目次
- 1 脱ドル化は仮想通貨に追い風か?中国主導CBDC「mBridge」急拡大の裏側
- 1.1 この記事の結論
- 1.2 3つの重要ポイント
- 1.3 mBridgeとは何か
- 1.4 なぜ取引規模が急拡大しているのか
- 1.5 「550億ドル規模」が意味するもの
- 1.6 SWIFTや既存決済との違い
- 1.7 地政学・金融秩序への影響
- 1.8 仮想通貨への影響(BTC・ステーブルコインはどうなる?)
- 1.9 仮想通貨・ステーブルコインとの違い
- 1.10 よくある質問(FAQ)
- 1.11 日本の主要仮想通貨取引所
- 1.12 BitTrade(ビットトレード)
- 1.13 SBI VCトレード
- 1.14 Coincheck(コインチェック)
- 1.15 bitbank(ビットバンク)
- 1.16 OKJ(オーケージェー)
- 1.17 bitFlyer(ビットフライヤー)
- 1.18 6社比較まとめ表
- 1.19 あなたに最適な取引所は?
- 1.20 出典・参考文献(確認日:2026-01-19)
脱ドル化は仮想通貨に追い風か?中国主導CBDC「mBridge」急拡大の裏側
この記事の結論
中国が主導する中央銀行デジタル通貨(CBDC)の国際決済プロジェクトmBridgeは、参加国と実証取引を急速に拡大し、累計取引規模が約550億ドル(約55.5B)に達したと報じられました。
これは投機的な暗号資産とは異なり、米ドルやSWIFTに依存しない決済ルートを現実的な選択肢として提示する動きであり、国家間決済インフラの再設計が「実験」から「現実」へ移り始めたことを示しています。
一方でこの動きは、ビットコインを国家決済の代替にするものではないものの、ドル中心の金融秩序が揺らぐ局面では、非国家型資産であるBTCが“制度の外側の選択肢”として意識されやすくなるという、暗号資産市場にとって無視できない前提条件を形づくっています。
3つの重要ポイント
1.mBridgeは中国主導で進む「CBDCの国際決済インフラ」
mBridgeは、中国を中心に複数の中央銀行が関与するCBDC(中央銀行デジタル通貨)による国際決済基盤であり、既存の民間暗号資産とは異なる国家主導型の取り組みである。
2.実証段階を超え、取引規模は約550億ドル規模へ拡大
mBridgeでは実証・準運用レベルの取引が積み重なり、累計取引額は約550億ドル、取引件数は4,000件超に達したとされている。単なる概念実験ではなく、実際に使われる決済ネットワークとしての実績が形成されつつある点が注目される。
3.SWIFT代替ではなく「即時・低コスト決済」が主目的
mBridgeの狙いは、SWIFTを直接置き換えることではなく、即時性・低コスト・多国間同時決済を可能にする新たな選択肢を提供する点にある。ただし、地政学的緊張や金融制裁の文脈と結び付けて語られることも多く、国際金融秩序への中長期的な影響が注視されている。
mBridgeとは何か
中国主導の「多国間CBDC決済インフラ」
mBridgeは、中国人民銀行(PBoC)を中心に、香港金融管理局・タイ中央銀行・UAE中央銀行・サウジアラビア中央銀行が参加し、2021年から2024年6月まで国際決済銀行(BIS)イノベーションハブが関与して進められたCBDCを使った国際決済プロジェクトです。
目的は単純なデジタル通貨発行ではなく、国境を越える支払い・貿易決済を、仲介を減らして即時に処理することにあります。
【時系列】
- 2021年にBISイノベーションハブ、タイ中央銀行、UAE中央銀行、中国人民銀行デジタル通貨研究所、香港金融管理局による広範な協力の結果として開始 。
- 2024年にサウジアラビア中央銀行が正式参加者として加わる
BISの役割と現状
BISは2024年後半にプロジェクトから撤退しました。
- もともとは中央銀行の傘下組織である国際決済銀行によって監督されていたが、スイスに本部を置く同機関は2024年後半に予期せずプロジェクトを離脱
- 現在は参加中央銀行が直接管理する体制に移行しているとされる
なぜ取引規模が急拡大しているのか
「実証」から「実務利用」に近づいたため
mBridgeが注目される理由は、概念実験にとどまらず、実際の貿易・商取引で使われ始めている点です。
MVP段階への到達
2024年6月、mBridgeは最小実行可能製品(MVP)段階に到達しました。
- プロジェクトmBridgeは開発を続け、最小実行可能製品(MVP)段階に到達し、国際的な展開を拡大
具体的な進展
拡大の背景には以下があります。
- 複数国が同時参加する多国間設計
- 為替・決済を同時に完結させるリアルタイムP2P決済構造
- 銀行間仲介を減らすことで、時間とコストを大幅に削減
実績データ
- 中国、香港、タイ、UAE、サウジアラビアの中央銀行でテストされているプロトタイプ「mBridge」プラットフォームが、4,000件以上のクロスボーダー取引を処理
- これらの支払いの累計約550億ドル(約55.5B)の価値は、2022年のプロジェクト初期以来、約2,500倍の増加を表す
実用事例
2024年11月、UAE政府による初の実取引
- UAE財務省とドバイ財務局が、mBridgeプラットフォーム上でホールセールデジタルディルハムを使用した初の政府金融取引を実行
- 取引は運用準備と政府支払いシステム間の直接統合をテストし、仲介なしで資金を清算
「550億ドル規模」が意味するもの
実験レベルを超えた「制度的インパクト」
550億ドルという数字自体が重要なのではなく、「国家間の公的決済で、それだけの取引が実行された」事実が持つ意味が大きいと言えます。
デジタル人民元の圧倒的シェア
- デジタル人民元(e-CNY)が現在、mBridge総決済量の約95%を占めると推定される
国内デジタル人民元の急成長
- 中国人民銀行の公表数値として、e-CNYは34億件超の取引を処理し、約16.7兆元(約2.4兆ドル)相当、2023年から800%以上増加したと報じられている
これは、
- DeFiや暗号資産のTVLとは性質が異なる
- 民間ではなく中央銀行主導
- 実需(貿易・送金)が前提
という点で、金融インフラの話です。
SWIFTや既存決済との違い
mBridgeは「代替」ではなく「別ルート」
mBridgeはしばしばSWIFTの代替として語られますが、正確には補完・並行ルートと捉えるのが現実的です。
| 項目 | 既存国際決済(SWIFT) | mBridge |
|---|---|---|
| 処理時間 | 数時間〜数日 | ほぼ即時(リアルタイム) |
| 仲介 | 複数銀行(コルレス銀行) | 最小化(P2P決済) |
| 通貨 | 法定通貨 | CBDC |
| 管轄 | 米欧中心 | 多国間 |
| 技術基盤 | メッセージングシステム | 分散型台帳(DLT/ブロックチェーン) |
技術的特徴
- mBridge Ledgerと呼ばれる新しいブロックチェーン上に構築されたプラットフォームで、リアルタイム、ピアツーピア、クロスボーダー決済および外国為替取引をサポート
- Ethereum Virtual Machineと互換性があり、アドオン技術ソリューション、新しいユースケース、他のプラットフォームとの相互運用性のテストベッドとして機能
特に、地政学リスクを意識する国にとって選択肢が増える点が重要です。
地政学・金融秩序への影響
「脱ドル化」より「選択肢の多様化」
mBridgeはしばしば「脱ドル」「制裁回避」と結び付けられますが、実態はすぐに既存秩序を覆すものではありません。
専門家の見解
- 「デジタルインフラを通じた人民元の国際化の段階的な拡大を示す。ドルを完全に置き換えるのではなく、並行した決済レールを構築している」(Atlantic Councilの見解としてReutersが引用)
- 「mBridgeがドル優位に直接挑戦することはunlikelyだが、段階的にそれを侵食する可能性がある」(同上)
ただし、
- 米ドル・SWIFT依存を下げたい国
- 地域内貿易を強化したい国
- エネルギー・商品取引での人民元決済を望む国
にとって、実務的な代替ルートが示された意義は小さくありません。
将来の方向性
- mBridgeは貿易決済、特にエネルギーおよび商品関連取引に焦点を当てる可能性が高い
仮想通貨への影響(BTC・ステーブルコインはどうなる?)
短期の価格材料というより「決済レールの多極化」という構造変化
mBridgeの拡大は、ビットコイン(BTC)やアルトの価格を直接押し上げるニュースというより、国際決済が“ドル一択”ではなくなる可能性を示す「構造変化」です。暗号資産市場に対しては、主に次の3つの経路で影響が出やすくなります。
1)ステーブルコインの“役割の一部”が置き換わる可能性
国境を越える送金や貿易決済で、これまでUSDT/USDCなどのステーブルコインが“実務の近道”として使われてきた場面があります。
mBridgeが特定の参加国・特定の取引(貿易・商品取引)で実運用に近づけば、一部の決済用途はCBDCレールへ移る可能性があります(=ステーブルコインが担ってきた「決済」部分が一部代替されうる)。
2)「規制下で動くデジタルマネー」が主流化し、民間暗号資産は“投機/資産”の色が濃くなる
CBDCは中央銀行の規制と監督のもとで動く設計です。
そのため、mBridgeが広がるほど、暗号資産は「決済」よりも投資・ヘッジ・リスク資産として語られやすくなります。
つまり、BTCが“支払い手段”として採用されるというより、マクロ不確実性の中での資産選好として影響が出る構図です。
3)地政学リスクが高まるほど、BTCの“非国家”ナラティブが強まる一方、規制論も強まりやすい
Reutersが示す通り、mBridgeは「ドル依存の決済網に対する代替レール」の文脈で注目されています。
この文脈が強まる局面では、BTCも「どの国にも属さない資産」というナラティブで再評価される一方、同時に資本規制・制裁回避・AMLの議論が強まり、市場のボラティリティ要因になり得ます。
仮想通貨・ステーブルコインとの違い
mBridgeは「暗号資産市場」とは別次元
mBridgeで使われるCBDCは、
- 中央銀行が発行
- 法定通貨と1対1
- 価格変動を前提としない
- 主権国家の規制下にある
という点で、暗号資産やステーブルコインとは性質が異なります。
投機対象ではなく、決済インフラです。
オブザーバー国の広がり
2024年時点で26以上のオブザーバー参加国:
アジアインフラ投資銀行、フィリピン中央銀行、インドネシア銀行、フランス銀行、イスラエル銀行、イタリア銀行、韓国銀行、モーリシャス銀行、ナミビア銀行、バーレーン中央銀行、ブラジル中央銀行、チリ中央銀行、エジプト中央銀行、ヨルダン中央銀行、ルクセンブルク中央銀行、マレーシア中央銀行、ネパール中央銀行、ノルウェー中央銀行、トルコ共和国中央銀行、欧州中央銀行、国際通貨基金、ハンガリー国立銀行、マカオ通貨庁、カンボジア国立銀行、ジョージア国立銀行、カザフスタン国立銀行、ニューヨークイノベーションセンター(連邦準備銀行ニューヨーク)、オーストラリア準備銀行、インド準備銀行、南アフリカ準備銀行、世界銀行
よくある質問(FAQ)
Q1. mBridgeは一般の個人も使えますか?
現時点では使えません。
mBridgeは中央銀行・商業銀行・企業間取引を想定したホールセール(卸売)仕組みです。個人向けのリテール機能は別途、各国が国内で展開しています。
Q2. 中国のデジタル人民元とは同じですか?
別物ですが、連動しています。
- デジタル人民元(e-CNY):国内向けのリテールCBDC
- mBridge:国際決済向けのホールセールCBDCプラットフォーム
- ただし、mBridge取引の大半(約95%)がe-CNYと推定されている(Reuters)
Q3. すぐに世界標準になりますか?
短期的にはなりません。
ただし、特定地域・国同士(アジア・中東のエネルギー取引など)では実用が進む可能性があります。BISが2024年後半に撤退したことで、地政学的な性格がより鮮明になったと指摘されています(Reuters)。
Q4. 脱ドル化が進むと、ビットコイン(BTC)は上がりますか?
「必ず上がる」とは言えません。
mBridgeの拡大は、BTCの需給を直接押し上げるというより、国際決済が多極化していく中で、BTCが「非国家的な資産」として再評価される局面が生まれ得る、という位置づけです。
一方で、地政学リスクの高まりは規制強化やリスクオフも呼び込みやすく、価格は上下どちらにも振れ得ます。
日本の主要仮想通貨取引所
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| 売買手数料 | Maker:-0.02%(報酬) / Taker:0.12% |
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手数料・基本情報
| 項目 | 詳細 |
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| 入金手数料 | 無料 |
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手数料・基本情報
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※情報は2026年1月時点のものです。最新の手数料・サービス内容は各公式サイトでご確認ください。 ※暗号資産は価格変動リスクがあります。投資は余裕資金で、ご自身の判断で行ってください。
出典・参考文献(確認日:2026-01-19)
- Reuters - China-led cross-border digital currency platform sees surge (2026年1月16日)
- BIS - Project mBridge reached minimum viable product stage
- BIS Press Release - Project mBridge reaches MVP stage (2024年6月5日)
- Atlantic Council - What to watch as China prepares its digital yuan for prime time
- Wikipedia - mBridge
- Atlantic Council - Central Bank Digital Currency Tracker