秋風が心地よい11月、コインチョイス編集部はツイッターで話題になった金のうな丼を求め、仮想通貨の聖地とも呼ばれ、うなぎ料理店として初めて仮想通貨決済を導入した「川昌」さんにお邪魔してきました。
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仮想通貨で食べるうなぎのお味は?
電車とバスに揺られながらたどり着いたのは、埼玉県北葛飾郡。都会の喧騒を忘れるのどかな風景が広がる場所に川昌さんはありました。
風情ある佇まいの建物同様に、木を基調とした落ち着きのある内装から、美味しいうなぎが食べられそうな予感がして、わくわくが止まりません。実は柱や梁に使用されている木材は、千葉県野田市にあるキッコーマンの工場ににあった江戸時代の蔵の廃材を再利用したもので、かなり年季の入った貴重なものだそうです。
お店に到着したのは午後2時、空腹の編集部は「金のうな丼」を注文。
そして念願のご対面。
見てください。このトロトロの玉子に包まれたうな丼の圧倒的なビジュアル。さっそくいただきます。
玉子とうなぎ、タレのかかったご飯を口に入れると、バターの香りとともに玉子がとろけ、ほどよい甘辛いタレとうなぎの香ばしさとうま味が口の中に広がっていきます。
もう余計な言葉はいりません。ただただ美味しいんです。
こうなるともう止まりません。順調に減っていくうな丼に寂しさを感じつつ、黙々と食べ進め、あっという間に間食しました。ごちそうさまでした。
仮想通貨で決済可能、「川昌」の店主にインタビュー
すっかり心と胃袋が満たされた編集部は、本題である料理長の飯塚裕志さんに仮想通貨との出会いから決済手段として導入した経緯などのお話を伺うことに。
仮想通貨はじめるも、ロスカットでゼロに
コインチョイス編集部(以下、編):飯塚さんが仮想通貨に興味を持ったのはいつぐらいですか?
飯塚裕志さん(以下、飯塚):もともと現在の資本主義経済に対する考えを持っていて、3,4年前ぐらいにビットコイン(BTC)を知って、これはもしかすると銀行を潰せるんじゃないかという思いがありました。ただ、その時は買い方も分からないし、まだ買わなくてもいいかなとも思っていました。
それからしばらくたった去年の4月ぐらいに、そういえばビットコインってどうなっているんだろうと思って調べると、1BTCが12万円ぐらいになっていて、これは乗り遅れたら絶対後悔するぞと思って、ビットコインについて調べ始めました。そうするとビットコイン以外にも仮想通貨というものがあるのを知って、そこから実際に仮想通貨を買うようになりました。
編:それではビットコインが12万円ぐらいのときに買われたんですね?
飯塚:それがビットコインは買わなかったんですよ。いろいろ調べ始めて、リップル(XRP)を買いました。そこからリップル一筋ですね。
編:仮想通貨決済を導入するに至った経緯は?
飯塚:去年の5月ぐらいに、コインチェックがビットコインの貸し出しサービスをしていて、全力でビットコインを借りたんですよ。そしてリップル(XRP)に振り替えて、そのうちビットコインの価格が下がってリップルが上がるだろうという安易な考えでいたら、去年の10月ぐらいにロスカットしてほぼゼロになったんですよ。
結構つぎ込んでいたので「どうしよう......大丈夫かな.......」と思っている時に、Plutonさん(@23pluton)がビットコインキャッシュ(BCH)で決算をやってくれる店舗さんいたら連絡くださいといった内容のことをツイッターに投稿していて、何気なしに「興味あります」って送ったら、とんとん拍子でBCH決済をやるようになって、BCH決済するならリップル(XRP)や他の通貨もやろうといった流れですね。
編:導入するまでのハードルは?
飯塚:仮想通貨の送金はやっていたのですが、どういう方式で決済をやればいいのか分かりませんでした。当時すでに仮想通貨での決済を取り入れていたサンタルヌーさん(東京・赤坂にあった暗号通貨の聖地といわれるお店。現在は閉店)に行って「どうやったらいいですか?」と聞いたら、「普通にウォレット使うか、取引所のウォレットを使ってもいいんじゃないですか」という回答で、「そんな感じでいいんだ」と思って、軽い気持ちで始めました。
編:導入して実感したメリットは?
飯塚:もともと仮想通貨で決済する人は1カ月に1組も来ないだろうなと思ってたんですよ。仮想通貨での決済を導入すると、最初はPlutonさんやくりぱかさん(@Creeperker)など有名な方が拡散してくれたのもあって、飛躍的に知名度が上がりました。ツイッターのフォロワー数は1週間で10倍ぐらいになりましたね。だからといって、たくさん人が来るというわけでもなく、仮想通貨で決済する人は最初の月で5%未満で、今だと1%切っていますね。
ボラティリティのリスクとかも、仮想通貨での決済が全体の1%未満だと気になりませんね。その分知名度が上がり、ツイッターのフォロワー数が増えたというメリットが大きいと感じました。
編集:Twitterに投稿された金のうな丼を作る動画が25万いいね!を集めて話題になりました。来客数に変化はありましたか?
飯塚:今回ツイッターの件で少しは客足も増えましたが、驚くほど増えたというわけではなかったですね。
*Twitterで話題となった金のうな丼の作り方。編集部も特別に厨房で撮影させてもらいました。
もともと他のうなぎ屋がやっていないことを大切にしていて、関東風と関西風、白焼きなど、うな重だけでも5種類やっています。食感は全然違って蒸してから焼く関東風はふっくらしていて、焼くだけの関西風はサクサクしていて、タレも変えています。
ただ本当に立地が致命的で、店がある松伏町には駅がないんですよ。あと主要な道路もないただの通り道にあって、あまり来る必要がないような場所なので、とにかく興味を持ってもらってお客さんに来てもらうために、金のうな丼など変わったもの作ったりしています。
リップル(XRP)10枚でうな重が食べられたことも
編集:仮想通貨決済によるデメリットなどはあるのでしょうか?
飯塚:やはり、仮想通貨での決済分に関しては完全に含み損になっていることがデメリットになっていますかね。ただ、もともとが仮想通貨ありきの商売ではないので、そんなに気にはならないですね。
編集:今後の取り扱いを考えている通貨は?
飯塚:直近で2種類の通貨を予定しています。
編集:利用が多い通貨は?
飯塚:モナコインが1番多いですね。去年の年末から年始にかけてはBCHも多かったですね。その次にXRPの順番で、XEMでの支払いも多いですね。
お客さんで一番多いのはリップラーの方なんですが、XRPを使う人は少ないですね。ただ暴騰したときは、リップラーの方でも使用される人はいました。
編集:価格が上がると、使用する人が増えるんですね。
飯塚:やはり決済は相場に比例しますね。一番価格が上昇した時には、XRP10枚でうな重食べれましたからね。
編集:支払われた仮想通貨はどうされていますか?
飯塚:基本的には必要性があるまで円にしないですね。ただ今回、ビットコインキャッシュのハードフォークがあるので、念のために初めて円にしました。
編集:仮想通貨決済を考えている飲食店にアドバイスはありますか?
飯塚:飲食の経験がないお店が仮想通貨決済を始めて、バズって人がくるだろうというのは、やめた方がいいと思いますね。
あと立地にもよりますが、仮想通貨目当てではお客さんはほとんど来ないと思いますね。提供しているものがしっかりしていないと難しいですね。
リップル(XRP)でお支払い。そして川昌さんまでの行き方を紹介
念願の金のうな丼を食べ、飯塚さんのお話を聞き大満足の編集部。お待ちかねお会計の時間です。領収書には2人前分を円で表記されていますが、今回はリップル(XRP)で支払いました。当日のレートで76XRPを送金。飯塚さんはリップル一筋ということで、喜んでいただけました。
川昌さんごちそうさまでした。
川昌さんまでの道のりを紹介
最寄り駅は東武スカイツリーラインのせんげん台駅です。
せんげん台駅の東口を出ると目の前にバス停があるので、「大正大学入口」行きのバスに乗ります。
約14分で到着する「広域農道入口」でバスを降ります。
バスを降りると右手に田んぼが広がる道を進み、信号のある交差点も超えれば、あとはひたすら直進です。
すると床屋さんが見えてきます。ここまでくるあともう一息です。
うなぎの香ばしい香りがしてきたら到着です。
うなぎ料理専門店 川昌 お店情報
定休日:毎週火曜日
時間:ランチ*11:30~15:00(14時ラストオーダー)
ディナー*17:00~22:00(21時ラストオーダー)
TEL:050-3464-0998
住所:埼玉県北葛飾郡松伏町金杉1511
支払い対応仮想通貨:BCH XRP XEM MONA ETH ZNY LISK
公式ウェブサイト
twitter
飯塚さん、取材のご協力ありがとうございました。