AP通信社がNFT市場の開設を発表、報道写真NFTを販売

米国で175年の歴史を持つ非営利協同組合ニュース組織のAP通信社(Associated Press)は1月10日、NFT(非代替性トークン)マーケットプレイスを開設すると発表しました。同社のNFTマーケットプレイスは、ブロックチェーン技術企業Xooa社が開発し、ポリゴン(Poligon)ブロックチェーンネットワーク上に構築されました。

AP通信が自社報道写真をNFTマーケットプレイスで発売

AP通信によると、このマーケットプレイスではNFTコレクター(収集マニア)が通信社独自の象徴的フォトジャーナリズムを収集することを可能にします。ポリゴンベースのNFT市場は、1月31日に開始されます。

NFTの形で販売されるAP通信社の写真はさまざまです。例えば「ヨルダン川西岸への非合法な移住者を排除するイスラエル治安部隊に抵抗するユダヤ人女性の写真」(2006年2月1日撮影)は、ピューリッツァー賞を受賞した報道写真の写真の1つです。

ブロックチェーン・データライセンス担当のAPディレクターであるドウェイン・デサルニエ(Dwayne Desaulniers)氏は、現役と元AP写真記者たちからのピューリッツァー賞の写真を紹介することにわくわくしているとコメントしました。

写真コレクターは入手したAP NFT写真は入手後再販できる

デサルニエ氏は1月10日に声明を発表して、「AP通信写真記者は175年間にわたり、心をつかみ感動的な写真を通じて世界の大きな物語を記録してきた」と語ります。同氏はさらに続けて、「Xooaの技術によって、これらトークン化された作品を急成長中の世界のNFT写真コレクターに提供することを誇りに思う」と述べています。

NFT市場のサービス開始は1月最終日になりますが、APによると、写真コレクションは数週間にわたりリリースされます。NFTの売り上げは、「事実に基づく公平なAPジャーナリズム」の資金調達に還元されます。APによると、当初の販売後のAP NFTの所有者は、2次市場でそれらを再販することもできます。APはまた、これらNFTを仮想通貨もしくはクレジットカードで購入できることを詳述しています。

メディアは続々報道写真の販売目指す NFTは情報公開の機会提供

APの発表はさらに、ポリゴン(Poligon)ブロックチェーンがほかのブロックチェーンより「環境に優しい」ことを強調しています。Xooaのマーケットプレイス責任者であるザック・ダンカー・フェルドマン(Zach Danker-Feldman)氏は「この市場展開においては、素晴らしいデジタル写真に対する関心を共有するコミュニティーに参加してもらうように、あらゆるタイプのコレクターのアクセシビリティに重点を置いている」と語ります。

ニュースメディアが仮想通貨市場に直接関係を持つのは、AP通信が初めてではありません。クォーツ(Quarts)とニューヨーク・タイムズ紙は昨年、相次いで記事のコピーをNFTとして販売しています。タイム誌はまた3種のカバー画像をNFT化して、50万ドル近くの収入を得ています。

参考
175-Year-Old News Cooperative the Associated Press Plans to Launch NFT Marketplace

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