先行き不透明ながらもビットコインは続伸、多方面の資金が市場流入の可能性?

ビットコイン(BTC)価格は重要なレジスタンスラインでの1週間の攻防を経て、現在伸びが鈍化していますが、これは今後数ヶ月でさらに上昇するための準備段階と見られます。

最大の争点はSECのETF承認

日本時間12月8日の早朝時点で、ビットコインは43,300ドル(約620万9,000円)をやや上回って推移しています。これは2022年に、年間最低価格に落ち込む前の水準です。週足チャートでは、ビットコインが15%の伸びを記録し、イーサリアム(ETH)も同調し、その他アルトコインもペースを合わせて追従しています。

シンガポールのQCPキャピタル(QCP Capital)の最新市場動向では、ビットコインは年初来から260%の価格上昇を記録したそうです。急激な価格上昇の要因は、アメリカ証券取引委員会(SEC)による現物ビットコインETF承認への期待感によるものです。SECは12月1日に、反論コメントの最終期限が2024年1月5日になることをアナウンスしており、その週明けには承認の是非が確定すると見られています。

QCPキャピタルは、2024年1月3日のビットコインのジェネシス・ブロック15周年が、SECによって台無しにされるというジョークをコメントしていますが、市場はこの点にも注目する必要がありそうです。

承認への期待からビットコインが45,000ドル(約645万3,000円)に近づく中で、投資家たちはこのニュースがどれだけ価格に織り込まれているかを重視しています。ETFが承認されたとすると、取引開始直後の期間が非常に重要であり、市場へのインパクトは実際にETFにどれだけの資金が流入するかで決まります。もしも期待と現実が食い違っていたら、「噂で買い、ニュースで売る」という残念な結果になる可能性もあります。

市場に回帰するアジアのバイヤーとアルトコインの動き

SECによる12月1日のアナウンスは、前月まで不活性だったアジアのバイヤーの興味をかきたてました。特に最近の現物取引利益のほとんどが、このコメントに備えて投資家がポジションを取る中、アメリカでの取引時間中に生じたことに注目すべきでしょう。

市場では現物ETFのローンチに向けた準備が進んでおり、投資家には豊富な選択肢が用意されています。例えば13の現物ETFの申請や、その他いくつかのレバレッジとオプション・ベースETFなどです。ビットコインとイーサリアムに関わる既存の金融エコシステムも、事業拡大に向けて商品を準備中です。

QCPキャピタルは、低コストと狭いスプレッドが特徴である市場では、ゴールドなどの市場と同様に、構造化商品が超過リターンを生成する中核的な資産クラスになる可能性があるとして、「ETFローンチ当日には、現物ビットコインETFに真っ先に目を向けるべきだが、ビットコインとイーサリアムを取り巻く、既存の金融エコシステムの動きにも注意が必要だろう」とコメントしています。

グラスノード(Glassnode)の共同創立者は、ネゲントロピック(Negentropic)という名前で「アルトコインはいつになったら動き出すのか?いや、よく見れば、先導するビットコインの後ろから、アルトコインの市場総額は追い付こうとしているのさ」とXに投稿しました。
さらに自身のレポートでは、アルトコインがビットコインの価格上昇に追いつこうとしていることと、現在の一時的な価格停滞が、マイナーなコインにも強気トレンドの恩恵をもたらす可能性について指摘しています。

参考
Why Bitcoin’s Staggering 260% YTD Surge Could Be Just The Start

【こんな記事も読まれています】
ビットコイン現物ETFに新たにスイス資産運用会社が登録申請を発表
バイナンス帝国崩壊から学ぶ仮想通貨(暗号資産)の教訓
Web3カードゲームの「アペイロン(Apeiron)」ロニンブロックチェーンに移行

おすすめの記事