2020年~2021年にかけての米仮想通貨市場の急激な資金流入となった背景にある重要なインフラの1つ”シルバーゲート銀行(Silvergate)”銀行に破産疑惑が生じている。コインベース(Coinbase)やサークル(Circle)などのステーブルコイン発行企業や仮想通貨取引所が次々にシルバーゲート銀行を介した入出金を廃止を発表後、ビットコインは6%の下落を記録した。
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シルバーゲート銀行に破産懸念
シルバーゲート銀行(Silvergate Bank=SI)は仮想通貨ビジネスなどのフィンテック事業を主とする米国サンディエゴの銀行であり、2020年から2021年にかけてのビットコイン価格高騰前に機関投資家の利用が活発になるなどし、仮想通貨市場を影で支える重要インフラの一つだ。
2022年11月のFTXグループ破綻後にシルバーゲート銀行は巨額の預金引き出しに直面し、これらに対応するために資産を売却するなどの苦しい対応を迫られていたことで知られている。シルバーゲートは米証券取引委員会(SEC)に提出する年次報告を予定通り提出できないと発表後、最大手仮想通貨取引所や企業がシルバーゲート銀行の入出金サービスの停止を次々に発表した。
シルバーゲートの株価(ティッカー:SI)は13.5ドルを推移していたものの、この発表でわずか数時間で53%の下落を記録。現在ではさらに下落して5.72ドルを推移している。
BTC速報:仮想通貨ビジネスを手掛ける最大手のSilvergateはSECに年次報告書を予定通り提出できないと発表。その結果として $SI 株価は53%の下落となり、CoinbaseやGemein、Paxosなど複数が破産懸念からSilvergateを介したドルの入出金停止を発表。#ビットコイン #NFT #仮想通貨 #暗号資産 #DeFi pic.twitter.com/QkEneVuYMl
— 墨汁うまい(Bokujyuumai) (@bokujyuumai) March 2, 2023
仮想通貨取引所も預金引き出しか
シルバーゲート銀行は破産疑惑が浮上してきており、仮想通貨取引所やステーブルコイン発行企業はワイヤー送金によるドルの入出金の停止だけにとどまらず、顧客資産などの預け入れもないと発表。
利用停止や預け入れがないと発表したのは
・コインベース(仮想通貨取引所)
・ジェミニ(仮想通貨取引所+ステーブルコイン発行)
・サークル(ステーブルコイン発行)
・パクソス(ステーブルコイン発行)
・テザー(ステーブルコイン発行)
・ギャラクシーデジタル(ファンド)
・Cboe(証券取引所)
などである。
仮想通貨の重要インフラ
シルバーゲート銀行は24時間365日、機関投資家の巨額送金にも対応するSEN(シルバーゲート・エクスチェンジ・ネットワーク)を介してドルの送金を提供し、さらにビットコインを担保にした”仮想通貨ローン”を開始したことでコインベースやバイナンスUSなどが次々に加入を表明し、2020年から2021年にかけての重要インフラとなった。
FTXグループの破綻は仮想通貨レンディング企業”ブロックファイ(BlockFi)”の連鎖倒産を招き、仮想通貨ブローカレッジのジェネシス・トレーディング(Genesis Trading)も2023年に入って破産。これだけに留まらず、仮想通貨取引所のシルバーゲート銀行の連鎖倒産懸念による「バンクラン(取り付け騒ぎ)」に直面しているということになる。
*現在速報のため追記中。最新の更新は@bokujyuumaiよりお知らせします。
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