【墨汁速報】仮想通貨取引所最大手「バイナンスがFTX買収」で合意 FTXは流動性危機で出金遅延

度重なるトラブルやリークから不審が募っていた仮想通貨取引所最大手のFTXは巨額の引出しによる「流動性危機」を迎え、バイナンス(Binance)に戦略的取引を持ちかけ買収されることに同意する基本合意書に署名をしたと発表。

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バイナンスがFTXを買収へ

バイナンスのCEO、チャンポン・ジャオ氏(Changpeng Zhao)氏は、「FTXが今日午後に助けを求めてきたため、ユーザーを守るために完全にFTXを買収する基本合意に署名した。流動性危機に陥っていることからカバーする」と発表し、FTXの危機はバイナンスの買収で終結することとなった。

またFTXのCEOであるSBFことサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried)氏は、この買収により流動性危機を脱することで全てのFTX内の資産は1:1でカバーされ、出金停止及び遅延は時間はかかるが順に処理されると述べている。

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FTXは巨額の出金で引出し停止に見回れていた

FTXから巨額の出金が相次いだのはCEOの投資会社「アラメダリサーチ(Alameda Research」の財務状況がリークされ、不信感が徐々に募ったことがきっかけだ。アラメダリサーチがFTXトークンであるFTTを資産の大半として保有しており、このFTTの総数が市場供給量の200%近いということがFTXからの巨額引出しによるリスク回避の動きとなったということになる。

連日のステーブルコインやETH、BTCの引出しにより8日21時頃からイーサリアム上でのFTXの引出しアドレスの1つは出金を停止。さらにソラナ(Solana)や(トロン)Tronでも出金が停止していることから、FTXはCZ氏のいう「流動性危機」を迎えていたことが分かるだろう。

FTXの1,465億円の預金とユーザー資産は何処へ?

サム・バンクマン・フリード氏は8日、FTXは10億ドル(1,465億円)以上の預金を有しており、さらにユーザーの預かり資産を利用して投資などは行っていないと主張していた。通常仮想通貨取引所ではユーザーの即座の資金引出しに対応するためにホットウォレットに預かり資産の一部を保管しているが、急激な引出しの増加により残高が枯渇して一時的な出金停止をする可能性が考えられる。

だがサム・バンクマン・フリード氏の主張が正しければユーザー資産は分別管理されており、安全に保管するためのコールドウォレットからの引出しを時間がかけても手続きすることで問題なく出金ができるはずだ。

にも関わらず「流動性危機」としてバイナンスに助けを求めるのは腑に落ちず、当初のアラメダリサーチの財務状況のリークはFTXの事実だったのかもしれない。

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