暗号資産(仮想通貨)業界には、ダイヤモンドハンズという言葉があります。これは長期的保有者(LTHs)を表しますが、彼らの動きを分析したところ意外な事実が見えてきました。
ビットコイン(BTC)が最高値を狙う状況にもかかわらず、彼らは静観の構えを崩していないのです。
高値でも売りに動かない長期保有者
グラスノード(Glassnode)による直近の分析では、ビットコインが70,000ドル(約1,096万円)に近づいても、老練な長期保有者からの売り圧力は強まっていません。
ただしこの状況は目新しいものではなく、市場の安定性を示す1つの基準と言えます。グラスノードの定義では、彼らは155日以上ビットコインをウォレットに保有し続けている成熟した投資家であり、市場の回復力を下支えする重要な役割を果たします。
直近1週間でビットコインは3.5%下落し、さらに直近24時間では0.6%の値上がりを見せ、5月30日時点では67,700ドル(約1,060万円)レベルで停滞しています。しかし長期保有者は、売りに出す様子を見せていません。
この点についてグラスノードは、本来なら市場の下降トレンドに先立って生じる売りのタイミングに、まだ長期保有者が到達していないと分析しています。
ビットコインの長期保有の収益性を計測する指標の1つに、MVRV比率(Market Value to Realized Value)があります。信頼できるこの指標は現在、長期保有者がかなりの未実現利益を抱えていることを示しています。過去の事例ではMVRV比率があるレベルまで上昇すると、長期保有者は売却を始めていました。しかし今回はまだその動きが見えていません。
興味深いことに、3月に過去最高値の73,800ドル(約1,156万円)を記録した時、長期保有者は主要な売り手ではありませんでした。彼らはこの期間519,000BTCを売却しましたが、月間売却額がほぼ100万BTCに達した前回の強気市場と比較してもかなり少ない状況です。
この519,000BTCのうち20%は、グレイスケールのETF保有者のものでした。長期保有者のこのように抑制された売り行動は、重要な戦略的アプローチであり、今後の価格上昇を確信したもの考えられます。
長期保有者が楽観視する今後の市場
グラスノードは今後も長期保有者が、市場力学で中心的な役割を果たすと予測しています。彼らの行動は最高値付近で流動性が高まった後で、資産の再蓄積にシフトしたことを示しています。
このパターンは洗練された戦略の一環であり、ビットコインの最も強固な支持者たちが次の強気市場を予測して、加速態勢に入ったのかもしれません。
一方この状況において仮想通貨アナリストのクリプトーフィック(Cryptorphic)氏は、ビットコインが2025年5月27日までに156,000ドル(約2,443万円)にまで上昇するという、極めて強気の予測を公表しています。
参考
・Long-Term Bitcoin Holders Resist Selling Amid Recent Highs — What This Signals
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