上昇トレンドを見せていたビットコイン(BTC)が一転、4月19日のチャートには弱気傾向が重くのしかかり、4月20日時点では28,100ドル(約376万2,600円)レベルにまで下落しました。
再び下落に向かう仮想通貨市場
19日の損失は大きく、週はじめの利益を完全に覆しました。チャートも相当量の取り引きを示しており、投資家が売りに傾いていることが推測できます。現在ビットコインは2023年上期の最高レベルである、31,000ドル(約415万円)のレジスタンス・ラインの下で取り引きされていますが、このラインは依然として、チャート分析上極めて重要なポイントです。
20日の下落でビットコイン価格は20日間移動平均線(MA)、つまりボリンジャーバンド(BB)中央を割り込みました。これはシリコンバレー銀行破綻による金融危機に見舞われた、3月13日以降で初めてのことです。この時にはビットコインが顕著な値上がり傾向を見せ、3月半ばから4月初めにかけて55%上昇し、31,000ドルにまで到達しました。
ハッシュレートとマイニング難易度は記録的レベルに
ビットコイン価格は2022年12月から90%の伸びを見せ、現在は下落傾向にありますが、ハッシュレートとマイニング難易度はずっと上昇傾向のままです。
ハッシュレートは、マイナーがビットコイン・ネットワークの安全性を確保し、すべてのトランザクションに正当性があることを実証するための、コンピュータ能力の基準を示します。
マイナーはネットワークに対して、特殊な機器を使ってコンピュータ能力を提供します。これはビットコインがPoWブロックチェーンであり、分散化と安全性の保障をマイナーのコミュニティーに依存しているためです。マイニング難易度は、ハッシュレートとプロトコル・レベルによって決まります。この数値により、マイナーがトランザクションを認証し、約10分に1つのペースでブロックを生成するための難易度が決まるわけです。
直近のハッシュレートは、355EH/s以上という記録的な高レベルにあります。マイナーは価格変動に動じることなく稼働を続けていますが、2023年の1月1日の253EH/sから現在のレベルまで、ハッシュレートは継続して上昇トレンドにあります。
ハッシュレートと難易度との直接的な相関性により、マイナーが新しいブロックを生成することはより困難になり、競争力を維持するためには、最新の機器へのアップグレードも必要になるでしょう。
過去5回のセッションを経て、ビットコイン・ネットワークは4月20日に、難易度を48.71Tにまで上げました。2023年に入ってからだけでも、難易度は41%も上がっています。マイナーはブロックを生成するために、コンピュータ能力をさらに高めなければなりません。
ハッシュレートは上がり価格は下がる、この状態が続くとマイナーは機器の稼働をストップし、運営コストを少しでも抑えなければならなくなるでしょう。
参考
・Bitcoin Prices Plunging, Will Miners Begin Switching Off Rigs?
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