ビットコイン(BTC)価格の下落で苦悩するマイニング企業

下落を続けるビットコイン(BTC)価格の影響は、もはや目に見える範囲にとどまらず、マイニングなどの重要なコミュニティにも及んでいます。ビットコインの価値が下がるにつれ、企業及び個人のマイナーはキャッシュフローの悪化にともない、事業を運営する上ではなはだしい困難に直面しています。しかしマイナーにとってさらに深刻なのは、マイニングの生成量が大幅に減少していることです。

企業によってマイニング量に変化

2021年後半の大躍進を受けて多くのマイニング企業は、ビットコインの生成をどのように改善すべきかというロードマップをもとにマイニング事業を活発化させました。こうした計画は市場が好転していれば、投資家が疑念を抱くような問題をもたらすことはありません。しかし2022年前半の市場が状況を一変させました。

マイニング業界を代表する企業の1つマラソンデジタル(Marathon Digital)社は、ビットコイン生成量を高めるという目標に対して、大きな困難にぶつかっています。マラソン社は2022年の1月に462BTCを生成して、幸先のよいスタートを切りました。しかしそれ以降生成量は減少し続け、5月には42%減の268BTCにまで落ち込みました。

他の大手マイニング企業も同様です。すべての企業がマラソン社のように継続的な下落を記録しているわけではないものの、安定的な生成量を維持することが難しくなっています。

その中でビットファーム(Bitfarms)社だけが例外的に、2022年前半にもコンスタントな成長を見せています。同社は1月に301BTCを生成しましたが、5月には43%アップの431BTCを記録しています。

存続すら危ぶまれるマイニング企業

ここ5ヵ月ほどこれらのマイニング企業は、深刻なマイニング難易度の上昇に直面しています。それに加えてビットコインの価格下落により、彼らはキャッシュフローの悪化と利益面での問題に苦しんでいます。さらに各企業の株価にも影響しています。マラソン社の株価は、2021年11月に記録した83.45ドル(約11,124円)の最高値から、現在6.87ドル(約916円)にまで落ち込んでいます。昨年同期と比較しても、およそ81%下落しています。

ビットコインの価格が下落するにつれ、マイナーのキャッシュフローは悪化する一方です。現在の弱気市場がこのまま続くと、多くの企業がマイニング事業に投資する能力を失い破産するかもしれません。

参考
Public Bitcoin Miners Struggle To Keep Up With Difficulty As BTC Production Declines

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