分散型アプリケーション(DApps)やNFTなどの分析を行っているダップレーダー(DappRadar)は9月20日、NFT業界についてのレポートを公開した。
NFTのトレンドに変化
今回のレポートによると、仮想通貨市場の弱気相場が近年で最も長期化しているにも関わらず、2023年8月のユニーク・アクティブ・ウォレット(UAW)の1日平均数は前年比44%増の31万6614を記録していた。一方で、NFTの取引高は前年同月比で31%、販売数は55%の減少となった。
ダップレーダーは、NFTの取引量と販売枚数が減少傾向にある理由として、NFTコミュニティ内の焦点が変化していることを挙げている。2022年はコレクション性のあるNFTやプロフィール・ピクチャ(PFP)のNFTが中心だった。一方、2023年8月現在のトレンドは、ジェネレーティブ・アート、メンバーシップ・パス、ゲームアイテムにシフトしているという。
またダップレーダーは、NFTブロックチェーン内の勢力図において、2022年から顕著な進化が見られるとも指摘。ダップレーダーは、この変化について、ゲーム内NFTの魅力が高まっていることを裏付けていると述べた。2023年8月にNFTの取引数量が最も多かったポリゴン(Polygon)について、主にリーズナブルな価格のコレクションを提供しているためとし、かつてはDeFi主導のブロックチェーンとして認知されていたが、今やNFT分野の重要なプレーヤーへと変貌を遂げたとまとめた。
ゲーム系NFTが好調
今回のレポートでダップレーダーは、NFTの取引高と販売数量、トレーダーのエンゲージメントからNFTの分析を行っている。この分析によると、ゲーム中心のNFTコレクションがNFTの販売数やトレーダーのエンゲージメントという両カテゴリーでトップの座を獲得しているという。ダップレーダーは、この分析結果について、ブロックチェーンゲームがエコシステム全体の40%を占めるという、より広範なWeb3のトレンドと一致しているとの見解を示した。
さらに同社は、2023年8月現在の顕著なトレンドの1つとして、ゲーミングNFTを挙げている。オンラインゲームプラットフォームであるスチーム(Steam)やエピックゲームストア(Epic Games Store)のような主流チャネルを通じて市場に出回るゲームが増えるにつれ、ゲームアセットは今後何年にもわたって価値を保ち続けるだろうとコメントしている。
参考
・Average Number of Wallets Trading NFTs Increased 44% YoY
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