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※本記事は、2026年9月24日時点で確認できたCircle、米証券取引委員会(SEC)、SBI VCトレードなどの公開情報をもとに作成しています。
世界最大級の仮想通貨取引所Binance(バイナンス)が、米ドル連動型のデジタル通貨「USDC」を発行するCircle(サークル)に1億ドルを出資しました。
両社は、USDCの利用を世界各地で広げるため、5年間の提携契約も結んでいます。
今回の契約では、BinanceがCircleの株主になるだけでなく、契約対象となるUSDCの保有残高に応じて、Circleから毎月報酬を受け取る仕組みも設けられました。
USDCは、原則として1USDC=1米ドルの価値を維持するように設計された「ステーブルコイン」の一種です。
仮想通貨の売買だけでなく、送金や決済などにも利用されています。
今回の提携で両社が目指すのは、特に新興市場でUSDCを利用できる機会を増やすことです。
一方、日本国内で新しいUSDCのサービスが始まる、送金手数料が下がるといった変更は、今回の発表では明らかにされていません。
それでは、BinanceはなぜCircleに1億ドルもの資金を投じたのでしょうか。
出資によって両社が得られるメリットと、海外でのUSDC普及が日本の利用者にどう関係する可能性があるのかを解説します。
なお、日本ではSBI VCトレードを通じて、すでにUSDCを購入できます。
国内での取扱状況や購入方法については、以下の記事でも紹介しています。
⇒ SBI VCトレードのUSDC取扱状況・手数料を確認する
BinanceがCircleに1億ドル出資、5年間の提携で何を目指す?
CircleとBinanceは9月22日、USDCの普及に向けて提携を拡大すると発表しました。
両社は以前から協力関係にありましたが、今回は既存の契約を更新・拡大し、新たに5年間の提携契約を結んでいます。
あわせてBinanceはCircleの株式123万7,011株を1株80.84ドルで取得し、合計1億ドルを出資しました。
今回の提携でBinanceは、自社のプラットフォームを通じてUSDCの認知度を高め、利用を促進します。
Circleは、USDCを保有したり利用したりするためのシステムを提供し、両社で特に新興市場への普及を進める方針です。
つまり、CircleがUSDCを発行・提供し、Binanceが多くの利用者に届けるという役割分担です。
では、そもそもUSDCはどのような場面で使われるのでしょうか。
例えば、海外の仮想通貨取引所では、ビットコインを売却した資金をUSDCに換え、別の仮想通貨の購入に利用することがあります。
また、USDCでの支払いに対応している相手であれば、銀行を通じて米ドルを送る方法とは別の送金手段にもなります。
ただし、実際に利用できるサービスや送金先、手数料は、取引所や利用するネットワークなどによって異なります。
今回の提携は、こうしたUSDCの利用機会を世界各地で増やそうとする取り組みです。
一方、Binanceにとっては、単にUSDCの取扱いを増やすだけでなく、その普及を進めることによって収益を得られる契約にもなっています。
USDCの残高に応じて毎月報酬、Binanceが出資する理由とは?
今回の出資を理解するうえで重要なのが、CircleからBinanceへの報酬支払いです。
Circleが米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると、同社は、特定のウォレット基盤を通じて保有されるUSDCの残高に応じて、Binanceに毎月報酬を支払います。
ウォレットとは、USDCなどのデジタル資産を管理するための仕組みです。
BinanceはCircleの株主になると同時に、契約対象となるUSDCの保有残高に応じた継続的な報酬も受け取れるようになります。
これが、今回の出資と提携をあわせて考えるうえでのポイントです。
ただし、Binance上にあるすべてのUSDCが報酬の計算対象になるわけではありません。
また、具体的な報酬率も公表されていないため、Binanceが実際にどの程度の収益を得るかは分かっていません。
一方、CircleはなぜBinanceに報酬を支払ってまで、USDCの普及を進めようとしているのでしょうか。
Circleは、発行したUSDCの裏付けとなる準備資産から得られる利息などを主な収益源としています。
USDCの流通量が増えれば、準備資産の規模も拡大し、Circleの収益増加につながる可能性があります。
ただし、USDCが普及した分だけ、Circleの利益がそのまま増えるわけではありません。
今回の契約ではBinanceへの報酬支払いも発生するため、準備資産から得られる収益に加え、普及にかかるコストも利益を左右します。
今回の提携は、CircleがBinanceの利用者基盤を活用してUSDCの普及を進め、Binanceはその取り組みによって報酬を得るという、両社の利益を結び付けた仕組みです。
なお、この毎月の報酬はCircleからBinanceに支払われるものです。USDCを保有している一般利用者が、今回の契約によって毎月報酬を受け取れるようになるわけではありません。
今回の出資で日本のUSDC利用はどう変わる?
今回の出資によって、日本の利用者がすぐに使える新しいサービスが発表されたわけではありません。
CircleとBinanceが発表したのは、新興市場を中心にUSDCの利用を広げるための提携です。
日本国内でUSDCの取扱条件が変更される、送金手数料が下がるといった発表はありません。
そのため、今回のニュースを「日本でもUSDCが使いやすくなった」と受け取るのは正確ではありません。
では、海外でUSDCの利用が広がることは、日本の利用者にとって無関係なのでしょうか。
例えば、日本から海外の取引相手に代金を支払う場面を考えてみましょう。
相手がUSDCでの支払いに対応していれば、銀行を通じて米ドルを送る方法とは別に、USDCを使った支払いも選択肢になり得ます。
今回の提携によって海外でUSDCに対応するサービスや取引相手が増えれば、日本から海外への送金・決済でUSDCを利用する機会が広がる可能性があります。
ただし、海外でUSDCが普及しても、日本の利用者が同じサービスをそのまま使えるとは限りません。
日本国内の取扱事業者が対応しているか、送金先や取引目的に制限がないかなど、実際の利用条件を確認する必要があります。
また、銀行送金より必ず安く、速く送れるというわけでもありません。購入時のスプレッドや送金先の手数料、利用するネットワークによって、必要な費用や時間は変わります。
今回の提携が日本の利用者にとってどの程度便利さにつながるかは、今後のサービス拡充や対応状況によって異なります。
日本ではすでにUSDCを購入・送金できる
日本では、SBI VCトレードが2025年3月26日から一般利用者向けにUSDCの取扱いを開始しています。
同社では日本円でUSDCを購入できるほか、対応する外部ウォレットへの送金や、USDCを一定期間貸し出すレンディングサービスも提供しています。
つまり、日本でUSDCを購入・送金できるようになったのは、今回のBinanceによる出資がきっかけではありません。
SBI VCトレードでは、販売所で1USDCから購入できます。
USDCの入出庫にかかる同社側の手数料は無料ですが、販売所での売買には購入価格と売却価格の差であるスプレッドが発生します。
また、USDCの出庫は1回100万円相当額までで、同社で預けられるUSDCの残高にも100万円相当額の上限があります。
入出庫に対応するネットワークはイーサリアムです。
USDCは複数のネットワークで利用されていますが、SBI VCトレードが対応していないネットワークで送金すると、入庫が反映されず、資産を失う可能性があります。
実際に送金する場合は、送金元と送金先の対応ネットワークを事前に確認する必要があります。
USDCの購入方法や国内での利用条件、SBI VCトレードの特徴については、以下の記事で紹介しています。
⇒ SBI VCトレードのUSDC取扱状況・手数料・口座開設方法を確認する
USDCが世界で普及すると、保有者も利益を得られる?
今回のニュースでは、USDCの普及によってCircleやBinanceが収益を得る仕組みが注目されています。
しかし、USDCを保有する一般利用者にとっては、話が異なります。
USDCは原則として1USDC=1米ドルの価値を維持するように設計されているため、利用者が増えたことによって、ビットコインのような大幅な値上がりを目指す商品ではありません。
また、日本円での価値は為替相場の影響を受けます。米ドルに対して円高が進めば、USDCの円換算での価値が下がる可能性があります。
今回のニュースで日本の利用者が注目したいのは、USDC自体の値上がりではなく、海外で利用できる場がどこまで広がるかという点です。
今後、海外での対応先が増えたとしても、日本から利用できるサービスが自動的に増えるわけではありません。
国内事業者による取扱いの拡充や、実際に送金・決済できるサービスの変化があるかを確認する必要があります。
今回のBinanceによる出資は、USDCを発行するCircleと、利用者に届けるBinanceが、長期的な協力関係を強化したニュースです。
現時点で日本国内のUSDC利用に直接的な変更は発表されていませんが、海外での普及が進めば、日本からの送金や決済における選択肢にも将来的に関係する可能性があります。
ただし、USDCは米ドルとの連動を目指す商品であり、常に1米ドルの価格が保証されるわけではありません。発行企業や取扱事業者の信用リスク、為替変動、送金時の操作ミスなどにも注意が必要です。
日本でUSDCの利用を検討する場合は、海外の提携ニュースと国内の利用条件を分けて考え、最新のサービス内容を確認しておきましょう。
※本記事は、特定の暗号資産、電子決済手段、株式、その他の金融商品の購入や売却を推奨するものではありません。
※USDCは、日本の法制度上、ビットコインなどの暗号資産とは異なる「電子決済手段」として取り扱われています。
※USDCは米ドルに価値が連動するように設計されていますが、米ドルとの価格連動や円換算での元本が保証されるわけではありません。
各社の最新情報や利用条件を確認し、自身の判断で取引を行ってください。
出典・参考
- Circle:Binanceによる1億ドルの出資と5年間の提携契約に関する公式発表(2026年9月22日)
- 米証券取引委員会(SEC):Circleの提出書類 Form 8-K(2026年9月22日提出)
- Circle:2026年第2四半期決算・準備資産からの収益に関する情報
- Circle:USDCの特徴に関する公式情報
- SBI VCトレード:USDCの一般向け取扱い開始に関する発表(2025年3月25日)
- SBI VCトレード:USDCの購入方法・取引条件・レンディングに関する情報
- SBI VCトレード:USDCの取引条件と注意事項
- SBI VCトレード:暗号資産・電子決済手段の入出庫について
