イーサリアム(ETH)の共同創業者で、コンセンシス(ConsenSys)のCEO(最高経営責任者)でもあるジョセフ・ルービン(Joseph Lubin)氏は、アメリカのニュース専用チャンネルCNBCの「キャピタル・コネクション(Capital Connection)」のインタビューで、今後の仮想通貨業の展望について持論を展開しました。
仮想通貨の将来を楽観視するルービン氏
インタビューの中でルービン氏は、分散化プロトコルとブロックチェーン技術、そしてアメリカの根底にある哲学とが融合することを、いずれ規制当局が認めるだろうと、自信を持って言明しました。
米証券取引委員会(SEC)と複数の暗号資産(仮想通貨)関連企業とが法的に対立している現状についても、やがて落ち着くだろうと楽観的な見解を示しました。
ルービン氏は、インターネット、ウェブ、仮想通貨などこれまでの先進技術の類似点を挙げ、最終的にはそれらが社会に受け入れられたことを強調しています。その上で「アメリカは分散型プロトコルとブロックチェーン、仮想通貨が根底にある哲学と融合することを理解して、さらに他の国々もそれに続くことになるだろう」と述べています。
現在係争中のSECとバイナンス(Binance)、コインベース(Coinbase)、リップル(Ripple)などとの法的対立は、仮想通貨やトークンは有価証券であるという見解を浮き彫りにしました。
SECはこれらの企業を、証券法に違反し適切な登録を経ず営業したとして起訴し、リップルに対しては、SECへの事前登録なしにXRPを販売したことによる民事裁判が続いています。
一方コインベースとバイナンスは、未登録の取引所運営と証券法違反に関してSECと対立しています。この点についてルービン氏は、トークンを有価証券と見なすSECのスタンスを認めながらも、トークンの本質的な分類に関する審査の必要性を強調しています。またゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)SEC委員長の宣言は、言葉だけのものではなく証拠を示すべきだとも指摘しました。
イーサリアムはコモディティ?
イーサリアムのネイティブ通貨ETHに関してルービン氏は、利益を求めて人々が投資する石油を引き合いに出し、有価証券よりもコモディティと見なすべきだと繰り返しています。
またルービン氏は、アメリカにおける規制の透明性に関する仮想通貨業界が抱える不安にも言及。業界の多くのリーダーたちが、明確なガイドラインがないことに不満を露わにしており、SECの規制行動に反発して、拠点を海外に移すことを検討している点も指摘しました。
彼はアメリカの規制がいくつかの国々の基準になっていることと、分散化プロトコル技術が、適正規模化と仲介業者の排除という原則に沿っていることを力説しています。さらにアメリカが仮想通貨の分散的な特性を、自由市場や資本主義、言論の自由などと同列に見ていることも強調しています。
ルービン氏は規制の見通しが立つにつれて、規制当局は分散化プロトコルと仮想通貨のポテンシャルが、アメリカの中核的な原理と融合することを認識するだろうと、楽観的に見ているようです。
すべての関係者が、技術革新と投資家保護につながる透明性と規制の枠組みを求める中で、仮想通貨業界もさらなる進歩を心待ちにしています。
参考
・Ethereum Co-Founder Predicts: Crypto’s Future In The US Will Be Embraced
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