ビットコイン(BTC)は供給量が限られていることから、真の「価値の保存」になるという根拠はもはや支持できなくなっていると、世界大手金融機関ゴールドマン・サックス・グループ(Goldman Sachs Group Inc)のリポートが主張しています。リポートは特に、イーサリアム(ETH)が、価値の保存の観点からビットコインを上回っていると主張しています。
DAppsなどのユースケース多いイーサリアム(ETH)
流出したリポート「グローバル・マクロ・リサーチ(Global Macro Research)」に関与した専門家らは、近い将来に主要な価値の保存としてイーサリアムがビットコインを逆転するだろうと見ています。同リポートによると、潜在的な価値の保存としてのイーサリアム・ブロックチェーンの可能性は、数多くの分散型アプリケーション(DApps)などそのユースケースの増加に関係していることを示唆しています。
またDeFi(非集中型金融)という新しい分野はイーサリアム上に構築され、NFT(非代替性トークン)にもネイティブ通貨イーサ(ETH)が使われていることにも言及されています。
“Ether beats bitcoin as a store of value. The Ethereum ecosystem...provides developers a way to create new apps. Most of DeFi apps are being built on Ethereum. The greater number of transactions in ether vs bitcoin reflects this dominance” - Goldman Sachs Global Macro Research pic.twitter.com/vNkQ1HlDYM
— SantΞago R Santos (@santiagoroel) May 22, 2021
需要増こそ価値の増加、イーサリアムはすべ基準を満たす
リポートでは、価値の保存の側面でイーサがビットコインを上回る可能性について次のように表現しています。
「価値の保存を決定するに当たって実際の利用の重要性を考慮するならば、イーサには価値の保存としてBTCを追い抜く大きな可能性がある。イーサリアムのエコシステムは、スマートコントラクトをサポートし、プラットフォーム上での新しいアプリケーションンを生む手段を提供する。大方のDeFiアプリケーションはイーサリアムネットワーク上で構築され、発行されるほぼすべてのNFTはイーサを使って購入される。ビットコインと比較してイーサによるより多くのトランザクションは、その優位性を反映している」
リポートによれば、ビットコインの供給不足がまさに価値の保存となるとの考え方は、もはや支持できなくなっているとしています。結論として、「需要の増加」こそが真の価値の保存となりうると定義されるものであり、イーサリアムはこの観点から基準をすべて満たしていると主張しています。
ネットワーク需要と競争に対応するアップグレードでイーサはBTCに勝る
リポートはさらに、もう1つの側面であるエネルギー効率に優れ、スケーラブルなプルーフ・オブ・ステーク(PoS)モデルへの切り替えにいち早く目を付けたイーサリアムの先行者利益(ファースト・ムーバー・アドバンテージ)に注目しています。
ネットワーク需要とネットワーク競争に応えて、継続的にアップグレードできるかという点から、ゴールドマン・サックスは将来的にイーサリアムがビットコインに勝ると予測しています。