
目次
この記事の結論
ジャック・ドーシー率いるBlock, Inc.(旧Square、NYSE: XYZ、時価総額約340億ドル)は2026年3月30日、米国の400万以上の加盟店(ニューヨーク州を除く)に対してビットコインのライトニング決済を自動的に有効化しました。
これまでオプトイン(任意設定)だったビットコイン決済が、本日からデフォルト(自動有効)に切り替わりました。
加盟店は希望すれば無効にできますが、設定不要で受け取れる状態になっています。
BTCが決済手段として主流インフラに乗った歴史的な転換点です。
「投資対象」としてのBTCから「日常決済通貨」としてのBTCへ—この動きはその象徴です。
ビットコインが「投資対象」から「日常で使われる通貨」へと変わり始めた今、まずは国内取引所で準備しておくことが重要です。
この記事のポイント
- Squareの決済端末を持つ米国の加盟店400万店超(ニューヨーク州を除く)に対し、ビットコインのライトニング決済が本日3月30日からデフォルト有効化。加盟店の設定作業は不要
- 2026年末まで手数料ゼロ。2027年1月1日から1%の一律手数料(クレジットカードの2〜3%を大幅に下回る)
- 価格変動リスクなし。受け取ったBTCはリアルタイムで米ドルに自動換算。BTCのまま保有することも選択可能
何が変わったのか—「オプトイン」から「デフォルト有効」へ
Block(旧Square)は2025年10月に「Square Bitcoin」として正式ローンチを発表し、同年11月10日から米国の適格加盟店への展開を開始していました。
しかしこれまでは加盟店が自らダッシュボードで有効化する必要がありました。
本日3月30日からは「デフォルト有効」モデルに切り替わりました。
これは決定的な違いです。
PayPal・Stripe・Coinbase Commerceなど既存の暗号資産決済対応サービスはすべて加盟店が能動的に設定する必要があります。
Blockはその論理を逆転させ、「使いたくなければ切る」という設計にしました。
Blockのビットコインプロダクト責任者・マイルズ・スーター氏は次のように述べています。
「コーヒーショップや小売店がSquareでビットコインを受け取れるようになれば、中小企業はより早く支払いを受け取り、より多くの収益を手元に残せる。これは加盟店への経済的な力の付与だ」
— Miles Suter(Block・ビットコインプロダクト責任者)
なお、ニューヨーク州の加盟店および米国外の加盟店は対象外です(Square公式脚注より)。
ニューヨーク州独自の仮想通貨規制(BitLicense等)への対応が必要なためです。
仕組み—ライトニングネットワークとは
| 比較項目 | 通常のBTC送金(オンチェーン) | ライトニングネットワーク |
|---|---|---|
| 決済速度 | 数分〜数十分 | 数秒(ほぼ即時) |
| 手数料 | 混雑時は数ドル以上 | ほぼゼロ |
| 小額決済 | 不向き | 対応可能 |
| 仕組み | 全取引をブロックチェーンに記録 | Bitcoin上に構築されたLayer2。決済はオフチェーンで高速処理 |
| チャージバック | なし | なし(不正利用リスクが低い) |
顧客側の操作はシンプルです。レジのQRコードをウォレットアプリでスキャン→確認→数秒で決済完了。
SquareはバックエンドでリアルタイムのBTC/USD換算・確認通知・精算処理をすべて自動で行います。
返金が発生した場合は、USD相当額のデジタルギフトカードで対応します(Square公式)。
なお現時点での対応は対面取引のみで、オンライン決済への対応は2026年後半に予定されています。
Square Bitcoinの3つの機能
今回のデフォルト有効化は、「Square Bitcoin」プラットフォームが持つ3つの機能のうちの1つです。
- ① ビットコイン決済(Bitcoin Payments)—ライトニング経由でBTCを受け取る。2026年末まで手数料ゼロ、2027年1月から1%
- ② ビットコイン換算(Bitcoin Conversions)—日次カード売上の最大50%を自動的にBTCに換算して積み立てる。別途1%の換算手数料が発生。2024年のパイロット開始以降、ベータ参加加盟店が合計142BTC以上を蓄積済み(2025年10月時点)
- ③ ビットコインウォレット—Square Dashboardに統合されたBTCウォレット。保有・売却・外部ウォレットへの引き出しが可能
Blockのビットコイン戦略—Square以外の全体像
今回の動きはBlockが描くビットコインエコシステムの一部にすぎません。
同社はSquare以外にも以下のビットコイン関連プロダクトを展開しています。
- Cash App——個人向けモバイル決済アプリ。BTCの購入・送金・保有に対応。2026年初にゼロスプレッド価格・引き出し限度額拡大(1日1万ドル・週2.5万ドル)など大幅強化
- Bitkey——95カ国以上で展開する自己保管型ビットコインウォレット。相続機能も搭載
- Proto——ビットコインマイニング製品・サービス。分散化を促進
- Spiral(旧Square Crypto)——ビットコインオープンソース開発への投資・支援
- BTC財務戦略——ビットコイン利益の10%を毎月BTCに再投資。2026年2月時点の保有量は8,883BTC(時価約900億円超※)
※BTC保有の円換算はBTC価格1,050万円/BTC(2026年3月30日時点)で試算。
ここまでの経緯
- 2020年10月——Square(現Block)が総資産の約1%(5,000万ドル)をBTCに投資。企業のBTC財務戦略の先駆けとなる
- 2021年2月——追加で1億7,000万ドル分のBTCを購入。合計8,027BTC保有
- 2021年12月——社名を「Block, Inc.」に変更
- 2024年4月——Square加盟店向けに「Bitcoin Conversions」(日次売上のBTC自動換算)機能をパイロット開始
- 2025年5月——Bitcoin 2025カンファレンスでSquareへのライトニング決済統合を正式発表
- 2025年7月23日——BlockがS&P 500に採用(ティッカーXYZ)
- 2025年10月8日——「Square Bitcoin」として決済・換算・ウォレットの3機能を正式ローンチ発表
- 2025年11月10日——米国の適格加盟店(NY州除く)向けにビットコイン決済のオプトイン提供を全国展開
- 2026年2月——Q4 2025決算を発表。2026年グロスプロフィット目標122億ドル(前年比+18%)を設定。BTC保有量8,883BTCを確認
- 2026年3月30日(本日)——米国の適格加盟店400万店超(NY州除く)に対し、ライトニング決済をデフォルト有効化
業界への影響—「主流採用」は本当に来たのか
今回の動きが注目される理由は、個別のビットコイン専門店が増えたのではなく、既存の決済インフラがBTCに開かれたという点にあります。
Square端末を使っているコーヒーショップ・美容室・小売店が、設定ゼロでビットコインを受け取れる状態になったのです。
River社の「Bitcoin Adoption 2026」調査もビットコイン受け入れ加盟店数の増加傾向を指摘しており、Square公式データによると2024〜2026年の間に米国のクリプト決済ユーザーは82%増加すると予測されています。
ただし「技術的に受け取れる」と「実際に使われる」は別の話です。課題も存在します。
- 消費者側の慣習——クレジットカードや電子マネーへの慣れが根強く、BTCで実際に支払う消費者がどれだけいるかは未知数
- 対象は現時点で対面取引・NY州除く米国のみ——オンライン決済への対応は2026年後半に予定。NY州・海外展開は規制当局の承認が条件
- 税務処理の複雑さ——米国ではBTCによる購入は課税対象(キャピタルゲイン税)となるため、消費者側に確定申告上の負担が生じる。日常利用の障壁になるとの指摘もある
- 競合の反応——PayPal・Stripeなどが同様の「デフォルト有効」モデルを採用するかが焦点
では個人投資家はどう動くべきか
このように、短期的には課題も残るものの、中長期では「決済インフラとしてのBTC」が広がる流れは明確です。
つまり 「使われる未来」を前提にポジションを持つかどうかが重要な判断ポイントになります。
国内で選ばれている仮想通貨取引所(タイプ別)
目的に応じて、自分に合った取引所を選びましょう。
▶ 少額から試したい・仮想通貨が初めての方
- bitFlyer:1円から取引・積立が可能
▶ 手数料を抑えたい人
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よくある質問(Q&A)
Q. 加盟店はBTCをそのまま保有することもできますか?
A. はい。受け取ったBTCをリアルタイムでUSDに換算して受け取るか、BTCのまま保有するかを加盟店が選べます。BTCのまま保有した場合、Square Dashboardの統合ウォレットで管理・売却・外部ウォレットへの引き出しが可能です。
Q. 顧客はどのウォレットで支払えますか?
A. BOLT11インボイスに対応したウォレットであれば利用可能です。Phoenix、Wallet of Satoshi、Muun、BlueWalletなどが代表的な選択肢です。
Q. 返金が発生した場合はどうなりますか?
A. Square公式によると、BTC決済の返金はUSD相当額のデジタルギフトカードで対応します。BTC現物での返金は行われません。
Q. 2027年以降の手数料はどうなりますか?
A. 2027年1月1日から、BTC決済には1%の一律手数料が適用される予定です。クレジットカードの標準的な手数料(2〜3%)を大幅に下回る水準です。なお、Bitcoin Conversions(日次売上のBTC自動換算)には現時点でも別途1%の換算手数料が発生します。
Q. ニューヨーク州の加盟店は使えませんか?
A. 現時点では対象外です。ニューヨーク州独自の仮想通貨規制(BitLicense等)への対応が必要なため、別途規制当局の承認を経て対応が進められる見通しです。
Q. BTCで支払うと税金はかかりますか?
A. 米国では、BTCによる決済は課税対象となる可能性があります(売却と同様に扱われ、キャピタルゲイン税が発生する場合があります)。日本においても、暗号資産での決済は原則として課税対象です。具体的な税務処理については税理士等の専門家にご相談ください。
Q. Blockはなぜ社名をSquareから変えたのですか?
A. 2021年12月にSquare, Inc.からBlock, Inc.に社名変更しました。Square(決済)・Cash App(個人向け金融)・Afterpay(BNPL)・Bitkey(ウォレット)など複数のブランドを傘下に持つ企業グループとしての姿を反映した変更です。ティッカーも2025年1月にSQからXYZに変更されています。
まとめ
Squareの400万加盟店(NY州除く)へのライトニング決済デフォルト有効化は、ビットコインの「日常決済通貨化」における最も具体的な一歩と言えます。
個別企業の実験的な取り組みではなく、米国の主要決済インフラがBTCを標準オプションとして組み込んだことの意味は大きいです。
401(k)への暗号資産解禁(同日発表)と合わせて見ると、2026年3月30日は「BTCが制度・決済の両面で主流に踏み込んだ日」として記憶される可能性があります。
短期的な相場への直接的インパクトより、中長期の需要構造を変える出来事として注目が必要です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の暗号資産への投資を勧誘・推奨するものではありません。暗号資産は価格変動リスクが高く、投資元本を下回る可能性があります。投資判断はご自身の責任と判断のもとで行ってください。
参考:Block公式プレスリリース(squareup.com/us/en/press)、Square公式サポートページ、Bitcoin Magazine、CryptoBriefing、Blockster、CNBC、The Block、Cryptorefills、LightningNetwork+(2026年3月30〜31日取得)