- 個人間送金
- 海外送金(手数料削減)
- DeFiサービス利用
企業利用
- B2B決済の効率化
- 給与支払いのデジタル化
- サプライチェーン決済
- 国際取引の簡素化
取引可能な暗号資産取引所
現在、JPYCは以下の方法で入手できます:
公式サイトでの購入
JPYCの公式サイト(https://jpyc.jp/)から直接購入可能です。銀行振込により日本円をJPYCに交換できます。
将来的な取引所対応
金融庁承認に伴い、以下の主要取引所での取扱いが期待されています:
- SBI VCトレード(USDCを既に取扱い中)
- コインチェック(準備中)
- その他国内大手取引所
比較表:JPYCと他の決済手段
項目 | JPYC | 銀行振込 | PayPay | クレジットカード |
---|---|---|---|---|
送金時間 | 即時 | 平日営業時間内 | 即時 | 即時 |
手数料 | 低コスト | 高コスト(特に海外) | 無料〜低コスト | 加盟店手数料あり |
利用可能時間 | 24時間365日 | 平日営業時間 | 24時間365日 | 24時間365日 |
国際送金 | 対応 | 高コスト | 限定的 | 対応 |
法的保護 | 電子決済手段法 | 預金保険 | 資金決済法 | 割賦販売法 |
取引所紹介
日本で認可された主要暗号資産取引所をご紹介します。JPYCの正式な取引所上場に備えて、事前に口座開設をお勧めします。
BitTrade(ビットトレード)
特徴
- 金融庁認可の安全な取引所
- 豊富な取扱銘柄数
- 高度なセキュリティ対策
- 24時間365日サポート体制
主要手数料
- 取引手数料:0.1%〜0.2%
- 入金手数料:無料(銀行振込手数料は利用者負担)
- 出金手数料:330円
- 最小購入額:500円
口座開設手順
- 公式サイトでメール認証
- 本人確認書類のアップロード
- 本人確認の審査完了
- 取引開始
SBI VCトレード
特徴
- SBIグループの信頼性
- USDCの国内初取扱い
- 機関投資家レベルのセキュリティ
- ステーブルコイン対応実績
主要手数料
- 取引手数料:無料〜0.1%
- 入金手数料:無料
- 出金手数料:145円
- 最小購入額:1円
Coincheck(コインチェック)
特徴
- 国内最大級のユーザー数
- 使いやすいスマホアプリ
- 29種類の暗号資産取扱い
- 積立投資サービス対応
主要手数料
- 取引手数料:無料(スプレッドあり)
- 入金手数料:無料〜1,018円
- 出金手数料:407円
- 最小購入額:500円
bitbank(ビットバンク)
特徴
- 高いセキュリティ評価
- リアルタイム入金対応
- 豊富な取引ツール
- メイカー手数料マイナス
主要手数料
- 取引手数料:-0.02%〜0.12%
- 入金手数料:無料
- 出金手数料:550円〜770円
- 最小購入額:0.0001BTC相当
GMOコイン
特徴
- GMOインターネットグループ運営
- 各種手数料無料
- レバレッジ取引対応
- ステーキングサービス
主要手数料
- 取引手数料:-0.01%〜0.05%
- 入出金手数料:無料
- 送金手数料:無料
- 最小購入額:0.00001BTC
BITPOINT(ビットポイント)
特徴
- 各種手数料無料
- 初心者向けの分かりやすい操作
- 貸暗号資産サービス
- 定期的なキャンペーン実施
主要手数料
- 取引手数料:無料
- 入出金手数料:無料
- 送金手数料:無料
- 最小購入額:500円
よくある質問(FAQ)
Q1. JPYCは安全ですか?
JPYCは金融庁承認の電子決済手段として、改正資金決済法に基づく厳格な管理体制下にあります。発行額と同額の流動資産(預金・国債)による100%の裏付けがあり、利用者保護が法的に保証されています。また、JPYC株式会社は適切な分別管理を実施しており、高い安全性を確保しています。
Q2. JPYCと従来の電子マネーの違いは何ですか?
JPYCはブロックチェーン技術を基盤とするため、24時間365日の送金が可能で、国際送金も効率的に行えます。また、プログラム可能性があり、スマートコントラクトとの組み合わせで自動決済などの高度な機能も実現できます。一方、従来の電子マネーは特定の事業者のシステム内でのみ利用可能です。
Q3. JPYCの価値は本当に1円を維持できるのですか?
JPYCは発行額と同額の円建て資産(預金・国債)を保有する完全準備制を採用しています。これにより1JPYC=1円の価値が担保されています。万一発行者に問題が生じた場合でも、保有資産からの償還により利用者の資金が保護される仕組みです。
Q4. 今後どのようなサービスで利用できるようになりますか?
金融庁承認により、企業間決済、給与支払い、国際送金、オンライン決済など幅広い分野での活用が期待されています。また、DeFiプロトコルとの連携により、レンディングやイールドファーミングなどの金融サービスでも利用範囲が拡大する見込みです。
Q5. JPYCを取引できる暗号資産取引所はありますか?
現在、JPYCは公式サイトでの直接購入が主な入手方法ですが、金融庁承認に伴い、SBI VCトレードやコインチェックなどの主要取引所での取扱いが検討されています。正式な上場スケジュールは各取引所の発表をお待ちください。
まとめ
JPYCは金融庁承認を受けた国内初の円建てステーブルコインとして、日本のデジタル決済分野に革新をもたらします。1JPYC=1円の安定した価値、24時間365日の送金対応、法的保護の確立により、個人・企業を問わず幅広い用途での活用が期待されます。
2025年秋の本格発行開始に向けて、デジタル資産や新しい決済手段に関心のある方は、JPYCの動向に注目し、対応する暗号資産取引所での口座開設を検討されることをお勧めします。
公式サイト:JPYC公式サイトで最新情報をご確認ください。