ETH2.0のステーキングを始める前に知っておきたい注意点・リスク

イーサリアム 2.0のBeacon Chainが12月1日にローンチされました。ステーキングができるようになったことで興味を持ち始めた方もいるのではないでしょうか。

イーサリアム2.0では32ETHをステーキングしてノード運営すると、約14%の利率でステーキング報酬を得ることができます。年率約14%と聞くと非常にうまみのある資産運用に見えますが、実際にはイーサリアム2.0のステーキングを始める前に知っておきたい注意点もあります。

今回はこれからイーサリアム 2.0のステーキングをする人に向けて知っておくべきリスクを3つのポイントで整理します。

スラッシュ

スラッシュとは、ノード運用者がノードを安定的に稼働させなかったり、悪意がある行為をするとステーキングしているETHが没収される仕組みです。つまりノードを正常に稼働させていない場合、報酬を得ようとしてステーキングしてノード運営をしているにも関わらず、ETHが減ってしまう可能性もあります。

このような仕組みが導入されている背景として、イーサリアム 2.0のブロックチェーンを攻撃しようとする人たちがいた場合に即時に検知して攻撃コストを支払わせるというセキュリティ上の観点から導入されています。この仕組によってイーサリアム 2.0は安全に稼動しますが、ノード運営者にとってはノード運用に技術的に気をつける要件が増えています。

報酬の利率の変化

次に知っておくべき点として挙げられるのは、ステーキング報酬の利率が変わるという点です。冒頭で14%の利率であると述べましたが、これは現時点での1年間推定利率であり、3ヶ月後には8%に下がっていることもあるかもしれません。

下記はPoS(プルーフ・オブ・ステーク)のステーキングに参加した場合どの程度の報酬を得られるかを表した図表です。

PoS(プルーフ・オブ・ステーク)のステーキングに参加した時の報酬
出典:Signal non-final status of base reward and desired issuance goal #971

報酬の変動の仕組みとしては、ステーキングされているETHの総量とリワード率が反比例します。ネットワーク全体でステークされるETHの数が増えれば増えるほど、1バリデーターノードへのリワード率は減っていく仕様になっています。

ノードの数が少ない時には報酬率が高く、ノードの参加を促す仕組みになっています。逆に十分にバリデーターノードが稼働している場合は報酬を減らして、ネットワークの新規トークンのインフレーションを抑える仕組みになっています。

フェーズ0の段階で一度ステーキングをした場合、引き出しはしばらくできない

フェーズ0でステーキングしたユーザーはしばらくの間そのETHを1.xチェーン(これまでのイーサリアムブロックチェーン)に引き出すことができません。

イーサリアム 2.0には開発フェーズがあり、2020年12月のビーコンチェーン(Beacon Chain)のローンチはフェーズ0にあたります。

フェーズ0のBeacon Chainの機能としてはステーキングとブロック生成のみです。予定より早くステーキングしたETHが引き出せるようになる可能性もありますが、執筆時点での計画ではおそらくフェーズ2のローンチまで時間がかかるはずです。つまり1年半~2年、もしくはそれ以上の長期間にわたって1.xチェーンにETHを戻せない可能性を考慮してステーキングに参加する必要があると言えます。

まとめ

このようにイーサリアム 2.0のステーキングをする前には知っておくべきことが多くあります。利率変動や引き出せないという点についてはコントロールできないリスクですが、スラッシュなどに関しては代わりにノード運営をしてくれる事業者も存在します。ステーキングをこれから検討している人は、リスクを知った上で自身にあったステーキング方法を選定するのが良いでしょう。

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この記事はstakefishからコンテンツ協力を得て提供しています。stakefishは暗号資産ユーザー向けのステーキングサービスを提供しています。Ethereumをはじめとした様々なノード運用の実績を元にサービスを提供しており、ユーザーは秘密鍵を渡すことなくステーキングができます。stakefishによるステーキングサービスの詳細を知りたい方は是非下記のリンクをご参照ください。

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