
目次
この記事でわかること
トム・リー氏が2025年末ビットコイン25万ドル予想を“事実上撤回”し、「年末10万ドル超~10月の史上最高値(約12.5万ドル)を“狙えるかもしれない”程度」にトーンダウンしました。この記事では、予想修正の背景・現在のビットコイン市場の状況・他アナリストとの比較・日本投資家が取るべき現実的な戦略をまとめます。
重要ポイント(結論だけ知りたい人向け)
- 予想の大幅軟化
- 「年末25万ドル」→「10万ドル突破は“非常に可能性が高い”、史上最高値更新は“maybe(たぶん)”」という水準へ下方修正。
- 市場環境の激変
- 2025年10月、ビットコインは史上最高値12.6万ドルから約30〜35%急落。
- 10月10日の急落では約200万口座がゼロになり、日次清算190億ドル規模という「史上最大の清算イベント」が発生。マーケットメーカーも大量退場。
- 現在の水準
- 2025年11月27日時点で、ビットコインは1BTC ≒ 1,425万円前後(約9.5万〜10万ドル)で推移。10月の最高値からは約2〜3割下落した状態。
- 投資家の現実解
- 年末価格を当てるのはプロでも困難。
- ドルコスト平均法(DCA)+長期保有+分散投資が、日本の個人投資家にとって最も現実的な戦略。クラーケン調査でも暗号資産投資家の83%がDCAを経験、59%が主要戦略として利用。
トム・リー氏とは?ウォール街随一の暗号資産アナリスト
要約: Fundstrat共同創業者であり、ビットコイン調査の“ウォール街第一人者”。現在はマイニング企業BitMine Immersion Technologies会長も務める強気派ストラテジスト。
トム・リー氏は、金融リサーチ企業Fundstrat Global Advisorsの共同創業者であり、現在はビットコインマイニング企業BitMine Immersion Technologies会長として暗号資産市場をリードする存在です。
主な実績と特徴
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 所属 | BitMine Immersion Technologies会長、Fundstrat共同創業者 |
| 専門分野 | S&P500・テック株・ビットコイン価格サイクル分析 |
| 予想スタイル | マクロ+オンチェーン+需給を組み合わせた定量分析+強気バイアス |
| メディア露出 | CNBCなど主要金融メディアの常連コメンテーター |
過去にはS&P500の底打ちや米テック株の反発局面を的中させ、「ウォール街トップクラスの強気ストラテジスト」として評価されてきました。一方で、ビットコインに関しては強気予想が外れた例もあり、「当たるも八卦」の象徴的存在でもあります。
年末25万ドル予想の経緯:強気姿勢の背景
要約: 2024年初頭から2025年秋まで一貫して掲げてきた「2025年末25万ドル」予想。その根拠は「半減期+ETF資金流入+ドル安+過去サイクル」の4本柱。
予想発表の時系列
- 2024年初頭:
「ビットコインは2025年末までに25万ドルに到達し得る」との強気予想を開始。 - 2024年〜2025年10月初旬:
4回目の半減期(2024年4月20日)後の強気サイクルを背景に、複数のインタビューやレポートで同水準を繰り返し主張。
主な根拠:
- 半減期効果(2024年4月)
供給量が半減し、需給逼迫による中長期的な価格上昇が期待される。 - ビットコインETFの資金流入
2024年1月の米現物ETF上場以降、10月初旬時点で累計数十億ドル規模のフローが発生し、価格は2024年12月に10万ドルを突破。 - ドル安・インフレ懸念
「デベースメント・トレード(通貨価値希薄化ヘッジ)」としてのビットコイン需要拡大。 - 市場サイクル理論
過去の強気相場でも、史上最高値更新後にさらに2〜3倍伸びるケースが多かったことから、12.5万ドルの高値(2025年10月)から25万ドルを“射程圏内”と見ていた。
リー氏は特に「ビットコインは年間わずか10取引日でリターンの大部分を生み出す」と強調。
CoinPostのまとめによると、2024年のデータでは最も好調な10取引日だけで+52%のリターン、残り355日は平均▲15%という極端な偏りが確認されています。
予想軟化の3つの主要要因
要約: 2025年10月の史上最大級清算、11月の30%急落、そして規制・マクロ要因が重なり、「25万ドル」はさすがに非現実的な水準となった。
1. 2025年10月の大規模清算イベント
リー氏がCNBCおよびCoinPostで明かした内容によると、2025年10月10日の急落で次のような事態が発生しました。
- 約200万口座がゼロになった
- 日次で約190億ドル相当のレバレッジポジションが強制清算
- 多数のマーケットメーカーが撤退し、板の厚みが大幅に薄くなった
結果として、
- 流動性が目に見えて低下
- スプレッド拡大・スリッページ増加
- 短期トレーダーのリスク許容度低下
といった構造的なダメージが残り、「年末にかけて超強気トレンドを再開する」という前提が崩れました。
2. 史上最高値から約30〜36%の急落
- 2025年10月5〜6日:ビットコインは12万6,000ドル前後で史上最高値を更新
- しかしその後、
11月21日には一時8万554ドルまで下落し、ピークからの下落率は約30〜36%に。
この下落により、
- 年初来上昇分をほぼ吐き出す
- 米ビットコインETFから累計約35億ドルの資金流出
- “ビットコイン一人勝ち”だったリスクオン相場が一気にリスクオフへ転換
という流れになり、「25万ドル到達」どころか、「年末に再び12.5万ドルを超えられるかどうか」レベルの議論に変わっています。
3. 規制環境の激変(日本を含む)
2025年11月、日本の金融庁は暗号資産を資金決済法から金融商品取引法(金商法)の枠組みに移管する方針を明確化しました。
- 対象は国内の交換業者が取り扱う105銘柄
- 情報開示義務・インサイダー取引規制・課徴金制度など、株式と同レベルの投資家保護を導入予定
- 税制面でも最大55%の総合課税から、株式と同じ20%申告分離課税への移行が検討されているが、対象は当面105銘柄に限定される見込み
規制強化は長期的にはプラス(信頼性向上)ですが、短期的には
- 事業者のコスト増
- 新規サービス・新銘柄上場の慎重化
- 機関投資家の様子見
を招き、リー氏が想定していたような“爆速な資金流入”が現実には起きにくい環境となっています。
現在のビットコイン市場の状況分析
要約: 10月のATH(約12.6万ドル)から11月にかけて約30%下落。11月末時点では“10万ドル前後でもみ合い”というのが実情。
最新価格動向(2025年11月27日時点)
日本円ベースの代表的な終値は以下の通りです。
| 日付 | 終値(BTC/JPY) | 備考 |
|---|---|---|
| 2025/11/21 | 約8,050,000〜8,100,000円 | 一時8万ドル付近まで急落した局面 |
| 2025/11/27 | 約14,293,000円 | 前日比+3〜4%で反発 |
| 現在値(仲値ベース) | 約14,27万6,136円 | 執筆時点の参考価格 |
為替レートにもよりますが、1BTC ≒ 約9.5万〜10万ドル前後で推移している状況です。
リー氏の最新コメント(2025年11月28日時点)
CoinPostおよび海外メディアのまとめによると、リー氏は現在次のようなスタンスです。
- 「年末までに10万ドル超えは“非常に可能性が高い”」
- 「10月の史上最高値12.5万ドル台を年末までに再び超えるかどうかは“maybe(たぶん)”」
- 25万ドル予想については明言を避け、事実上の撤回
つまり、
「超強気シナリオ(25万ドル)」 → 「現実的な強気シナリオ(10万ドル超+ATH更新トライ)」へ軟化
したと捉えるのが妥当です。
市場構造の変化
- 流動性の薄さ:10月の清算イベント以降、板厚が回復しきらず。
- ETFフローの減速:10月〜11月にかけて、米ビットコインETFから累計35億ドル規模の資金流出が観測。
- 売り圧のピークアウト気配:K33によれば、11月21日時点で売りは「飽和領域に近づきつつある」と分析。
短期的にはボラティリティが極端に高い一方で、長期トレンドとしては“成熟したがまだ伸びしろのある資産”という見方が強まっています。
他の著名アナリストの見解比較
要約: 短期予想を下方修正する一方で、2030年へ向けた長期目線は依然として強気──というのがコンセンサス。
主要アナリストの価格予想(2025年11月時点)
| アナリスト | 所属 | 予想価格 | 時期 | 概要 |
|---|---|---|---|---|
| トム・リー | BitMine / Fundstrat | 年末10万ドル超は“非常に可能性高い”、ATH更新は“maybe” | 2025年末 | 25万ドル予想から軟化。清算イベント後も強気は維持。 |
| キャシー・ウッド | ARK Invest | 2030年に120万ドル(強気シナリオを150万→120万へ下方修正) | 2030年 | ステーブルコイン普及を理由にややトーンダウンも、長期は依然超強気。 |
| アーサー・ヘイズ | 元BitMEX CEO | 年末20万〜25万ドル(短期は8万ドル台まで下落も想定) | 2025年末 | 「ドル流動性が再拡大すれば、大相場が再開」と主張。 |
| ギャラクシー・デジタル | 仮想通貨金融大手 | 年末12万ドルへ下方修正(18.5万→12万) | 2025年末 | 「ビットコインは成熟期に入り、上昇ペースは徐々に鈍化」と分析。 |
短期的には
- 「10万ドル前後〜12万ドル程度」に予想が収束しつつあり、
- 超強気派(ヘイズ氏など)が25万ドルクラスを唱える
という構図です。
一方で2030年前後の長期予測では、
- キャシー・ウッド:120万ドル(強気シナリオ)
- Cantorなど一部は「最終的に100万ドルもあり得る」との見方
など、「時間をかければ今の数倍」という強気スタンス自体は維持されています。
投資家が取るべき現実的戦略
要約: “25万ドル”級の予想は話半分でOK。日本の個人投資家は、取引所選び → DCA(積立) → 長期保有 → リスク管理の順番で進めるのが現実解。
1. まずは金融庁登録済みの取引所を選ぶ
日本で安全にビットコインを購入するには、金融庁登録済みの暗号資産交換業者を使うことが必須です。
チェックポイント:
| 項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 金融庁登録 | 公式サイトの「登録番号(〇〇財務局長 第〇〇号)」を要確認 |
| セキュリティ | コールドウォレットの比率、2段階認証、マルチシグの有無 |
| 手数料 | 取引手数料・入出金手数料・スプレッドの透明性 |
| 取扱銘柄 | ビットコイン以外に何を扱っているか |
| 使いやすさ | スマホアプリ・チャート・日本語サポートの質 |
💡 海外の無登録業者や“高利回りをうたうマルチ商法”は、絶対に手を出さないことが重要です。
2. 基本は「ドルコスト平均法(DCA)」で淡々と積み立て
クラーケンの最新調査では、
- 暗号資産投資家の83%がDCAで購入経験あり
- 59%がDCAを主要戦略としている
と報告されています。
DCAのシンプルな実践例:
・毎月1日に1万円分のビットコインを自動購入
・相場が高い月 → 少しだけ買える
・相場が安い月 → たくさん買える
・結果として、平均取得単価が平準化される
メリット:
- 「いつ買うか」を悩む必要がない(タイミングリスクの低減)
- 感情的な売買を避けられる
- 長期的な資産形成に向く
- ビットコイン特有の高ボラティリティと相性が良い
3. 長期保有(ガチホ)+分散投資のスタンス
ビットコインは依然としてハイリスク・ハイリターン資産です。
長期保有のポイント:
- 短期の値動きはノイズと割り切る
- 「1日・1週間で何%動いたか」を追い過ぎない
- 1〜3年以上のスパンで「どのくらい成長したか」を見る
- ファンダメンタルズ(=土台)が崩れていないかだけチェック
- ネットワークの稼働状況(ハッシュレート・アクティブアドレス数など)
- 規制環境が“致命的にネガティブ”な方向へ進んでいないか
- 他資産との分散を徹底する
- ビットコイン=ポートフォリオの一部(例:全体の5〜10%)
- 残りは現金・債券・株式・投資信託などでバランスを取る
4. 絶対に避けたいNG行動
| 行動 | リスク | 代替策 |
|---|---|---|
| 高倍率レバレッジ取引(FX・先物) | 10月のような清算イベントで一瞬で資金ゼロになり得る | 現物のみ/レバ1倍〜2倍までに抑える |
| 短期の値動きに合わせた「全力乗り換え」 | 感情的な売買 → 高値掴み+安値売り | あらかじめルール化した積立&利確方針を守る |
| 1銘柄集中投資 | 特定銘柄のリスクがポートフォリオ全体に直撃 | ビットコイン+他資産への分散 |
| SNSの噂だけで売買 | 詐欺・誤情報に踊らされる | 公式情報・複数メディアをクロスチェック |
日本の主要仮想通貨取引所
BitTrade(ビットトレード)
特徴
- 豊富な暗号資産銘柄を取り扱い(46銘柄前後)
- 高度なセキュリティシステム
- 初心者から上級者まで対応のUI/UX
主要手数料
- 売買手数料:販売所スプレッド、取引所 無料
- 入金手数料:銀行振込無料(振込手数料は利用者負担)
- 出金手数料:330円
- 送金手数料:銘柄により異なる
最小購入額:販売所500円、取引所0.00001BTCかつ2円
積立サービス:対応 スマホアプリ:高機能アプリあり
セキュリティ:コールドウォレット、2段階認証
向いているユーザー:多様な銘柄への分散投資を検討している方
SBI VCトレード
特徴
- SBIグループの信頼性と実績
- 業界最低水準の手数料体系
- 充実したレンディング/ステーキング/積立
主要手数料
- 売買手数料:無料(現物)
- 入出金手数料:無料
- 送金手数料:無料(ネットワーク手数料相当は別途)
取扱銘柄:36銘柄 最小購入額:1円〜(取引所)/販売所は銘柄により異なる
積立サービス:毎月500円から レンディング:年率は募集時条件により変動
セキュリティ:金融庁認可業者の高度なセキュリティ
向いているユーザー:手数料を最小限に抑えたい初心者〜中級者
Coincheck(コインチェック)
特徴
- 国内最大級の暗号資産取引所
- 初心者にも分かりやすいシンプルな操作性
- NFTマーケットプレイス「Coincheck NFT」運営
主要手数料
- 売買手数料:販売所無料(スプレッドあり)、取引所は銘柄ごとに設定(BTC/ETHは無料対象)
- 入金手数料:銀行振込無料(振込手数料は利用者負担)
- 出金手数料:407円
- 送金手数料(BTC):0.0005 BTC
取扱銘柄:35銘柄 最小購入額:500円
積立サービス:月1万円から(対応銘柄は拡充傾向)
特別サービス:Coincheck NFT、IEO実施経験
向いているユーザー:暗号資産初心者、NFTに興味がある方
bitbank(ビットバンク)
特徴
- 全暗号資産取引量 国内No.1の実績(媒体報道)
- 高度な取引ツールとチャート機能
- Maker手数料マイナス(報酬システム)
主要手数料
- 売買手数料:Maker -0.02%/Taker 0.12%
- 入金手数料:無料(クイック入金等は条件あり)
- 出金手数料:550円/770円(3万円以上)
- 送金手数料(BTC):0.0006 BTC
取扱銘柄:国内最多クラス(40銘柄以上) 最小購入額:0.0001 BTC
積立サービス:定期購入あり(最小100円〜、販売所)
セキュリティ:コールドウォレット、マルチシグ対応
特殊機能:リアルタイム入金、高度な注文機能
向いているユーザー:取引量の多いアクティブトレーダー、上級者
OKJ(オーケージェー)
特徴
- 世界大手OK Groupの日本法人による運営
- 業界トップクラスの狭いスプレッド
- 高利回りFlash Dealsやステーキングサービス
主要手数料
- 売買手数料:販売所無料、取引所 Maker 0.07%/Taker 0.14%(基準) ※取引量で優遇あり
- 入金手数料:無料(振込手数料は利用者負担)
- 出金手数料(日本円):100万円未満 400円/100万〜1,000万円未満 770円/1,000万円以上 1,320円
- 送金手数料:銘柄により異なる(例:IOSTは低コスト)
取扱銘柄:50銘柄(2025年11月時点、MEME上場反映) 最小購入額:500円
積立サービス:対応 スマホアプリ:高機能アプリあり
セキュリティ:コールドウォレット、2段階認証
独自サービス:Flash Deals(高利回りの実績)、マルチチェーン対応
向いているユーザー:スプレッド重視、多様な銘柄に分散投資、レンディング/ステーキングに興味がある方
bitFlyer(ビットフライヤー)
特徴
- ビットコイン取引量9年連続 国内No.1
- 創業以来ハッキング被害ゼロの高度なセキュリティ
- 1円から取引可能な初心者に優しい設計
主要手数料
- 売買手数料:販売所無料(スプレッドあり)、取引所0.01~0.15%(取引量により変動)
- 入金手数料:住信SBIネット銀行 無料、その他銀行 330円(クイック入金)
- 出金手数料:三井住友銀行 220円/440円、その他 550円/770円
- 送金手数料(BTC):0.0004 BTC(XRP・MONA・XLM等は無料)
取扱銘柄:39銘柄(現物) 最小購入額:1円
積立サービス:対応 レバレッジ取引:bitFlyer Lightningで最大2倍(BTC、ETH対応)
セキュリティ:マルチシグ、コールドウォレット、2段階認証
特別サービス:bitFlyer クレカ(利用額の0.5~1.0%をBTC還元)、ビットコインをもらう、IEO実績
向いているユーザー:少額から始めたい初心者、取引量の多いアクティブトレーダー、レバレッジ取引に興味がある方
よくある質問(FAQ)
Q1. 「トム・リー=外れた」と考えるべきですか?
A. 「予想は外れる前提」で付き合うのが正解です。
- 2025年10月の史上最大級清算イベントや、ETFフローの急変など、リー氏自身でも読み切れない外部要因が多く存在しました。
- 重要なのは、どのアナリストの予想も「シナリオのひとつ」に過ぎないという前提に立つことです。
👉 「具体的な価格よりも、前提条件やリスク要因の整理の仕方を参考にする」
という使い方の方が圧倒的に有効です。
Q2. 今からビットコイン投資を始めても遅くないですか?
A. 「短期の天井を当てる」前提なら難しいですが、長期目線なら“まだ途中”という見方が主流です。
- 2025年10月に史上最高値12.6万ドルを付けた後も、
多くの専門家が2030年までの長期ターゲットとして60万〜120万ドルといった水準を挙げています。 - ARKのキャシー・ウッド氏も、強気シナリオを150万ドル→120万ドルへ下方修正しつつ、依然として「今は途中」とのスタンスです。
ただし、
- 一括で大金を投じるのではなく、
- DCAで少額から長期積立するのが現実的です。
Q3. 年末までに10万ドルを超える可能性は本当に「高い」ですか?
A. 「統計的には十分あり得る」が、「確実」ではありません。
- 現在すでに9.5万〜10万ドル付近で推移しており、年末までの残り1ヶ月で10〜20%上昇する余地は、過去のボラティリティから見ても十分あります。
- リー氏が強調するように、「年に10日程度で大部分の上昇が起こる」ため、
突然のニュースやETFフロー次第で一気に10万ドル超え〜12万ドル台まで戻すシナリオも否定はできません。
しかし、
- 10月の大暴落・11月のETF資金流出を考えると、
「25万ドル」レベルはほぼ不可能、「10万〜12万ドルなら十分射程内」というバランス感覚が必要です。
Q4. 日本でビットコインを買うときの税金はどうなりますか?
A. 現時点(2025年11月)では、ビットコインの売却益は「雑所得」として総合課税。最大45%+住民税10%で実質55%になる可能性があります。
現行ルール(個人)※2025年11月時点:
- 課税区分:雑所得
- 課税タイミング:
- ビットコインを売却して円に戻したとき
- 別の暗号資産に交換したとき
- ビットコインで商品・サービスを購入したとき
- 税率:総合課税(5〜45%)+住民税10%
※現行法の概要であり、個別の税務判断は税理士等に確認してください。
今後の見通し:
- 金融庁・業界団体は、暗号資産を金商法の枠組みに移管しつつ、最大税率を55%→株式と同じ20%申告分離課税へ引き下げるよう要望中。
- ただし、当面は国内交換業者が取り扱う105銘柄に限定される方向で議論が進んでおり、法改正は2026年通常国会→2027年前後の施行が想定されています。
Q5. ドルコスト平均法(DCA)は本当に有効ですか?
A. 完璧な手法ではありませんが、「タイミングを読む必要がない」という点で個人投資家に最適に近い戦略です。
クラーケンの調査によると、
- 暗号資産投資家の83%がDCAを使った経験あり
- 59%が「主要戦略」としてDCAを採用していることが分かっています。
理由として多く挙げられたのは、
- ボラティリティに対するヘッジになる
- 一貫した投資習慣が身につく
- 感情を排除できる
といった点で、ビットコインのような価格変動の大きい資産との相性は極めて良いと言えます。
まとめ:予想に翻弄されず、「仕組み化された長期戦略」を持つ
トム・リー氏の「年末25万ドル予想」が10万ドル超+ATH“maybe”水準へと大きく軟化したことは、「どれだけ著名なアナリストでも予想は外れる」という当たり前の事実を、改めて投資家に突きつけました。
その一方で、
- 2025年10月に史上最高値12.6万ドルを付け、
- 規制面では金商法移行・税率引き下げ議論が前進し、
- 2030年に向けた数十万〜100万ドル級の長期予想も健在
という事実から、ビットコインが依然として**「高リスクだが、長期ポテンシャルの大きい資産」**であることも変わっていません。
成功する投資家になるための3つの心得
- 感情ではなく“ルール”で動く
- DCA(積立)額・購入日・売却条件を事前に決めておく
- SNSやニュースで感情が揺れても、ルール優先で行動
- 情報は「複数ソース」でクロスチェック
- 特定のアナリストの予想を鵜呑みにせず、
- 公式情報+複数メディア+オンチェーンデータなどを組み合わせて判断
- リスク管理を最優先にする
- 余裕資金のみを投資に回す
- レバレッジは極力抑える(もしくは使わない)
- 分散投資と定期的なポートフォリオ見直しを徹底
参考資料・出典
主なニュース・レポート
- トム・リー予想軟化関連
- CoinPost「トム・リー氏、ビットコイン年末25万ドル予想を軟化 史上最高値更新は『可能性ある』」
- CoinMarketCap Academy「Bitcoin Target Softened as Tom Lee Revises Year-End Price Forecast」
- TradingView/Cointelegraph「Tom Lee cools on $250K Bitcoin call, year-end ATH now just a ‘maybe’」
- 価格・市場環境
- Wikipedia「Value-form」ビットコイン12.4万ドル台からの急落と190億ドル清算イベント
- Economic Times「Bitcoin price crashes to $93,000 from October’s peak of $125,000」
- Coinpost「ビットコイン、売りは飽和領域に近づくか K33が長期的な買い場と分析」
- みんかぶ「2025年11月27日暗号資産の相場概況」
- 他アナリスト・長期予想
- CoinPost「アークのキャシー・ウッドCEO、2030年のビットコイン価格予測を修正」
- CoinPost「アーサー・ヘイズ、ビットコイン大幅下落の可能性を指摘」ほかヘイズ氏関連記事
- Investopedia「Bitcoin Is Recovering After a Selloff. Here Come the Bullish Price Forecasts.」
- ドルコスト平均法・投資行動
- Coindesk Japan「暗号資産投資家の大多数、ドルコスト平均法で購入:クラーケン調査」
- Kraken調査まとめ記事(Crypto.3ae.jp)
- 日本の規制・税制動向
- CoinPost「暗号資産105銘柄の『金融商品』扱いを検討 金商法適用へ」
- CoinDesk Japan「【第5回更新】暗号資産規制、金商法化へ──金融審議会WG」
- Yahoo!ニュース「ビットコインなど105銘柄に金商法適用へ、金融庁が方針固める
更新日:2025年11月28日
情報基準日:主に2025年11月27日時点の各種公式発表・価格データに基づく
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産や金融商品の売買を推奨するものではありません。暗号資産投資には元本割れを含むリスクがあります。最終的な投資判断は、必ずご自身の責任と判断で行ってください。税務・法務に関する最終判断は、税理士・弁護士等の専門家へご相談ください。
