米証券取引所(SEC)と係争中のリップル(Ripple)社法務チームはこのほど、SECとの和解に向けて協議する計画はないと語ったと伝えられています。
勝者と敗者を決めることはイノベーションの損失に
フォックス・ビジネス(Fox Business)の記者でブロガーのチャールズ・ガスパリーノ(Charles Gasparino)氏は9月17日、リップル法務チームの話として、SECとの対決を次のように聞かされたとツイートしました。
「リップルの法務チームは、XRPに関する訴訟についてSECと和解する計画はない。この訴訟を追及するに当たってSECのゲーリー・ゲンスラー委員長は、仮想通貨ビジネスで勝者か敗者かいずれかを決めることは、イノベーションの損失となることを間違いなく示すことができると、法務チームは確信している」
XRPを証券とみなしてきたSECは昨年12月、未登録のXRPを不当に販売したとの理由でジェイ・クレイトン(前委員長)名で、リップル社を提訴しました。
支持者はゲンスラー氏の訴訟取り下げを望む
今年1月になって、同社CEOのブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)氏は「SECとなぜ和解交渉しないのか」と聞かれて、「われわれは新政権と話し合いを続け、XRPコミュニティーがイノベーションを追求し、消費者が守られ、秩序ある市場が維持される形でこの問題の解決を図りたい」と語っていました。
リップルとXRPの支持者たちは、マサチューセッツ工科大学(MIT)で仮想通貨の講義をしていた経験のあるゲンスラー委員長が、訴訟を取り下げることを望んでいます。彼らはジェイ・クレイトン前委員長と現職のゲンスラー氏との間には利害の相違があると考えています。
ゲンスラー氏は9月14日の上院銀行委員会での公聴会で証言して、ビットコイン支持者議員によるイノベーションとは何かとの質問に即答して、「イノベーションとは、アクセスと経済活動を支え、人生により良い多くの機会を与えてくれることを意味する」と述べています。
仮想通貨は証券であるとのSECの見解は変わらず、裁判の行方は依然不明
ゲンスラー氏は仮想通貨の規制問題に対するSECのアプローチについて、SECは6,000件もあるデジタルプロジェクトを評価して、いずれが米証券法の証券に該当するかを判断するため、規制上の枠組み作りに時間を費やして取り組んでいると言明しています。
同氏はしかし、仮想通貨に関する規則は自明であるとの見解に固執して、CNBCとのインタビューで「私が思うに法律は明らかである。最高裁が何度もこの問題で見解を示してきた判例法によると、これらトークンは証券法の管理下にある」と明言しています。
同氏は公聴会でまた、ビットコイン(BTC)発明者のサトシ・ナカモトのイノベーションは本物だとして、「彼のイノベーションは、仮想資産と基本となるブロックチェーン技術の発展を促した。イノベーションは金融とマネーの分野における変化への触媒であり続ける」と肯定的な発言をしています。
参考
・SEC Chair Gensler: 'We Don’t Have Enough Investor Protection in Crypto Finance, Issuance, Trading, or Lending'
・Ripple Has No Plans to Settle With SEC Over XRP, Confident Gensler Will Drop the Lawsuit