韓国ビッサム、ビットコイン440億ドル相当を顧客に誤送金。62万BTCが配られた事件の全容
韓国ビッサム、ビットコイン440億ドル相当を顧客に誤送金。62万BTCが配られた事件の全容

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韓国ビッサム、ビットコイン440億ドル相当を顧客に誤送金。62万BTCが配られた事件の全容

2026年2月6日午後7時、韓国の仮想通貨取引所Bithumb(ビッサム)でプロモーション報酬の配布処理中に入力ミスが発生した。本来1人あたり2,000ウォン(約214円)を配る予定が、2,000BTC(約1億4,000万ドル)を配布。対象695名、合計約62万BTC、時価にして約440億ドル(約6.6兆円)が誤って顧客の残高に反映された。

仮想通貨史上、単一のオペレーションミスとしては最大規模とみられる。

この記事の結論

ビッサムは35分以内に取引と出金を停止し、誤送金の99.7%にあたる約61万8,212BTCを回収した。実際のオンチェーン送金は発生しておらず、取引所の内部台帳上の記録にとどまる。ただし一部ユーザーが即座に売却したことで、ビッサム上のBTC価格は一時17%急落し約5万5,000ドルまで下がった。韓国金融当局は2月7日から立ち入り検査を開始している。

3つのポイント

  1. 62万BTC(約440億ドル)が695名に誤配布されたが、99.7%を回収済み
  2. オンチェーン送金は発生しておらず、影響はビッサム内部にとどまった
  3. 韓国金融当局が緊急タスクフォースを結成し、暗号資産取引所全体の内部統制点検に乗り出した

何が起きたのか。時系列で整理する

2月6日19時ごろ、ビッサムは「ランダム宝箱」というプロモーションイベントの報酬配布を実行した。当選者695名に対して、2,000ウォンから50,000ウォン程度の少額報酬を付与する予定だったが、担当者が配布単位を「ウォン」ではなく「BTC」で入力してしまった。

結果、各ユーザーの口座残高に2,000BTCという数字が反映される。合計約62万BTC。これはビッサムが実際に保有するビットコイン(CryptoQuantのデータで約42,304BTC)の約15倍にあたる金額だ。

19時20分に異常を認識。19時35分から影響アカウントの取引と出金を制限し、19時40分に完了した。発覚から対応完了まで約35分。

ビッサムの説明では、今回の誤送金はすべて取引所の内部台帳上の処理であり、実際にブロックチェーン上でビットコインが送金されたわけではない。つまり、帳簿上の数字が膨らんだ状態であって、外部ウォレットへの流出は起きていない。

一部ユーザーが即売却。ビッサム上のBTC価格が一時5.5万ドルに

問題は、誤って残高に反映されたBTCを一部のユーザーが即座に売却したことだ。

これにより、ビッサム上のウォン建てBTC価格は一時8,110万ウォン(約5万5,000ドル)まで急落。当時の他取引所の価格と比べて10%以上の乖離が生じた。大量の売り注文が短時間に集中したことで、ビッサム内部でフラッシュクラッシュが発生した形になる。

その後、押し目買いも入って価格は1億450万ウォン付近まで回復している。他の取引所への波及は確認されていない。

ビッサムによると、62万BTCのうち61万8,212BTC(99.7%)は回収済み。売却が実行された1,788BTC相当の資産(ウォンおよび仮想通貨)についても93%を回収した。未回収の約125BTCは約900万ドル相当で、ビッサムが自社資金で補填する方針を示している。

ビッサムの対応。補償と手数料免除

ビッサムは公式声明で、今回の事態が外部ハッキングやセキュリティ侵害とは無関係であることを強調した。

CEOのイ・ジェウォン氏は当局への全面協力を約束し、成長目標よりも「顧客の信頼と安心」を優先すると表明。事業部門副社長のファン・スンウク氏は社内向けメールで「イベント報酬の単位設定ひとつで取引所全体が不安定化する事実は、現行システムの水準を示している」と率直に認めた。個人の責任追及ではなく、仕組みの改善に注力する姿勢を見せている。

具体的な補償としては、障害時にプラットフォームを利用していた全顧客に2万ウォン(約13.66ドル)を付与。異常な安値でBTCを売却してしまったユーザーには、売却額の全額に加えて10%を上乗せして補填する。全市場での取引手数料免除も実施する。

韓国金融当局が動いた。緊急タスクフォース結成と立ち入り検査

2月7日、韓国の金融サービス委員会(FSC)、金融監督院(FSS)、金融情報分析院(FIU)、デジタル資産取引所共同協議会(DAXA)が合同で緊急タスクフォースを立ち上げた。

FSCは緊急会合後の声明で、今回の事件が「仮想資産に関連する脆弱性とリスクを露呈した」と指摘。ビッサムへの立ち入り検査を即日開始し、報酬発行権限を持つ従業員のリストや当時の承認ログを精査している。

審査の結果、不正や内部統制の不備が確認された場合、他の国内取引所に対しても準備金管理や内部統制システムの網羅的な点検を実施する方針だ。

韓国の暗号資産業界は2025年11月のUpbitハッキング事件(約3,000万ドル被害)に続き、規制強化の流れが加速している。今回のビッサムの事件は、ハッキングではなく内部のオペレーションミスという点で性質は異なるが、取引所の管理体制に対する不信感をさらに高める結果になった。

なぜこの規模の誤送金が起きたのか。構造的な問題

従来の銀行であれば、ISO 4217に基づく通貨コードの厳格な運用や、複数段階の承認プロセスが義務付けられている。一方で暗号資産取引所は、各社が独自のシステムを構築しており、標準化が進んでいない。

報道によると、ビッサムの内部システムでは従業員がロイヤルティポイント、韓国ウォン、ビットコイン、イーサリアムを正式な決済手続きなしに発行できる状態だった。配布単位の選択ミスを防ぐ多重チェックの仕組みがなかったことが、今回の事故の直接的な原因とされる。

42,304BTCしか保有していない取引所が、帳簿上とはいえ62万BTCを配れてしまう事実は、システム設計そのものに根本的な問題があったことを示している。準備金を超える数量の配布を自動でブロックするロジックがあれば、この事故は未然に防げた可能性が高い。

ビッサムにはすでに別の調査も入っている

今回の事件以前から、ビッサムは韓国公正取引委員会(FTC)による調査を受けていた。流動性に関する虚偽広告と、誤解を招くプロモーションプログラムの疑いが対象だ。

ビッサムは韓国でUpbitに次ぐ第2位の取引所だが、市場シェアではUpbitに大きく引き離されている。競争上の焦りがプロモーション施策の頻度を上げ、その裏側の管理体制が追いついていなかった可能性がある。

今後、規制当局の検査結果と、ビッサムが具体的にどのようなシステム改善を行うかが注目される。取引所選びにおいて「内部統制の透明性」がこれまで以上に重要な判断軸になりそうだ。

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よくある質問

ビッサムの誤送金で実際にビットコインがブロックチェーン上で移動したのか

していない。今回の誤送金はビッサムの内部台帳上の処理であり、オンチェーンでのBTC送金は発生していない。外部ウォレットへの流出もゼロと確認されている。

誤送金されたビットコインはすべて回収できたのか

62万BTCの99.7%にあたる約61万8,212BTCは回収済み。売却された1,788BTC相当についても93%を回収し、残りの未回収分はビッサムが自社資金で補填する方針を発表した。

ビッサムで取引していた顧客への補償はあるのか

障害時の利用者全員に2万ウォンの補償金を付与。異常価格で売却してしまったユーザーには売却額全額の110%を補填。加えて全市場の取引手数料が一定期間免除される。

今回の事件は他の取引所にも影響するのか

他取引所のBTC価格への直接的な波及は確認されていない。ただし韓国金融当局は、ビッサム以外の取引所に対しても内部統制と準備金管理の点検を行う方針を示している。

参考資料

  • Bithumb公式声明(2026年2月7日)
  • CoinPost「ビッサム、イベント報酬で62万BTCを誤送金」(2026年2月7日)https://coinpost.jp/?p=687373
  • Reuters「South Korean crypto firm accidentally sends $44 billion in bitcoins to users」(2026年2月7日)
  • Bitcoin Magazine「Bithumb Bitcoin Blunder Sends $44 Billion To Users」(2026年2月8日)https://bitcoinmagazine.com/news/bithumb-bitcoin-blunder-sends-44-billion
  • XenoSpectrum「韓国で6兆円相当の幽霊ビットコイン誤送金事件が発生」(2026年2月9日)https://xenospectrum.com/bithumb-bitcoin-glitch-internal-control-failure/
  • ビットタイムズ「Bithumbで報酬処理ミス 2,000ウォンが2,000 BTCに」(2026年2月7日)https://bittimes.net/news/217139.html

2026年2月9日公開

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