仮想通貨の冬を乗り切るため、資金調達に奮闘するDeFiプロジェクト

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いくつかのDeFi(分散型金融)プロジェクトは、「暗号資産(仮想通貨)の冬」を乗り切るため、彼らを支持するDAO(分散型自律組織)からの資金調達に奮闘しています。

レンディング・プラットフォーム「アーベ」の資金調達

アーベ(Aave)社は、業界最大級のDeFiレンディング・プロジェクトですが、すでに開発から公開したAaveプロトコル・バージョン3の成功に対して、過去にさかのぼっての報酬を求めています。同社のガバナンス委員会によると、開発者は過去1年間に請け負った仕事に対して1,500万ドル(約21億5,500万円)、同じく審査業務に対して128万ドル(約1億8,400万円)、合計1,628万ドル(約23億3,900万円)を求めているそうです。

委員会での投票は9月8日に公式に締め切られますが、すでに承認に必要な議決数は確保できています。このようにDAOに資金調達を求める提案は、開発チームにとっては初めてのことです。ただし、対応を迫られるDAOの流動資産は、4月には8億ドル(約1,149億2,000万円)を超えていたものの、現在では3億7,800万ドル(約543億円)にまで縮小しています。

提案の中では、Aaveプロトコルが現状に到達するまでに、開発に関わるコストがかなりの額に上っていることが言及されています。さらにAaveバージョン3のように、革新的でセキュリティ機能が高く、実証テスト済みのプロトコルを構築するためには、さまざまなスキルを備えた経験豊かな開発者が必要で、彼らに対する正当な報酬が必要であることなどが示されています。

リドDAOが提案する資金調達

同じく業界最大手のDeFiプラットフォームであり、有数の預かり資産高を誇るリドDAO(Lido DAO)も、最近になって資金調達に関する提案を承認しました。

Lido DAOはコミュニティーに対する数度の提案が拒否されたのち、そのネイティブ・トークンをベンチャー・キャピタルのドラゴンフライ・キャピタル(Dragonfly Capital)に売却して、約1,400万ドル(約20億円)の資金を調達することで合意しました。これは2年分の支出に相当する金額です。

リド・ファイナンスのビジネス開発部門責任者であるジェイコブ・ブリッシュ(Jacob Blish)氏は、経営判断が遅かったことを率直に認め、プロジェクトのつまづきに関しては、強気市場の間お金以外のすべてのことに注力してきたものの、昨今の危機的状況は予測できなかったと述べています。
Lido DAOの流動資産も、以前のおよそ8億ドル(約1,149億2,000万円)から、3億4,400万ドル(約494億円1,600万円)にまで縮小しました。

ハッカーによる攻撃にも悩まされるDeFi

一方で市場の低迷で打撃を受けるDeFiは、ハッカーによる脅威にもさらされています。ニュー・フリーDAO(New Free DAO)は、9月8日朝、フラッシュ・ローン攻撃で125万ドル(約1億8,000万円)以上の損失を被りました。

ブロックチェーン分析企業のペックシールド(PeckShield)によると、この攻撃後にNew Free DAOのトークンは99%以上も値下がりしたそうです。

ハッカーはバイナンスコイン(BNB)にして125万ドルを持ち出し、それをバイナンスUSD(BUSD)にスワップしました。フラッシュ・ローン攻撃は、比較的実行しやすいためDeFiにおいて多用される手口です。

参考
DeFi Projects Request Retroactive Funding Amid Downturn

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