低迷する仮想通貨市場でも揺るぎないビットコイン(BTC)のドミナンス

市場全体におけるビットコイン(BTC)のドミナンス(市場占有率)は、価格が30,000ドル(約380万0円)を下回っても後退していません。今回の価格下落は、ビットコインとアルトコインの双方を直撃しましたが、その結果ビットコインにはさらにドミナンスを高める余地が生じました。前週は投資家にとって依然厳しい市場動向ではあったものの、現在は横ばい状態になり、月末が近づくにつれて各指標は前向きな予測を見せ始めています。

高いレベルを維持するビットコインのドミナンス

業界におけるビットコインの優位性について議論の余地はありませんが、他にも多くの暗号資産(仮想通貨)がシェアを伸ばすにつれ、ドミナンスが下がり続けていることは確かです。またイーサリアム(ETH)のような他の通貨が、市場シェアを広げることも予測されていましたが、現状は予測された通りにはなっていません。

それどころか現在ビットコインのドミナンスは、直近7ヵ月で最高のレベルに達しています。最新のドミナンスは46%を超えており、これは2021年9月の大幅な価格下落後、その翌月に記録して以来の高いドミナンスです。

このドミナンスは、他の仮想通貨と比較した場合の、ビットコインの優位性も示しています。5月の厳しい市場動向は、すべての通貨に影響を与え全般的に2ケタ台の損失を生み出しましたが、ビットコインは他の通貨に比べれば少ないダメージで済んでいます。

5月の1ヵ月間で、ビットコインの価格は24%下落し、他の通貨価格も軒並み下落しています。しかし時価総額のクラスごとに価格の下落を比較してみると、ビットコインの優位性がここでも明らかになってきます。時価総額が高いレベルの通貨は、5月初めから27%の下落を見せ、中間レベルの通貨は31%下落しました。さらに低いレベルの通貨は、37%と極めて大きな下落を見せています。つまり他の通貨全体と比較して、ビットコインのダメージは少なかったと言えるのです。

危機感が漂うアルトコイン

投資家にとってアルトコインの魅力とは、高い利益を手にするチャンスがあることです。特に強気のラリーでは、アルトコインのメリットが際立ちます。ただし、一般にアルトコインは強気市場では高値をつける傾向にありますが、市場が安売りに走ると大きな損失を被ることになります。ここ数か月の状況がまさにそれです。それに対してビットコインは、現在も過去最高値の40%以上を維持しており、これは他の多くのアルトコインには真似できないことです。

例えばカルダノ(ADA)は、2021年9月の強気市場で史上最高値を記録しましたが、今回の弱気市場では最もダメージの大きい仮想通貨の1つになっています。当時の最高値3.1ドル(約393円)からすると、現在はそこから84%以上の価値を失ってしまいました。

投資家に好まれるミームコインのドージコイン(DOGE)も同様に過去最高値から89%の下落、ソラナ(SOL)も80%以上下落しました。こうしたアルトコインの現況と比較すると、ビットコインが市場でいかに高く評価されているか、そしてなぜドミナンスが成長を続けているのかが分かるでしょう。

参考
Bitcoin Dominance Remains High As Market Sell-Offs Settle

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