米金融大手モルガン・スタンレーのアナリストは、イーサリアム(ETH)は究極的にビットコイン(BTC)より大きな市場を持つことができるとの分析リポートを公表しました。イーサリアムは他の暗号資産(仮想通貨)と十分区別できることから、ビットコインとは別の投資対象となりうると考えることができると主張しています。
イーサリアムのユースケースはBTCを超えてさらに大きな市場になりうる
米国で著名な投資週刊誌バロンズ(Barron’s)のリポートによると、モルガン・スタンレーのストラテジストであるデニー・ガリンド(Denny Galindo)氏は、BTCではなくETHが、NFT(非代替性トークン)や分散型アプリケーション(DApps)を含めて、単なる決済もしくは価値の保存より多くの経済活動に関連付けられていることを強調しています。ガリンド氏によると、このようなユースケースによって、最終的にETHのマーケットがBTCのそれを上回ることになると考えています。
「ETHはポートフォリオの中に入りうるか?」との質問に関して、ガリンド氏は「ETHはDappsのための大きな市場を作り出すことによって、より多くの潜在的な有用性を持つことになり、BTCより大きな市場になりうる」と答えています。
分散型金融(DeFi)プロジェクト情報サイトのDeFi Llamaによると、ETHは現在のDeFi活動の59%ほどを占め、ETHベースのプロトコルでは1,270億ドルがロックされています。またNFTボリュームの97%(約195億ドル)がETHブロックチェーン上にあります。
S&P500との相関関係ではETHがBTCの2倍
リポートはまた、ETHは伝統的な金融市場とよどみなく統合する可能性があると述べ、ETHと株式市場との相関関係は、BTCのそれの2倍近くもあると次のように指摘しています。
「ETHとBTCは2018年12月以来、互いに0.70の相関関係を持っている。ETHはまた、S&P500とは0.26の相関関係にあり、BTCのそれの0.14とは2倍近く相関している。もしこの相関関係が成立するならば、一部のBTCエクスポージャーをETHに置き換えることによって、ETHのポートフォリオは株式より相関的になる可能性がある」
ちなみに相関関係が1.00に近い数値になれば、ETHとBTCの資産は互いに密接に相関していることになります。
ガリンド氏はさらにまた、仮想通貨が今後普及するとの見解を次のように述べています。
「われわれはETHを買うべきか売るべきかについて、いずれとも推奨しない。この資産クラスが(市場から)消えていくとは考えていない。仮想通貨は、早く学ぶことができれば、それだけポートフォリオの一部に適合することをより早く理解することができるだろう」
★ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート
★イーサリアム(ETH)の価格・相場・チャート
参考
・Morgan Stanley Wants to Educate Investors on Ethereum
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