データ分析企業のアルカナ・リサーチ(Arcane Research)は12月1日、2021年第47週目の週報を公開した。このレポートの中で同社は、仮想通貨関連企業の評価額が6,500億ドル(約74兆円)近くになると推測した。
64社の仮想通貨企業がユニコーンに
今回のレポートによると、仮想通貨産業が成長しており、関連する公開企業の評価額の高騰につながっているという。さらに、少なくとも64社の仮想通貨企業が、ユニコーンの地位に達しており、2021年の業界のM&A活動は、以前よりもはるかに大きくなったとしている。
アルカナ・リサーチは非公開企業の評価額について、「いくつかの仮想通貨の非公開会社は、非常に長い期間にわたって利益を上げており、外部からの投資を求めていない」とも分析している。この層の企業の評価額を控えめに見積もると、非公開の仮想通貨関連企業の評価額は4,300億ドル(約49兆円)に達しており、ビットコインの時価総額の約40%に相当している。
一方の公開企業は、仮想通貨関連だけを事業とする企業に限って言えば評価額の合計は低く、1,100億ドル(約12兆円)となっている。なお、この評価額の大部分は、米国に拠点のある仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)が大部分を占めている。
仮想通貨関連の公開・非公開企業の評価額を合計すると、6,500億ドル(約74兆円)近くになる。しかしアルカナ・リサーチはこの評価額について、「過小評価されている可能性が高い」とも評している。
DeFi(分散型金融)ユーザーも400万人突破
今回のレポートでは、イーサリアムのDeFi(分散型金融)ユーザーの総数についての分析も行っている。DeFiユーザーは、2020年からの2年間で雪だるま式に増加し、2021年11月末に400万人を突破した。ただし、1人のユーザーが複数のアドレスを持つことができるため、わずかに過大評価されている可能性があるとも言及している。
また、2021年のDeFiユーザーの増加率を計算すると、600%以上になるという。この増加率を来年も維持し続けた場合、2022年末にはDeFiアドレスの総数は約2,500万になるという。アルカナ・リサーチは、5月から10月下旬までDeFiユーザー数の増加率が緩やかになった原因について、他のネットワークへの移行が原因かもしれないと推測している。
参考
・Arcane Research THE WEEKLY UPDATE WEEK47, 2021
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