米司法省が約4,150億円相当のビットコイン(BTC)を押収したと発表。この押収された多額のビットコインは2016年にハッキングされた仮想通貨取引所「ビットフィネックス(Bitfinex)」から盗まれた約12万BTCのうちの一部となっている。
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約4150億円のビットコインを米司法省が押収
2016年当時最大手仮想通貨取引所だったビットフィネックスはハッキング被害に遭い、その際に盗まれた約120,000BTCは約6年の間所在不明となっていた。米司法省の発表によると、ニューヨーク市のマンハッタンでIlya Lichtenstein容疑者とHeather Morgan容疑者をこのビットフィネックスから盗まれた12万BTCをマネーロンダリングした罪で逮捕したという。
米司法省によると「両容疑者はビットフィネックスから盗まれた119,754BTCのマネーロンダリングを共謀し、2000回の送金を行った。この約12万BTCのうち約25,000BTCが5年間のうちにロンダリングされて両容疑者の保有する金融口座へ送金されている」と発表している。
ロンダリングされていない約9.4万BTCはウォレット内に残されていたという。
秘密鍵を押収
また捜索令状を発付後、両容疑者が保有していたビットコインのウォレットにアクセスすることに成功。容疑者が保有していたプライベートキー(秘密鍵)を含むファイルを入手することができ、直接約94,000BTCを押収することができたという。
押収された時点でのビットコインの総額は約4,150億円となっており、既にロンダリングされた25,000BTC相当の現金などは含まれていない。記事執筆時、ビットコインは500万円を回復しているため押収額は4700億円となっており、650億円の含み益が出ていることになる。
ロンダリングには闇サイト「AlphaBay」を使用
IRSの特別捜査官Christopher Janczewski氏の捜査資料によると、Bitfinexからハッキングされて盗まれた12万BTCは2017年にイーサリアム支払い受付で話題となったダークマーケット「AlphaBay」のアカウントを利用してロンダリングし、複数のウォレットに分割。
さらに匿名通貨として知られており、2016年にAlphaBayに採用されたモネロ(XMR)も使用されていた。
また押収したファイルの中には2000種類の仮想通貨のアドレスリストが含まれており、対応する秘密鍵も容疑者のクラウドストレージ内に暗号化されて保管されていたという。
ビットフィネックスは盗まれたビットコインを取り戻す権利のもと司法省と協力していきたいと述べている。2017年にマウントゴックスに返却されたビットコインの次に大きなこのハッキング事件は、今回の押収によりビットフィネックスに最終的に返還されることになると見られるだろう。
We’re pleased that DOJ has announced recovery of a significant portion of the bitcoin stolen during the 2016 hack. https://t.co/voGmFUkYoY
— Bitfinex (@bitfinex) February 8, 2022
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