ビットコイン(BTC)のオンチェーン・データが予期する強気市場の再来

ビットコイン(BTC)のオンチェーン・データ分析は、市場の動きを予測する優れた指標になり得ます。強気市場と弱気市場が始まる前には、オンチェーン・データ上に特定のパターンが現れることがあり、それが今後の市場を占う有益なインジケーターになります。

アナリストのウィリー・ウー(Willy Woo)氏はこのデータを検証した結果、市場が強気に移行する前の特徴的なパターンを、現在のオンチェーン・データ上に見出しました。

ビットコイン強気市場到来の予測

ウー氏は直近のツイッターで、オンチェーン・データを解析することにより、現在ビットコインの値下がりが底を打った状態にあることを指摘しています。

彼はツイッターで、「機関投資家と長期保有者のいずれも、現在売りが過剰な状態のピークにあることが、価格とオンチェーン需要との相関性から読み取れる」と指摘。この状況が、新型コロナウィルス問題でビットコインが底値に至った時と酷似していることに注目しています。

さらにウー氏は、過去のデータとの照合を行い、2012年の2月にも同様のパターンを発見しました。この時には2012〜2013年にかけての記憶に残る強気市場が到来し、投資家が強くビットコインの存在を認識するきっかけになりました。

その後今度は2015年の1月にも同様のパターンが現れ、当時のオンチェーン・データは2014年から続いていた価格下落が底を打ち、深刻な弱気市場が終わったことを示していました。

もしもウー氏が主張する、オンチェーン・データの時間軸における相関パターンが正しいとすると、現在ビットコイン価格は底値に到達した可能性があり、これまでの値下がりトレンドが終息すると考えられます。ただし、2021年に強気市場が連続して訪れたことを考えると、実際にこのケースが当てはまるかどうかは分かりません。

オンチェーン・データの信頼性は?

オンチェーン・データ分析は、ブロックチェーン上で展開されるさまざまな動きを読み取り、複数の指標に沿って分析する手法であり、すでに2011年には登場していました。
この手法の優れた点は、投資家の挙動やネットワークの健全性などを、リアルタイムでチャート化できることです。

メトリックの一例を挙げると、現在実際に活動しているアドレスや、そのアドレスを出入りする仮想通貨の量、取引されるトランザクション数など多岐にわたり、任意のデータを読み取ることで、一般的なチャートからは見えてこない市場の動向を把握することができます。特に各アドレスの動きと市場での価格には、強い相関性があると言われています。

大手のデータ・プロバイダーとしては、グラスノード(Glassnode)が知られており、大口投資家の動きや市場の動向などを詳細に分析して、各メトリックに沿って提供しています。

ビットコイン(BTC)強気市場へのポテンシャルは充分

2021年11月に記録した69,000ドル(約792万4,700円)という史上最高値から、現在ビットコインは50%程度下落しました。しかし保有者の大多数は、この値下がりによる利益の損失を被っていません。このデジタル資産は、市場が崩れてもなお利益を得る最大数の保有者を維持しています。

ブロックチェーン分析企業イントゥ・ザ・ブロック(Into The Block)のデータによると、現在の価格であればビットコイン保有者の60%は利益を得られると見られます。しかし同時に、値下がりトレンドの継続に対して投資家がパニック状態になると、暗号資産(仮想通貨)は安売りの対象になることを忘れてはいけません。

それでも現状では多くの投資家が高水準の利益を維持し、市場で損失を被っている投資家は全体の35%程度に留まっています。

現在の市場では、値下がりトレンドにありながら、大多数は長期的保有者であり、各種インジケーターは、投資家がデジタル資産に対して依然強気であることを示しています。こうしたチャートの成長曲線を見ると、今後4年間のうちには、ビットコインの保有者が10億人規模にまで拡大し、世界中で人気の資産に登り詰める可能性が予測できます。

参考
Bitcoin On-Chain Demands Suggests That The Market Has Reached Its Bottom
How Can On-chain Analysis Help Cryptocurrency Traders?

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