【墨汁速報】破産裁判所が仮想通貨レンディング「ブロックファイ」の再建に向けた売却オークション計画を認可

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米破産裁判所は、2022年11月に破産してチャプターイレブンで再建中の仮想通貨レンディング企業最大手ブロックファイ(BlockFi)が買収先を探すための入札を開始するための申立てを許可。破産裁判所の許可が降りたことでブロックファイは2023年中旬に向けて再建を目的とした自身の売却オークション手続きを開始することになる。

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破産裁判所によるブロックファイオークション許可

現地時間1月30日に行われたブロックファイ(BlockFi)の破産公聴会にて自身を売却するオークションを開催するための申立てに関する審議が行われ、下記スケジュールにて許可された。

2023年2月20日:適格入札

2023年2月28日:債務者の株式と/または資産のオークション

2023年3月16日:売却反対の申立ての締め切り

2023年3月23日:破産コード363章における売却の聴聞会

2023年4月3日:債務者の開示説明書の提出

2023年5月1日:開示説明書の反対申立の締め切り

2023年5月8日:計画や開示説明書の認可前の適切性の確認

2023年6月12日:買収案に対する投票締め切り

2023年6月19日:買収認可前の最終確認

となっている。

ブロックファイによると100社以上の企業が買収に興味を示していると発表していた。同社は破綻したFTXグループへの12億ドル(約1,564億円)もの債権を有したことが破産理由であるため、同社の唯一の再建計画と言えるだろう。

破産から2ヶ月が経過した現在もブロックファイの破産財産は確定できておらず、顧客名義の預かり仮想通貨で破産財産に含まれないとされているブロックファイウォレット(BlockFi Wallet)ユーザーの取り扱いがどうなるかはまだ決まっていない状態だ。

関連記事:【墨汁速報】仮想通貨最大手ブローカレッジ「ジェネシス・トレーディング」チャプターイレブン破産申請

ブロックファイの再建計画

ブロックファイは当初、破産申請をした2022年11月28日にFTXの子会社であるヘッジファンド「アラメダ・リサーチ(Alameda Research)」へローンを貸し付けていたものの、担保とされていたロビンフッド株がカストディアンであるブローカーから譲渡されなかったことで訴訟を行っていた。

この訴訟ではアラメダ・リサーチがローンでデフォルト(債務不履行)となったため、担保のロビンフッド株を取り戻し、売却することやビットコイン付与クレジットカードビジネスなどの一部売却で再建を考えていたとみられるものの、司法省にFTX前CEOのアフロことサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried=SBF)が顧客資産を利用して購入した疑いがあることから押収されてしまった。

そのためブロックファイの当初の再建計画は頓挫してしまい、自身を売却する以外の再建方法がなくなってしまったということになる。そのため仮想通貨市場が回復しはじめている現在、ブロックファイは即座の買収を期待しているということだろう。

仮想通貨市場への影響は?

買収による再建の例としては同様に破産したボイジャー・デジタル(Voyager Digital)が挙げられるだろう。このような買収例ではユーザーは50%~の資産ヘアカットとはなるが、資金を引出しすることができるようになる。そうすると破産によって拘束されていた資金が仮想通貨市場に戻ってくることになるため、長期上昇トレンドへ転換していたとすればさらなる購入の資金となり得るというわけだ。

FTXの再建は数年かかるとみられるものの、仮想通貨市場全体の上昇はブロックファイやボイジャー・デジタル、ジェネシスのような破産企業の再建確率を上げることになるため相乗効果でプラスになると言えるだろう。

関連記事:【墨汁速報】米SECが仮想通貨レンディング「ネクソ(Nexo)」を起訴 米規制当局へ罰金支払いへ

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