イーサリアム(Ethereum)のネイティブアセットは、5月の上旬には年初来6倍にまで価格が高騰しています。5月19日は大木祖の価格を落としましたが、今年のイーサリアムの高騰の背景には何があるのでしょうか?
機関投資家向け暗号資産ファンドを提供するアメリカはコロラド州を拠点にする企業「Two Prime Digital Assets」のストラテジーディレクターであるAsh氏が5月1日、「イーサリアムの価格高騰の14の理由」と題したツイートを投稿しています。
14 Reasons $ETH is a higher upside treasury reserve asset than #Bitcoin ?
— Ash (@investindigital) April 30, 2021
本コラムではAsh氏のツイート同内容を要約して、イーサリアムの価格高騰の背景や機関投資家がどのような理由でETHを購入しているかを理解することを試みます。紹介する数値は4月30日時点のものです。
ステーキングやDeFiとも関係
(1)ETHは2015年の開始以来 85,587%価格が上昇し、SoV (Store of Value: 価値の保存)としての機能を提供しています。
(2)ETHの時価総額はBTCと比較してまだ42%にとどまっています。
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(3)Ethereum2.0にステーキングされたETHの全体供給量の3.26%になっており、加えて未だ上昇を続けています。
(4)今後実装が予定されている機能のEIP-1995はETHの年間4.37%のインフレ率を相殺し、将来的には総供給量を減少させます。
(5)全体の22.5%ものETHがDeFi(分散型金融)等を含むスマートコントラクト中にロックされており、この数は今後ユースケース(用途)が増えるのに比例して増加する事が予想されます。
(6)10,000以上のETHを持つクジラのウォレットは増加しており、クジラはETH をさらに集めていることが分かります。
(7)DeFiプロトコルにロックされているETHの金額は毎月40%以上成長しており、660億ドルを超えました。
機関投資家の参入
(8)グレイスケール(GrayScale)社は ETH全体の約3%を保有し、これはすぐには売却されないと想定されています。
(9)開発面で見ると、ビットコインの月間アクティブ開発者が361人なのに対し、イーサリアムは2,325人の開発者がいます。 これによりさらに多くのDapps(分散型アプリケーションの登場やイノベーション、 マスアダプション、分裂や混乱、 ETH価格の上昇につながります。
(10)機関投資家が参入しているシグナルとして、ETHデリバティブは2020年4月の5,000万ドルから合計30億ドルの建玉に成長しました。
(11)機関投資家が参入しているシグナルとして、ETHの先物ポジションはここ1年で20倍に増加し、現在75億ドルの建玉になっています。
(12)機関投資家が参入しているシグナルとして、24時間中のETHオプション取引量は、2019年5月の100万ドルから2年で10ドルを超えました。
(13)機関投資家が参入しているシグナルとして、3つのイーサリアムETFが最近カナダで承認され、CME先物は今年初めに取引を開始しました。 この採用が進むと、より成熟した金融資産としてさらなる資金の流入が期待されます。
(14)ETHはBTCとの相関から離れ始めています。 この傾向は開発者の活動が活発になり、より多くのユースケース(用途)が作成される事で継続するでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?冒頭で述べたようにイーサリアムは2021年に入り大きく上昇をしています。やや過熱感もあるため、投資判断は慎重になるべきではあります。このようにさまざまなファンダメンタルズがあることもがあることも事実で、参考にしてみてはいかがでしょうか。