【墨汁速報】ヴィタリック、イーサリアム効率化100倍が可能な新世代EVM移行を提案

イーサリアム発明者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏はイーサリアムの開発者フォーラム「イーサリアム・マジシャンズ(Ethereum Magicians)」で現状のスケーリングのボトルネックとなっているEVM(イーサリアム・バーチャルマシン)を100倍効率化させるリスクファイブ(RISC-V)に基づく新世代EVMへの移行を提案した。

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イーサリアムのスケーリングを100倍向上

イーサリアムの発明者として知られるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏はイーサリアムの開発者が今後の開発におけるアイデアや実装を議論する場であるイーサリアム・マジシャンズ(Ethereum Magicians)において、分散金融(DeFi)やNFT、ブロックチェーンゲームなどのコントラクト実行を実際に行う「ETH1エンジン」と呼ばれる実行レイヤーのEVM(イーサリアム・バーチャルマシン)の変更提案を新たに投稿した。

この提案ではリスクファイブ(RISC-V)とは元はカリフォルニア大学バークレー校で開発されてオープンソースで公開されている「CPU向けの命令セットアーキテクチャ(ISA)」だ。RISC-Vに基づく新世代EVMに移行することで実行レイヤーは複雑化が問題となるイーサリアムにおいてより簡素化することができ、さらにボトルネックを改善してスケーリング(速度の向上や持続)することが可能となる。

 

 

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最も重要なイーサリアムの後方互換

この提案で重要となるのは現在のEVMとコントラクトとの後方互換であり、SSTOREやCALLなどといったオペコードはリスクファイブのシステムコールとなる。

コントラクト言語はRustになるものの、独自開発されたイーサリアムコントラクト言語であるソリディティ(Solidity)やバイパー(Vyper)を大半のデベロッパーが望むと考えられる。これはコントラクトをRustで書いた場合、そのコードが人間には読みづらくソリディティやバイパーの方が読みやすいことも理由としている。

また既存のコントラクトへ影響を与えないためにも現状のEVMとの相互運用性を持つ実装となるということだ。またすでにジーケーシンク(zkSync=$ZK)やリネア(Linea=$LINEA)などのいわゆるzkEVMはEVMからリスクファイブにコンパイルしていることから、「リスクファイブに基づくzkEVMがEVMのボトルネックを解決する」とブテリン氏は述べている。

つまり一度EVMを挟むのではなくダイレクトにすることで簡素化、スケーリングが可能となるわけだ。ブロックの生成などを行うコンセンサスレイヤーと呼ばれる「ビーコンチェーン」ではゼロ知識証明をベースにしたSTRKによる「ビームチェーン」が開発ロードマップとなっており、実行レイヤーではリスクファイブベースのzkEVMという非常に強力開発ロードマップとなると言えるだろう。

 

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