【墨汁速報】100%弁済の可能性 ブロックファイがFTXと1302億円の債権請求取引で合意

FTXの破産から連鎖倒産した仮想通貨レンディング企業のブロックファイ(BlockFi)は破産から1年以上にわたって争ってきたFTXとの債権とロビンフッド株の保有権を巡った争いが合意に至ったと7日の破産裁判所での提出資料で公開した。この取引によりブロックファイは約1302億円(8.74億ドル)を正式にFTXに請求することとなり、一部はFTXユーザーよりも優先して支払われることとなる。これによりブロックファイ債権者は債権額の100%の弁済が受けられる可能性が浮上している。

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ブロックファイとFTXが合意に達する

ブロックファイ(BlockFi)は2021年にかけて顧客を大きく増やしたものの、2022年11月に破産したFTXに巨額の資金を貸し付けていたことや、仮想通貨をFTXの仮想通貨取引所内に保有していたことが原因では破産した最大手仮想通貨レンディング企業だ。

ブロックファイが7日に提出した破産裁判資料によると、FTXとの長い論争が合意に至ったという。ブロックファイとFTXは両社ともに優先払い戻し請求や債権請求額、さらには担保債権者としての1028億円(6.9億ドル)の巨額ローンに対する担保としてFTXの資産運用会社から受け取るはずだったロビンフッド株(ティッカー:HOOD)の正式な保有者としての争いに対して2023年末から仲介者を介して交渉を行っていたのだ。

今回の発表では現在米司法省が一時的に押収していたロビンフッド株(ロビンフッド社が既に買い戻し済み)に相当するドルの権利を完全にFTXに譲渡することを対価に、FTXからのブロックファイに対するすべての請求を棄却し、貸付ていた1028億円とFTXアカウント内に保有されていた仮想通貨の273億円、合計で1302億円を債権額としてFTXに対して請求することで合意に至ったということになる。

ブロックファイ債権者は全額返済の可能性

つまりこれらの合意内容はブロックファイにとって圧倒的に有利な内容となっており、ブロックファイの債権者、特に日本ユーザーは債権額の100%が弁済される可能性があるということになる。

既にブロックファイの日本ユーザー、海外ユーザーには初期配布として債権額の44.3%、ローンユーザーは47.5%に相当する仮想通貨の返済が確定している。ブロックファイはビットコインを45,824.58ドル、イーサリアムを2436.8ドルで購入しており、破産時の債権額と返済レートに応じて3月中に引き出しメールが債権者に送付される予定となっている。

既にビットコインは市場最高値を更新、イーサリアムも高騰していることから実際は対象の仮想通貨を保有していた場合には50%以上の返済率ということになる。これらに合わせてブロックファイはFTXから1028億円のうち優先支払いを受ける372億円が年内に債権者に配布されることになるだろう。これらを考慮すると時間はかかかるもののFTXが返済資金を確保すれば全額がブロックファイ債権者に返済されることになるということだ。

コラム:【考察】イーサリアム現物ETFはビットコインの次に承認されるか?

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