クレジットカード世界最大手のVISA Incは自社の支払いネットワークにおいて、イーサリアム上のドル「USDC」を決済に使用することができる社会実験を開始したと発表。USDCはステーブルコインと呼ばれるイーサリアム上でドルと1:1に発行されるトークンであり、DeFi(非中央集権金融)の重要な要である。
VISAのイーサリアム上でのUSDC送金
ロイターによると、VISAは仮想通貨プラットフォームのCrypto.com、2021年1月に連邦通貨監督庁(OCC)より設立認可を受けた仮想通貨銀行「Anchorage」と提携。Anchorageが管理するVISA保有のイーサリアムアドレスにUSDCを送金する初のトランザクションを完了したという。
今まではユーザーがCrypto.comが発行するVISAカードを利用して決済する場合、一度ドルに換金する必要があった。今後はVISAが直接AnchorageのイーサリアムアドレスにUSDCを受け取ることで決済を完了とし、USDCからドルへの換金が不要となる。
仮想通貨のクライアントとコンシューマー両者の需要増加
VISAの仮想通貨主任カイ・シーフィールド(Cuy Sheffield)氏は、「世界中のコンシューマーの仮想通貨保有、決済使用するという需要の増加を感じ、同様にクライアントがコンシューマーに対するサービス提供を行う需要の増加も確認している」と述べている。
ステーブルコインはイーサリアムのセキュリティと発行する企業が保管するドルの裏付けにより、DeFiを構成することを可能にしている。2021年3月29日現在のUSDCの時価総額は109.5億ドルとなっており、この1年で約16.8倍に上昇しており需要の増加が分かるだろう。
また銀行を介した仮想通貨の事業活用は2020年から加速しており、米最古の銀行BNYメロンの仮想通貨カストディ事業の参入や、AnchorageやKraken Financialなどの仮想通貨銀行の設立など今後もイーサリアムのステーブルコインの需要は増加していくだろう。
▼墨汁サロンではイーサリアム2.0の最新動向や32ETHステーキングのやり方の解説や検証、テクニカル分析理論、最新のDeFiやファンダメンタルなどをより深く解説しています。