定量的マーケティング分析を扱うイントゥ・ザ・クリプトバース(Into The Cryptoverse)の創業者でアナリストでもあるベンジャミン・コーウェン(Benjamin Cowen)氏は、2024年に予定されているビットコイン(BTC)の半減期を前に、2023年9月は下落傾向が続くと見ています。
さらにビットコインのパフォーマンスと、これまでの軌跡とを比較すると、この先に悪夢が待ち構えているとも予測しています。
半減期前の9月は危険な月
2022年11月にFTXやブロックファイ(BlockFi)が破綻した時点から、ビットコインはおよそ60%値上がりして、2023年7月には約452万円のピークを迎えましたが、その後下落して直近数週間は下げ圧力が続き、現在は約386万円前後で取り引きされています。
7月の良好なパフォーマンスは8月の不振で帳消しになり、8月17日の損失が全面的な恐怖心理につながって、それが7月のピークから約20%の価格下落を引き起こしました。
コーウェン氏の分析によれば、8月にビットコインは11.31%下落しましたが、これは前回2回の半減期(2016年、2020年)前年8月の平均である11.71%の下落より、わずかですが低い数値です。しかし今回の9月に関して、彼の予測はかなり悲観的です。
過去から現在まで月ごとのデータを比較して、コーウェン氏は半減期前年9月はいずれも価格が下落傾向にあることを指摘しています。その平均値は17.29%のマイナスであり、今回も同様の条件と傾向になるとすると、月末までには21,400ドル(約314万8,000円)にまで下がり得ると彼は予測します。
一方で楽観的な見方をすれば、前回2回の半減期の前年の9月で計算した場合、平均値は5.66%のマイナスにまで縮小します。依然弱気ではあるものの、このケースなら今月末のビットコイン価格は24,400ドル(約358万9,000円)で踏みとどまる可能性があります。過去のパフォーマンス通りになると、この先数週間は現在よりやや低めの価格で推移するかもしれません。
強気と弱気の予測は依然として不透明
ビットコイン支持者は、中長期的には強気の予測を立てています。8月17日の急落では、2023年下半期の最低価格約370万円を記録しましたが、8月後半から9月はじめに若干値を戻したことで、強気への期待感が続いているかもしれません。ただし価格の動きを見ると、まだ危険水域を脱したとは言えないでしょう。
日足チャートからは、まだビットコイン価格が8月17日に下落したローソク足の範囲内にあり、主なアンカー線が価格動向を定義しています。さらに相対的に価格は高めで取引総額は低めです。
弱気からの回復を求めて、ビットコイン支持者は米証券取引委員会(SEC)が、現物ETFを承認することを望んでいます。このデリバティブ商品により、金融機関はエクスポージャーを得て資本を還流し、ビットコインの潜在的需要を喚起できるかもしれません。
参考
・Bitcoin Drop Before Halving Expected, Will It Get Worse In September?
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