マイクロソフトが求めるディレクターの役割
世界的な暗号資産(仮想通貨)採用の流れを受けて、世界最大手企業の1つであるマイクロソフト(Microsoft)社は、将来的なWeb3.0の基本的インフラ構築に携わる、ブロックチェーン・ビジネス部門のディレクター募集を開始しました。
2月7日に同社の公式ウェブサイトで公開された募集要項では、ディレクターの役割は人工知能AI(Artificial Intelligence)および新興技術担当チームと連携して、「マイクロソフトのWeb3.0戦略のサポートと情報発信を行う基盤を構築すること」と定義されています。
募集要項に記載された業務内容として、ディレクターには新製品のロードマップ作成と、重要な技術的判断を行うために、実行チームのナビゲーターになることが求められています。さらに中心的な役割として、API(Application Programming Interface)とインフラ構築を含む、Web3.0の設計と実装も担当することになります。
このディレクターの役割について、募集要項では「社内の全エンジニア・チームと協力して、既存のインフラを活用するか、補強するか、もしくは再構築するかを判断し、インフラとAPIを含むWeb3.0モデルのビジョンと戦略、そしてロードマップ作りを推進すること」と明記しています。
メタバース領域へ注力する意思が明確に
時価総額で世界第2位を誇るマイクロソフト社は、募集要項の公開に合わせるためか、1月に米大手ゲーム開発企業のアクティビジョン・ブリザード(Activision Blizzard)社の買収を発表しています。買収の総額は687億ドル(約7兆9,400億円)に上り、買収が完了次第、マイクロソフトは売上規模でテンセント(Tencent)とソニー(Sony)に次ぐ世界第3位のゲーム企業となります。
現在マイクロソフトはメタバース領域への方向転換を進めており、ゲーム企業の買収もバーチャル部門を増強する戦略の一環だとされています。フェイスブック(Facebook)がメタ(Meta)に社名変更したように、マイクロソフトがメタバースに注力していくことは目新しくありません。
マイクロソフトのCEO(最高経営責任者)であるサティア・ナデラ(Satya Nadella)氏は、「現在ゲームはすべてのプラットフォームの中で、最もダイナミックでエキサイティングなエンターテインメントだ。今後はメタバース・プラットフォームの進歩においても、中心的な役割を果たすだろう。我々が世界規模でのコンテンツやコミュニティ、クラウドへの投資を強化することで、より安全かつ包括的で、プレイヤーと開発者を第一とした、誰もがアクセスできる新しいゲームの時代が開かれるはずだ」と述べています。
参考
・Microsoft Corp. Seeks For A Crypto Business Director To Build Its Web 3.0
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