市場データプロバイダーのクリプトクオント(CryptoQuant)への投稿で、あるアナリストがビットコイン(BTC)クジラの動向と、市場での資金流入と流出の動きについて興味深い指摘をしています。彼が注目するのは、「exchange netflow」という指標です。
exchange netflow指標から予測する仮想通貨価格
今回の投稿でこのアナリスト(joaowedson)は、香港に拠点を置く暗号資産(仮想通貨)取引所のビットメックス(BitMEX)から、クジラが大口のビットコインを引き出したことを報告しています。
また彼は「exchange netflow(取引所純資産流動)」という指標に注目しています。この指標は取引所のウォレットへの仮想通貨流入と流出を測定したもので、流入量から流出量を引くことで算出されます。
この指標がプラスの数値の場合は、仮想通貨の流入量が流出量を上回る流入超過の状態です。この傾向は投資家が売りを狙っていると推測され、一般的には価格に弱気のインパクトを与えます。
一方で指標がマイナスの数値の場合、取引所では仮想通貨の引き出しが続き、流出超過になっていると考えられます。この状況では新規の通貨購入が生じているか、投資家が取引所からセルフカストディに資産を移動している可能性があるでしょう。いずれにせよ投資家が仮想通貨を引き出していることは、その後一定期間保管する目的であると推測され、市場にとっては強気傾向のサインと言えるかもしれません。
指標のマイナス数値は価格上昇の兆しか?
ビットメックスにおけるここ数ヶ月のexchange netflowを見てみると、マイナスの数値が続いていることが分かります。特に直近では大幅に数値がマイナスになり、この期間の投資家による引き出しは、およそ4,000BTC(約246億4,000万円)に達しました。
クリプトクオントによれば、発生する時期にかかわらず、仮想通貨価格とexchange netflow指標は特徴的なパターンを形成することがあるそうです。そのパターンによると、ビットメックスから多額のビットコインが流出する場合は、その時点でビットコイン価格が底値にあると考えられ、その後価格上昇に向かう傾向が強いようです。実際2023年10月からの価格上昇直前にも、多額の引き出しが確認されています。
1つの可能性として、指標が示す歴史的なマイナス数値は、ビットメックスのクジラからの仮想通貨購入に一致し、それが価格低下と底値の形成を引き起こしていることが考えられます。
今回同様のパターンが出現したことで、直近の引き出しが仮想通貨価格にある程度影響するかもしれません。しかし反対に多額の仮想通貨流入があれば、価格下落につながる可能性もあるわけで、クリプトクオントは注意深く市場のトレンドを見るように注意喚起しています。
参考
・BitMEX Whales Buy Bitcoin: What History Says Will Happen Next
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