【墨汁速報】FTX破綻直後のハッキングで盗まれた仮想通貨の一部を司法省が凍結に成功

11月に破綻した元世界最大手の仮想通貨取引所FTXは、米国破産法適応となるチャプターイレブンの申請をした同日に約500億円の仮想通貨のハッキング被害を受けた。リーク報道によるとFTXから盗まれた仮想通貨のうち一部を米司法省が凍結することができたという。

関連記事:【墨汁速報】懲役100年越えか?仮想通貨取引所FTX破綻を招いたアラメダリサーチ前CEOをSECが起訴

破綻したFTXハッカーの盗まれた仮想通貨を一部確保

FTXハッキング事件の捜査に詳しいとされるリーク人物によると、米国司法省は破産した直後にFTXから盗まれたビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨の一部を凍結することに成功したという。

ハッキング被害額は3.7億ドル、現在のレートで約500億円となっておりイーサリアム上のビットコインの1つであるrenBTCを介してマネーロンダリングされ、ビットコインへと変換されていた。これらのことから米司法省はハッカーを特定したというより、ロンダリング先のビットコインを差し押さえたと考えられるだろう。

またリークした人物によると米司法省は逮捕されたFTX前CEOのアフロことサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried=SBF)の件とは別件としてこのハッキングを犯罪捜査として開始したという。通常過去の例では2014年にハッキングが理由で破産したマウントゴックスのハッキング捜査はFBIが行っており、米司法省が行うのは異例であると言えるだろう。

関連記事:【墨汁速報】FTX前CEO「投資家搾取」でSECから別件起訴 仮想通貨顧客資産の使い込みの疑い

FTXの再建は長期化か?

FTXグループは130社を超える巨大グループとなっており、出金停止をしている日本法人のFTXジャパンは現状では破産財団に属さないと見られている。一方でFTXグループは連鎖倒産の影響を受けた仮想通貨レンディング企業のブロックファイ(BlockFi)と担保として約束されたロビンフッド株(HOOD)の所有権を巡って訴訟をしており、これらのハッキングを含めて再建は複雑化していることから長期化すると見られる。

FTXはブロックファイの申立に対して反論しており、ロビンフッド株の購入はFTXグループのアラメダリサーチからの借入した資金から行っているため凍結するべきであると主張している。

これらの整理を進めるには数年単位の時間を有すると見られ、仮想通貨市場に資金が戻ってくる足かせとなると言えるだろう。

▼墨汁サロンでは投資家向けに知られていないDeFiやNFTのセキュリティ対策、イーサリアム2.0の仕組みや技術、マージ対応の32ETHステーキングのやり方の解説や検証、テクニカル分析理論、ファンダメンタルなどをより深く解説しています。

墨汁バナー

墨汁うまいと学ぶ仮想通貨の世界

おすすめの記事
【墨汁速報】NY規制当局「ETHは証券」として米仮想通貨取引所クーコイン(KuCoin)を訴える
仮想通貨ニュース
【墨汁速報】NY規制当局「ETHは証券」として米仮想通貨取引所クーコイン(KuCoin)を訴える
ニューヨーク規制当局は仮想通貨取引所のクーコイン(KuCoin)を「未登録の証券」を販売したとして訴えた。クーコインに対する訴状によると仮想通貨(暗号資産)であるイーサリアムのETH、2022年に一夜にして無価値になったテラ(Terra)ネットワークのLUNAとUSTが証券であるという。